──*──*──*── 街道
──*──*──*── 結界魔法陣の外
屋根から飛び降りたオレは、光を放つ結界魔法陣に近付いた。
結界魔法陣の中には沢山の人達が居た。
どうやら結界魔法陣は街民を守る為に張られているみたいだ。
結界魔法陣の中を見ていると宿主の姿もあった。
良かったぁ!
無事だったんだな。
だけど、セロの姿が見当たらない。
セロは何処に居るんだろう?
オレは結界魔法陣の中って、宿主に声を掛ける事にした。
宿主ならセロが何で結界魔法陣の中に居ないのか知ってる筈だ。
…………多分!!
──*──*──*── 結界魔法陣の中
マオ
「 ──おっちゃん!
どうしてこんな所に居るの? 」
宿主:デクスラ
「 おぉっ、マオ君?!
マオ君こそ、どうして此処に居るんだい? 」
マオ
「 オレはセロを探してるんだ。
チェックアウトをしに行ったきり、ちっとも食堂に戻って来ないもんだから。
おっちゃん、セロを知らない?
結界の中には居ないみたいだし… 」
宿主:デクスラ
「 セロッタさんなら、さっき迄此処に居たよ。
一足違いだね… 」
マオ
「 セぇロぉ〜〜〜〜っ!!
オレが居るのにぃ!
1人で勝手に動いてばっかだな! 」
宿主:デクスラ
「 マオ君…。
セロッタさんを攻めないでくれ。
セロッタさんは私達の為に囮になってくれたんだ… 」
マオ
「 囮ぃ?!
セロが?? 」
宿主:デクスラ
「 そうだよ…。
──確かにセロッタさんはチェックアウトをしに受け付けカウンターに来たよ。
チェックアウトを終えた後、アが開いてね──。
『 人手がほしいから手伝ってほしい 』って呼ばれたんだ。
私だけで行くつもりだったけど、セロッタさんも一緒に来てくれる事になってね… 」
マオ
「 其で…、霧が酷い中をこんな所に迄? 」
宿主:デクスラ
「 霧?
霧なんて出てなかったよ 」
マオ
「 えぇっ?!
オレが宿屋を出でたら、辺あたり一いち面めん、凄すごい霧きりだったよ!
だから、屋や根ねの上うえを走はしって来きたんだ 」
宿主:デクスラ
「 そうなのかい? 」
マオ
「 おっちゃん、セロは何なんか言いってた? 」
宿主:デクスラ
「 『 何なにが起おきても此この中なかから出でない様ように 』と言いわれたよ 」
マオ
「 出でない方ほうが良いいよ。
蜘く蛛もと蟷かま螂きりと蜻とん蛉ぼが合がっ体たいした昆こん虫ちゅうがウジャウジャいるからね! 」
宿主:デクスラ
「 何なんだい其それは?? 」
マオ
「 オレも良よく分わからないんだ。
初はじめて見みるし。
空そらを飛とぶし、狂きょう暴ぼうだから、結けっ界かい魔ま法ほうマジカル陣じんサークルから出でない様ようにして! 」
宿主:デクスラ
「 マオ君くんはどうするんだい? 」
マオ
「 オレはセロを探さがしに行いくよ。
おっちゃん、セロはどっちに行いったの? 」
宿主:デクスラ
「 セロッタさんは、向むこうに行いったよ。
セロッタさんは吟ぎん遊ゆう詩し人じんなのに…。
1人りで大だい丈じょう夫ぶなのか心しん配ぱいだよ… 」
マオ
「 おっちゃん、セロなら大だい丈じょう夫ぶだよ!
セロは魔ま法ほうマジックを使つかえる吟ぎん遊ゆう詩し人じんなんだ!
オレの剣けん術じゅつの稽けい古こだって、セロがしてくれてるんだ! 」
宿主:デクスラ
「 そうなのかい?
其それは凄すごいね。
人ひとは見み掛かけに寄よらないもんだねぇ 」
マオ
「 おっちゃん、教おしえてくれて有あり難がとう!
オレ、行いくよ 」
宿主:デクスラ
「 マオ君くん…。
呉くれ々ぐれも気きを付つけてな 」
マオ
「 うん!
セロと戻もどって来くるよ 」
──*──*──*── 結界魔法の外
宿やど主ぬしおっちゃんと話はなしを終おえたオレは、結けっ界かい魔ま法ほうマジカル陣じんサークルを出でると、おっちゃんが教おしえてくれた方ほう向こうへ向むかって走はしった。
セロに会あえるといいんだけど……。
いや、何なにが何なんでも会あわないとだ!
オレを呼よんでくれたらいいのに、黙だまって行いくなんて、何なに考かんがえてるんだ!!
水みず臭くさい事ことしないでほしい!
走はしっていると、ドガゴガゴォォォォン──って言いう派は手でな爆ばく音おんが聞きこえた。
オレは急いそいで爆ばく音おんのした方ほうへ走はしった!
セロが巻まき込こまれてなければいいんだけど!
また霧きりが出でて来きた?!
霧きりの所せ為いで爆ばく音おんが聞きこえ難にくくなった。
折せっ角かくセロに近ちか付づけたと思おもったのに!!
名な前まえを呼よんだら返へん事じしてくれるかな?