マオ
「 そうなのか?
忙しくなりそうだな?
大丈夫なのか? 」
セロフィート
「 心配はないです。
宿屋の用よう心じん棒ぼうも兼かねて戦せん闘とう用ようの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉を1体たい貸かし出だしますし 」
マオ
「 …………奮ふん発ぱつしたな〜 」
セロフィート
「 美お味いしいパンケーキを作つくれるのは、今いまの所ところ〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉だけですし。
少すくない人にん数ずうで稼かせぐなら、あらゆる雑ざつ用ようからサポート,用よう心じん棒ぼうをこなせる〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉は欠かかせません 」
マオ
「 へぇ?
じゃあ、〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉は裏うら方かたに徹てっしてるんだ? 」
セロフィート
「 そうなりますね。
パンケーキの作つくり方かたはラリーデさんが覚おぼえてくれるそうです 」
マオ
「 ラリーデさん?
誰だれさん? 」
セロフィート
「 デクスラさんとエリーサさんの息むす子こさんです 」
マオ
「 ……えと、デクスラさんとエリーサさんって誰だれさん?? 」
セロフィート
「 デクスラさんは宿やど主ぬしで、エリーサさんは宿やど主ぬしの奥おくさんです 」
マオ
「 えっ?!
そうなの??
宿やど主ぬしおっちゃんと宿やどお主ぬしばの妻つまちゃんの名な前まえなんだ…。
息むす子こさんが居いたんだな 」
セロフィート
「 裏うら方かたとして頑がん張ばってるそうです 」
マオ
「 そうなんだ。
じゃあ、ラリーデさんは〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉の先せん輩ぱいになるんだな 」
セロフィート
「 そうですね。
デクスラさんはラリーデさんに跡あと継つぎとして宿やど主ぬしの仕し事ごとも覚おぼえてほしいみたいですし、〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉が入はいって丁ちょう度ど良よかったみたいですよ。
〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉には人じん件けん費ひも掛かかりませんし 」
マオ
「 人じん件けん費ひを支し払はらわなくていい代かわりに《 セロッタ・カンパニー 》のお得とく意いさんになってもらったんだろ〜〜 」
セロフィート
「 新あたらしい商しょう品ひんの試し作さく品ひんが出で来きたら、実じっ際さいに宿しゅく泊はく客きゃくにも使つかってもらえます。
試し作さく品ひんの感かん想そうも聞きけますし、改かい良りょう点てんも見み付つけられます 」
マオ
「 〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉は《 セロッタ・カンパニー 》と宿やど屋やカラクザ亭ていを繋つなぐ架かけ橋はし的てきな存そん在ざいなんだな 」
セロフィート
「 そうなります 」
マオ
「 セロのパンケーキとオレのパンケーキは違ちがうよな?
粉こなが違ちがうのか? 」
セロフィート
「 使つかっている粉こなは1種しゅ類るいだけです 」
マオ
「 じゃあ、何なんで違ちがうんだ?
同おなじパンケーキが出で来きるんじゃないのか? 」
セロフィート
「 粉こなの中なかへ入いれる材ざい料りょうや混まぜ方かたに依よって、違ちがうパンケーキが出で来きます 」
マオ
「 そうなんだ?
オレもセロと同おなじパンケーキ食たべたい! 」
セロフィート
「 マオの食くいしん坊ぼうさん♪
半はん分ぶんどうぞ 」
マオ
「 いいのか?
有あり難がとな! 」
セロフィート
「 パンケーキの種しゅ類るいに合あわせて、付つけ合あわせも変かわります。
ジャムを使つかったり、ムースを使つかったり、クリームを使つかったり… 」
マオ
「 チョコとかピーナッツバターとかも? 」
セロフィート
「 そうです。
ヨーグルト,バター,チーズも使つかいます 」
マオ
「 味あじの幅はばが広ひろがるな〜〜 」
セロフィート
「 毎まい日にち色いろ々いろな種しゅ類るいのパンケーキや付つけ合あわせを作つくるのは大たい変へんです。
毎まい日にちの朝あさ食げモニングにはシンプルで胃いに凭もたれない2種しゅ類るいのパンケーキを出だします。
14時じ 〜 16時じ迄までは曜よう日びに依よってパンケーキを変かえて提てい供きょうします。
パンケーキは珍めずらしい食たべ物ものですから、覚おぼえてもらえる迄までは、新しん商ひょう品ひんの試し作さく品ひんとさて小ちいさなパンケーキを作つくり、宿しゅく泊はく客きゃくに提てい供きょうする様ようになってます 」
マオ
「 へ…へぇ…。
パンケーキって珍めずらしい食たべ物ものなんだ…。
オレが食たべ慣なれちゃってるんだな 。
だけどさ、何なんでホットケーキじゃないんだ?
ホットケーキも美お味いしいのにさ 」
セロフィート
「 パンケーキは冷さめても美お味いしく食たべれますし、甘あまさ控ひかえ目めですから食しょく事じとしても提てい供きょうし易やすいです 」
マオ
「 そうなんだ?
……そうかもな。
ホットケーキって…どっちかって言いうと、おやつ感かん覚かくだもんな〜 」
セロフィート
「 マオ、未まだ食まべます? 」
マオ
「 うん。
未まだ食たべたい! 」
セロフィート
「 ワタシは先さきにチェックアウトしてきます。
マオは食たべながら待まっていてください 」
マオ
「 うん、分わかったよ 」
オレを食しょく堂どうに残のこして、セロは1人りで宿やど主ぬしおっちゃんが居いる受うけ付つけカウンターに行いってしまった。
チェックアウトなんて、食たべ終おわってからでもいい気きがするんだけどなぁ…。
セロの考かんがえてる事ことは分わからない。