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９．飲食街　４　〜飲食店　４〜

セロフィート

「フラグレンスハーバリウムの場（ば）合（あい）、香（かお）りは１ヵ月（げつ）(３０日（にち）)続（つづ）きます。

　香（かお）らなくなっても其（そ）のままインテリアとして使（つか）えます。

　様（さま）々(ざま)な種（しゅ）類（るい）を用（よう）意（い）してますし、集（あつ）めるのも楽（たの）しくなる事（こと）でしょう。

　人（にん）気（き）が出（で）れば、容（よう）器（き）の種（しゅ）類（るい）を増（ふ）やす予（よ）定（てい）です。

　容（よう）器（き）の中（なか）に羽（う）毛（もう）や宝（ほう）石（せき）(ジュエリー)の屑（くず）を入（い）れても綺（キ）麗（レイ）でしょうね。

　中（なか）身（み）を変（か）えるだけで、安（やす）物（もの）〜高（こう）級（きゅう）品（ひん）迄（まで）自（じ）在（ざい）に作（つく）れます。

　香（かお）りのしないハーバリウムも用（よう）意（い）してます。

　ハーバリウムは花（はな）の美（うつく）しさを閉（と）じ込（こ）める植（しょく）物（ぶつ）標（ひょう）本（ほん）としても楽（たの）しむ事（こと）が出（で）来（き）ます。

　ハーバリウムを使（つか）ったアクセサリーやオイルランプも用（よう）意（い）してます。

　値（ね）段（だん）は張（は）りますけど、ハーバリウムのフラワークロックを作（つく）るのも良（よ）いですね。

　メイクブラシなら女（じょ）性（せい）も喜（よろこ）びそうです。

　ペンスタンド，ソープディッシュ，コスメケース，アクセサリートレイ，小（こ）物（もの）ボックスも良（よ）いですね」

マオ

「種（しゅ）類（るい）が多（おお）過（す）ぎないか？

　人（にん）気（き）が出（で）なくて売（う）れなかったらどうするんだ？」

セロフィート

「｛元（もと）手（で）はタダですし。

　　〈テフ(原質の源) 〉に変（へん）換（かん）すれば良（よ）いです。

　　店（てん）内（ない）に置（お）いてあるのは見（み）本（ほん）品（ひん）ばかりですし、見（み）本（ほん）を〈魔（ま）法（ほう）(マジカル)陣（じん）(サークル) 〉の上（うえ）に置（お）けば、瞬（しゅん）時（じ）に商（しょう）品（ひん）が現（あらわ）れます。

　　不（ふ）要（よう）な在（ざい）庫（こ）を持（も）つ必（ひつ）要（よう）も無（な）いです｝」

マオ

「そ、そうなんだ… 」

セロフィート

「紙（かみ）袋（ぶくろ）の中（なか）に入（はい）っているのは、ハーバリウム，フラグレンスハーバリウム，ランプオイル，ソープディッシュ，アクセサリー，アクセサリートレイの６点（てん）です」

マオ

「多（おお）いな？」

セロフィート

「何（ど）れも試（し）作（さく）品（ひん）ですし」

マオ

「ふ〜ん… 」

セロフィート

「気（き）になるなら、見（み）てみます？」

マオ

「見（み）れるのか？」

　オレが聞（き）くとセロは長（なが）細（ぼそ）い何（なに）かをテーブルの上（うえ）に出（だ）した。

マオ

「此（これ）は？」

セロフィート

「ハーバリウムです。

　容（よう）器（き）の中（なか）に新（しん）鮮（せん）な花（はな）(フラワー)を入（い）れてます。

　中（なか）の液（えき）体（たい）で花（はな）(フラワー)を長（なが）持（も）ちさせてます」

マオ

「へぇ〜。

　此（これ）がハーバリウムなんだ？

　綺（キ）麗（レイ）だな〜〜。

　振（ふ）っても大（だい）丈（じょう）夫（ぶ）なのか？」

セロフィート

「マオ、振（ふ）って遊（あそ）ぶものではないです」

マオ

「匂（にお）いしないな」

セロフィート

「其（それ）は普（ふ）通（つう）のハーバリウムですから香（かお）りはしません。

　フラグレンスハーバリウムの液（えき）体（たい）にはアロマエッセンスが入（はい）っているので香（かお）ります。

　此（こ）処（こ）は飲（いん）食（しょく）店（てん）です。

　フラグレンスハーバリウムは出（だ）しません」

マオ

「そっか…。

　そうだよな」

　──うん？

　何（なん）か…視（し）線（せん）を感（かん）じる？？

　女（じょ）性（せい）の？？

　…………ウェイトレスの視（し）線（せん）だ！

　オレのセロを見（み）てるのか？？

　──いや、違（ちが）う？？

　若（も）しかして……ハーバリウムに興（きょう）味（み）があるのかな？？

　まぁ、オレだって初（はじ）めて見（み）る商（しょう）品（ひん）だし、物（もの）珍（めずら）しくはある。

　可（か）愛（わい）いのや綺（キ）麗（レイ）なのが好（す）きで惹（ひ）かれ易（やす）い女（じょ）性（せい）なら気（き）になっちゃうのかも知（し）れないな。

マオ

「｛セロ、見（み）られてるぞ！｝」

セロフィート

「はい？

　見（み）られるのは何（い）時（つ）もの事（こと）ですけど？」

マオ

「そうじゃなくて…！

　｛ハーバリウムが見（み）られてるんじゃないのかな？｝」

セロフィート

「良（よ）いのではないです？

　興（きょう）味（み）を持（も）ってもらえれば、買（も）ってもらえますし」

マオ

「 …………そだな… 」

　心（しん）配（ぱい）したオレが馬（バ）鹿（カ）みたいだ。

　セロは人（ひと）目（め）を気（き）にする様（よう）な性（せい）格（かく）じゃなかった。

　セロは何（な）故（ぜ）だか色（いろ）違（ちが）いのハーバリウムを出（だ）し始（はじ）めた。

　こうやって並（なら）べられたのを見（み）ていると、また違（ちが）う感（かん）じがする。

　綺（キ）麗（レイ）だなぁ。

　やっぱり、ウェイトレス達（たち）が此方（こっち）を見（み）てる。

　セロが出（だ）したハーバリウムに興（きょう）味（み）があるんだ！

　欲（ほ）しいのかな？？

セロフィート

「どうです、マオ。

　ハーバリウムは売（う）れると思（おも）います？」

マオ

「売（う）るんだろ〜〜。

　お貴（き）族（ぞく）様（さま）や富（ふ）裕（ゆう）層（そう）の間（あいだ）で人（にん）気（き）が出（で）れば、ウハウハだろ〜〜〜」

セロフィート

「おや？

　分（わ）かってますね」

マオ

「お姫（ひめ）様（さま）とかお嬢（じょう）様（さま）とか奥（おく）様（さま）とかをターゲットにするんじゃないのか？

　好（す）きそうだもんな」

セロフィート

「ふふふ♪

　ハーバリウムの手（て）鏡（かがみ），靴（くつ），宝（ほう）石（せき）(ジュエリー)箱（ばこ），装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)箱（ばこ）等（など）を用（よう）意（い）して訪（ほう）問（もん）する予（よ）定（てい）です」

マオ

「セロがするのか？」

セロフィート

「まさか。

　ワタシはマオと過（す）ごす事（こと）を優（ゆう）先（せん）します。

　ワタシに似（に）せた〈器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉に行（い）かせます」

マオ

「そう言（い）えば、自（じ）分（ぶん）に似（に）せた〈器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉を何（なん）体（たい）か持（も）ってるんだったよな」

９．飲食街 ４ 〜 飲食店 ４ 〜

９．飲食街　４　〜飲食店　４〜