☀「 セロ 」アレンカルダ大陸 ／ ライナノットの街 ／ 自称★名探偵セロッタ・ホームスの迷宮事件簿

ライナノットの街 「 九日目 」

９．商店街 ３ 〜 装飾店 １ 〜

──＊──＊──＊──　商店街

──＊──＊──＊──　装飾店

　セロと一（いっ）緒（しょ）に入（はい）った装（そう）飾（しょく）店（てん）には、色（いろ）んな装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)が棚（たな）に飾（かざ）られている。

　首（くび）(ネッ)飾（かざ）り(クレス)，ペンダント，耳（みみ）(イヤ)飾（かざ）り(リング)，ピアス，腕（うで）輪（わ）(ブレスレット)，バングル，アミュレット，アームレット，リストバンド，ミサンガ，足（あし）輪（わ）(アンクレット)，指（ゆび）輪（わ）(リング)，ブローチ，髪（かみ）飾（かざ）り，首（くび）輪（わ）…………首（く）輪（びわ）？！

　装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)に首（くび）輪（わ）を使（つか）う人（ひと）がいるのかよ……。

　あっ、太（ふと）さや長（なが）さの違（ちが）う鎖（くさり）(チェーン)もある。

　何（ど）れも色（いろ）んな種（しゅ）類（るい）があって見（み）てるだけなのに楽（たの）しい。

　──あれ？

　同（おな）じ商（しょう）品（ひん）なのに値（ね）段（だん）が違（ちが）う？？

　何（なん）でだろう？？

　…………どっからどう見（み）ても同（おな）じ装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)なのに何（なん）で値（ね）段（だん）が違（ちが）うんだ？？

セロフィート

「 マオ、欲（ほ）しい物（もの）でも見（み）付（つ）けました？ 」

マオ

「 セロ…。

　 いや、欲（ほ）しいって言（い）うか…… 」

セロフィート

「 はて？

　 どうしました？ 」

　セロに聞（き）いたら分（わ）かるかも！

マオ

「 此（これ）、見（み）てよ。

　 全（まった）く同（おな）じ装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)なのに値（ね）段（だん）が違（ちが）うんだよ。

　 何（なん）でかな……って思（おも）ってさ 」

セロフィート

「 ははぁ…。

　 マオには未（ま）だ話（はな）してませんでしたね 」

マオ

「 知（し）ってるのか？ 」

セロフィート

「 此方（こちら）の安（やす）い(１.０００Ｕ（ユロ）)装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)は附（ふ）与（よ）無（な）しです。

　 此方（こちら）の高（たか）い(４.０００Ｕ（ユロ）)装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)は附（ふ）与（よ）有（あ）りです。

　 附（ふ）与（よ）無（な）し，附（ふ）与（よ）有（あ）りにより、装（そう）(アク)飾（しょく）(セサ)品（ひん）(リー)の値（ね）段（だん）が違（ちが）います 」

マオ

「 附（ふ）与（よ）？？

　 附（ふ）与（よ）って何（なに）？？

　 無（な）いのと有（あ）るので何（なん）か違（ちが）うのか？？ 」

セロフィート

「 ≪ アレンカルダ大（たい）陸（りく） ≫の武（ぶ）器（き），防（ぼう）具（ぐ），装（そう）飾（しょく）具（ぐ）には、附（ふ）与（よ）を付（つ）けれる様（よう）になってます。

　 日（ひ）に日（ひ）に強（つよ）さを増（ま）す怪（かい）物（ぶつ）(モンスター)，化（ばけ）物（もの）(ゴースター)，魔（ま）物（もの）(マタムト)，亜（あ）人（じん）種（しゅ）を相（あい）手（て）に戦（たたか）わなければなりません。

　 どんなに強（つよ）い武（ぶ）器（き），防（ぼう）具（ぐ）を作（つく）り、鍛（きた）えても限（げん）界（かい）はあります。

　 其（そ）処（こ）で考（かんが）えられたのが、 “ 附（ふ）与（よ） ” です。

　 附（ふ）与（よ）を付（つ）ける事（こと）で、武（ぶ）器（き），武（ぼう）具（ぐ），装（そう）飾（しょく）具（ぐ）を更（さら）に強（きょう）化（か）させ、通（つう）常（じょう）よりも長（なが）持（も）ちさせる事（こと）が出（で）来（き）る様（よう）になりました 」

マオ

「 少（すこ）しでも有（ゆう）利（り）に戦（たたか）える様（よう）にする為（ため）の知（ち）恵（え）なんだな… 」

セロフィート

「 知（ち）恵（え）と言（い）うよりも、 “ 悪（わる）足（あ）掻（が）き ” と言（い）うべきでしょうね 」

マオ

「 知（ち）恵（え）でいいじゃんか…。

　 でもさ、どんな附（ふ）与（よ）が付（つ）いてるのかは分（わ）からないよな？

　 分（わ）かる方（ほう）法（ほう）でもあるのか？ 」

セロフィート

「 店（てん）内（ない）に居（い）る鑑（かん）定（てい）士（し）にチップを支（し）払（はら）えば、鑑（かん）定（てい）してもらえます 」

マオ

「 鑑（かん）定（てい）士（し）？

　 チップ？？ 」

セロフィート

「 鑑（かん）定（てい）士（し）は鑑（かん）定（てい）するのが仕（し）事（ごと）です。

　 気（き）になる商（しょう）品（ひん）が、附（ふ）与（よ）無（な）しか附（ふ）与（よ）有（あ）りかを鑑（かん）定（てい）してほしい時（とき）は、鑑（かん）定（てい）士（し）に５００Ｕ（ユロ）のチップを支（し）払（はら）います。

　 附（ふ）与（よ）が幾（いく）つ付（つ）いているのか知（し）りたい時（とき）は、追（つい）加（か）で５００Ｕ（ユロ）のチップを支（し）払（はら）います。

　 付（つ）いている附（ふ）与（よ）の種（しゅ）類（るい）を知（し）りたい時（とき）は、更（さら）に追（つい）加（か）で５００Ｕ（ユロ）のチップを支（し）払（はら）います 」

マオ

「 ５００Ｕ（ユロ）ずつ支（し）払（はら）わないと駄（ダ）目（メ）なのか？ 」

セロフィート

「 鑑（かん）定（てい）は誰（だれ）にでも出（で）来（き）る事（こと）ではないです。

　 鑑（かん）定（てい）をマスターするには、先（ま）ず素（そ）質（しつ）が必（ひつ）要（よう）です。

　 魔（ま）法（ほ）力（りき）が無（な）ければ、鑑（かん）定（てい）を覚（おぼ）える事（こと）は出（で）来（き）ません。

　 鑑（かん）定（てい）師（し）に弟（で）子（し）入（い）りをし、鑑（かん）定（てい）師（し）の元（もと）で鑑（かん）定（てい）について学（まな）びます。

　 鑑（かん）定（てい）師（し）から出（だ）される試（し）験（けん）を受（う）け、合（ごう）格（かく）した者（もの）だけが鑑（かん）定（てい）士（し）協（きょう）会（かい）から鑑（かん）定（てい）士（し）免（めん）許（きょ）を発（はっ）行（こう）してしもらえます。

　 鑑（かん）定（てい）士（し）免（めん）許（きょ）があれば、鑑（かん）定（てい）を必（ひつ）要（よう）としている店（みせ）に就（しゅう）職（しょく）する事（こと）が出（で）来（き）ます 」

マオ

「 へ、へぇ…。

　 お客（きゃく）からチップを貰（もら）ってる──って事（こと）はさ、鑑（かん）定（てい）士（し）ってのは勤（つと）め先（さき）の店（みせ）からお給（きゅう）料（りょう）を貰（もら）えないのか？ 」

セロフィート

「 お給（きゅう）料（りょう）は支（し）払（はら）われます。

　 チップはサービス料（りょう）兼（けん）感（かん）謝（しゃ）料（りょう）です 」