──*──*──*── 遊戯室
食堂を出てから、寄り道せずにセロが居るかも知れない遊戯室へ向かう。
ガヤガヤと言う騒がしさが廊下に迄聞こえて来る遊戯室の中へ入ると、やっぱり──と言うべきか、室内は期待通りにざわついていた。
オレは遊戯室の中を見回して、セロの姿を探した。
まぁ、オレが態々探さなくてもだ、長身のセロは目立つから、直ぐに見付かる訳だけど……。
──居たぁっ!!
居てくれたぁ!!
セロの前には人集りが出来ていた!
何をしてるんだろう?
若しかして、昨日みたいに手品でも披露してるのかな?
オレは人集りの方へ向かって歩いた。
セロは手品を披露しているみたいだ。
昨日は宝ほう石せきを使つかった手てじ品なをしてたよな?
今日きょう金曜日オータンは何なにを使つかって手てじ品なしてるんだろう??
手てじ品なを見みている観かん客きゃく達たちの背せが高たかくて、オレはどんな手てじ品なをしてるのか全まったく見みえない。
観かん客きゃく達たちは「 おぉ〜〜〜っ 」と歓かん喜きの声こえを上あげている。
一いっ体たいどんな手てじ品ななんだろう…。
まぁ、後あとからセロに聞きけばいいんだけなんだけど……。
オレは静しずかに手てじ品なが終おわるのを待まつ事ことにした。
16時じになる前まえにセロの手てじ品なは終おわったみたいだ。
手てじ品なを見みていた観かん客きゃく達たちは、ホクホク顔がおで遊ゆう戯ぎ室しつから出でて行いく。
手てには紙かみ袋ぶくを持もっているけど、何なにが入はいってるんだろう??
オレはセロに話はなし掛かける事ことにした。
マオ
「 ──セロ! 」
セロフィート
「 マオ──、副ふく作さ用ようは消きえたみたいですね 」
マオ
「 バッチリな!
此これでセロとデートが出で来きるよ!
セロ、今いまからデートに行いこう! 」
セロフィート
「 今いまからです?
もう直すぐ16時じになりますけど? 」
マオ
「 21時じ迄までデートするなら、5時じ間かんはデートが出で来きるだろ!
セロ、オレの書かいたデートプランは持もってるか? 」
セロフィート
「 デートプラン…です?
勿もち論ろん、持もってます。
マオがワタシの為ために考かんがえてくれた世せ界かいに1枚まいしかないデートプランですし。
捨すてる訳わけないです 」
マオ
「 そうなんだ?
良よかった!
なぁ、セロ──、全ぜん部ぶ回まわるのは無ム理リだけどさ、鉱こう石せき店てんと装そう飾しょく店てんに寄よってから、《 飲いん食しょく街がい 》で夕ゆう食げディナーにしよう!
最さい後ごに書しょ店てんへ寄よって宿やど屋やカラクザ亭ていに戻もどるんだ。
どうかな? 」
セロフィート
「 マオ…。
良よいでしょう。
短みじかい時じ間かんですけど、デートしましよう 」
マオ
「 本ほん当とか?!
やった!! 」
オレはセロとデートが出で来きるのが嬉うれしくて、大おお喜よろこびした。
セロフィート
「 ふふふ…。
そんなに嬉うれしいです? 」
マオ
「 当あたり前まえだろ!
オレ、ブーツに履はき替かえて来くるよ! 」
セロフィート
「 必ひつ要ようないです。
もう変かえました。
行いきましょう 」
セロに言いわれたオレは自じ分ぶんの足あしを見みた。
ルームシューズを履はいていた筈はずだけど、何い時つの間まにかブーツを履はいていた。
勿もち論ろん、靴くつ下したソックスも履はいている。
オレはセロに手てを掴つかまれて、遊ゆう戯ぎ室しつを出でた。