9.宿屋 28 〜 宿泊室 16 〜
セロフィート
「 サンタクロース…です? 」
八賢悳壹
「 サンタクロースは良い子にプレゼントを配ってくれる妖精のおじいさんです。
世界の何処かにサンタクロースが暮らすサンタクロース村って所があって、其処で12月24日の夜に配るプレゼントを用意して、魔法の袋に入れて、空飛ぶトナカイに空飛ぶソリを引かせて、世界中の子供達の家に向かうんです。
トナカイを子供の家に誘導するのは、ティンカーベルって言われてる妖精ですね。
空飛ぶソリと魔法の袋とティンカーベルはセットになってるんですよ。
まぁ、子供に夢を与える為に考えられた設定なんですけど…。
サンタクロースの設定は他にも色々とあるみたいですけど、オレが知ってるのは今、話したバージョンだけです 」
セロフィート
「 なかなか興味深いです。
トナカイやソリが空を飛ぶとは思えませんけど 」
八賢悳壹
「 其はティンカーベルの妖精の粉の力ですよ。
ティンカーベルの妖精の粉をソリとトナカイに振り掛けるんです 」
セロフィート
「 成る程…。
トイチの知っているサンタクロースの設定ですね 」
八賢悳壹
「 は、はい。
そうです! 」
セロフィート
「 トイチのアイデアを起用し、世界へ広めれば間違いなく “ ガッポリ ” 出来るでしょう。
≪ サンタクロース村 ≫はテーマパークの一部にすれば子供は喜びます。
夢の様な時間を提供する商売は儲かりますし、試す価値はあります。
噂を聞き付けた日本人が訪れるかも知れませんし。
少し大掛かりな “ 日本人ホイホイ ” だと思えば良いでしょう 」
八賢悳壹
「 日本人ホイホイ──ですか?
分かり易いですね!
本当にホイホイされてくれるといいんですけど…… 」
セロフィート
「 暫くは様子見になります 」
八賢悳壹
「 そうですね… 」
──*──*──*── 宿泊室
セロフィート
「 ──と言う様な話をしてました 」
マオ
「 …………そうかよ…。
じゃあ、トイチと話した内容の店とかテーマパークとかは、もう完成してるのか? 」
セロフィート
「 当然です。
専門カフェは富裕層をターゲットにして≪ 町 ≫ 〜 ≪ 王都 ≫で開店させました。
書店は富裕層と庶民層をターゲットにして≪ 村落 ≫ 〜 ≪ 王都 ≫で開店させてます。
月行事に関して言えば、1日限定にしては勿体無いですし、1週間 〜 1ヵ月単位に変更して広めてます。
≪ サンタクロース村 ≫に関しては── 」
セロの話を聞いてたら眠たくなって来た。
態々 “ ガッポリ ” なんてしなくたっていいのに……。
いや、言わないでおこう。
理由はどうあれ、セロなりに人類に手を差し伸べてくれてる訳だしな。
“ ガッポリ ” する為だけど、其でも人間はセロが提供しているもので喜んでるんだし。
貢献はしてても悪い事はしてないよな?
悪い奴等は拉致って実験台にして遊んでるみたいですけど!!
セロフィート
「 おや?
どうしました? 」
マオ
「 …………眠たくなって来ただけだよ… 」
セロフィート
「 そうです?
未だ早いですし、もう一眠りします? 」
マオ
「 …………やだ。
寝ない!
起きたら “ 夕方でした ” なんて嫌だからな! 」
セロフィート
「 マオ…… 」
マオ
「 オレは……此のまま…セロと…イチャイチャしたい(////)」
セロフィート
「 イチャイチャ…です? 」
マオ
「 そうだよ!
身体は子供だけど、頭の中と心は大人だし!
いいだろ、別に! 」
セロフィート
「 構いませんけど……。
ワタシには幼児と戯れる様な趣味は持ち合わせてません 」
マオ
「 幼児扱いするな! 」
くぅ〜〜〜〜っ!!
セロの顔をペチペチと叩きたいのに手が届かないよっ!!
セロフィート
「 マオ…可愛いです(////)」
両手をセロに伸ばして動かしてるオレの今の姿は、セロから見たら “ 構ってほしいアピール ” をしてる様にでも見えてるんだろうか。
アピールなんてしてないんだけどな!
オレはセロの顔を叩きたいだけなんだっ!!
叩かせろぉ〜〜〜〜!!
セロフィート
「 折角ですし、マオに児童文庫なるものを読み聞かせるとしましょう 」
マオ
「 児童文庫ぉ?? 」




