✔ 8.宿屋 7 〜 食堂 1 〜
──*──*──*── 食堂
賑やかで騒がしい食堂に入ったオレは、一発でセロを見付ける事が出来た。
セロは背が高いし、長くて白い髪が特徴的で見付け易いんだ。
オレはお客と楽しそうに立ち話をしているセロに抱き付く事にした。
オレを放ったらかして、お客と楽しそうに和気藹々と話してるセロの後ろ姿にオレは妙に苛ついたんだ。
オレは助走を付けて、セロの腰に目掛けて抱き付いた。
マオ
「 セぇ〜〜ロぉ〜〜〜っ!!
もうっ、オレを放ったらかして食堂で何してるんだよっ!! 」
セロフィート
「 ──マオ?
起きましたか 」
マオ
「 起きたよ!
もうっ、何で傍に居てくれなかったんだよ〜〜〜? 」
セロフィート
「 ぐっすりでしたし 」
マオ
「 むぅ〜〜〜。
起こしてくれたら良かっただろ〜〜〜 」
セロフィート
「 疲れは取れました? 」
マオ
「 疲れぇ? 」
セロフィート
「 大丈夫そうですね。
安心しました 」
マオ
「 ……っ(////)
セロはさ、こんな朝っぱらから何で酒を飲んでるんだ? 」
セロフィート
「 はて?
朝っぱら…です? 」
マオ
「 犯人が捕まって妊婦殺害事件が解決した祝杯を上げてるんだろうけど、セロ迄一緒に酒を飲んでるとか── 」
セロフィート
「 ワタシが飲んでるのはオカシイです? 」
マオ
「 …………別に…そんな事はないけどさ… 」
セロフィート
「 マオは駄目ですよ 」
マオ
「 言われなくても飲まないよ! 」
セロフィート
「 マオも起きて来ましたし、食事にしましょう 」
マオ
「 うん!
オレ、腹がペコペコだよ!
早く朝食しよう! 」
セロフィート
「 朝食…です? 」
マオ
「 何、食べようかな〜?
デート前の腹拵えは大事だからな! 」
オレはメニューを手に取ると、メニューを開いて料理を選ぶ事にした。
朝食なのに随分とガッツリ系の肉料理が多い気がするのはオレの気の所為かな?
う〜ん、ケバムフの肉で作ったウインナーかぁ。
ヤンって言う薄い生地に野菜と一緒に巻いて食べるのか。
美味しそうだ!
似た様な料理も何度か食べた事あるし、絶対に美味しいに決まってるぅ!!
其にモモスマンブのロースト煮込みも気になるっ!!
朝から肉料理をガッツリって、正直どうかとは思うけど、オレには胃袋がないからノープロブレムなんだ!
此処はデートの験担ぎのつもりで、ガッツリ行っとこう!!
セロフィート
「 マオ、決まりました? 」
マオ
「 うん!
ケバムフの肉ウインナーとモモスマンブのロースト煮込みにするよ 」
セロフィート
「 モモスマンブのロースト煮込みは、量も多くてボリュームありますけど? 」
マオ
「 大丈夫だよ。
験担ぎなんだからさ! 」
セロフィート
「 験担ぎ…です?
ケバムフの肉ウインナーは何本にします? 」
マオ
「 4本! 」
セロフィート
「 太くて長いみたいですけど、大丈夫です? 」
マオ
「 行けるよ!
セロは心配性だな〜〜。
じゃあ、1本は輪切りにしてもらおう。
セロも食べていいよ。
輪切りだと一口サイズだし、食べ易いだろ? 」
セロフィート
「 ──では輪切りウインナーに付けるディップを何種類か頼みましょう 」
マオ
「 其のままでも美味しいのに 」
セロフィート
「 味に変化は必要です 」
マオ
「 まぁ…そうだけど… 」
セロフィート
「 ウェイターさん、注文をお願いします 」
ウェイターを呼んだセロが料理を注文してくれた。
料理が運ばれて来るのが楽しみで仕方無い。
料理が来る迄には未だ時間がある。
オレはデートの事をセロに話す事にした。
生憎の天気な訳だし、中止にされそうな気もしなくはないけど……。
マオ
「 ──セロ、あのな……今日のデートの事なんだけどさ── 」
セロフィート
「 気にしてません 」
マオ
「 へ? 」
セロフィート
「 朝から土砂降りですし。
残念ですけど… 」
マオ
「 セロ……。
其の事だけどさ、デート出来ないかな? 」
セロフィート
「 はい? 」
マオ
「 確かに生憎の土砂降りだし、デート日和じゃないけどさ、中止にしたくないんだ。
コートを着れば雨が降ってても関係無いしさ 」
セロフィート
「 マオはデートをしたいです? 」
マオ
「 したいに決まってるだろ!
セロとデートする為にオレは深夜迄デートプランを考えたんだぞ!」




