──*──*──*── セロッタ・ベーカリー
店内では、お持ち帰り用にパンを買い求めるお客が多かった。
食べて帰るお客も多いけど、待たずに席に案内してもらえて良かった。
品切れとは無縁の店だから、メニューをじっくり見てパンを選べるのが有り難い。
菓子パンも食べたくなって来た〜〜〜!
頼んじゃおうかな?
オレは未だメニューを見ながら決めてる最中だけど、セロは既に食べ始めていた。
セロは創立者だから、店員が勝手に試作品を運んで来るんだ。
創立者のセロからOKを貰えないと商品化しないらしい。
マオ
「{ ──セロ、魔法陣で出したパンだろ?
試食が必要なのか? }」
セロフィート
「 試作品は手作りです 」
マオ
「 えっ?!
そうなの?? 」
セロフィート
「 材料費はタダですし。
試作品は実際に作らせます。
魔法陣で増やすのは、ワタシが許可した完成品だけです 」
マオ
「 そうなんだ?
じゃあ…メニューに載ってるパンは、全部セロがOKを出したのばっかりなんだ? 」
セロフィート
「 そうなります 」
マオ
「 セロ、かなり試食してたんだな…。
オレ…全然知らなかったよ…。
オレもセロと一緒に試食したいな… 」
セロフィート
「 試食は創立者としての義務です。
マオが関わる必要はないです 」
マオ
「 そんな言い方ないだろ〜〜 」
セロフィート
「 マオには完成品を食べてほしいだけです 」
マオ
「 セロ…(////)」
セロフィート
「 食べたいの決まりました? 」
マオ
「 うん。
取り敢えず、惣菜パンを全品頼むよ 」
店員が来てメニューを聞いてくれた。
注文してから2 〜 3分で注文した惣菜パンがテーブルに運ばれて来た。
惣菜パンの具は野菜がメインになっていて、ヘルシーらしい。
肉は食べ易い様に小さく切られて入っている。
肉がメインの惣菜パンもあるけど、値段が少し高めに設定されている。
其でも肉メインの惣菜パンは人気があるみたいで、主に男性客に人気みたいだ。
野菜メインの惣菜パンは主に女性や野菜を子供に食べさせたい母親から人気があるみたいだ。
幼い子供にはウインナー,ハム,チーズ,玉子,ポテトサラダを使った調理パンが人気で、甘党男子や若い女性にはスイーツ感覚の菓子パンが人気みたいだ。
お年寄りはシンプルなフラワンパン,ハーブルパンを買っていくらしい。
年齢層に依って買われる種類が違うみたいだ。
広い年齢層に合わせたパンを取り揃え揃えて “ ガッポリ ” するなんてボロい商売だよな…。
出費0で、入って来るばっかだもんな。
そりゃ儲かるわ。
オレが日曜日の大食い大会でゲットした賞金がパン代に消えて行く……。
何か切ない…。
セロカにチャージされてるオレの小遣いが減ってくのって悲しいよな…。
マオ
「 ──セロ、明日はどうするんだ? 」
セロフィート
「 明あ日す木曜日エータイです? 」
マオ
「 うん。
妊にん婦ぷ殺さつ人じん事じ件けんも解かい決けつしたしさ、本ほん格かく的てきに観かん光こうを楽たのしむとかさ 」
セロフィート
「 予よ定ていより多おおく滞たい在ざいしてますし、明あ日す木曜日エータイは朝あさ食げモニングを終おえたらチェックアウトします 」
マオ
「 チェックアウト……。
明日あした木曜日エータイの内うちに≪ 街まちライナノット ≫を出でるのか? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 …………もう一寸ちょっとさ滞たい在ざいしてても良いいんじゃないか?
事じ件けんの調ちょう査さばっかりしてたしさ、観かん光こうっぽい事ことしてないし…。
せめてさ、もう1日にちぐらい滞たい在ざいしたって 」
セロフィート
「 マオ…… 」
マオ
「 ………… 」
セロフィート
「 ≪ 市し都とエメンカルダ ≫へ行きたくないです? 」
マオ
「 ≪ 市し都とエメンカルダ ≫って、≪ 街まちライナノット ≫から遠とおいんじゃなかったっけ? 」
セロフィート
「 遠とおいですね。
≪ 市し都とエメンカルダ ≫を目め指ざすには、5つの≪ 街まち ≫に立たち寄よりますし。
≪ 街まち ≫ 〜 ≪ 街まち ≫の間あいだには、6 〜 9つの≪ 村そん落らく ≫に立たち寄よる必ひつ要ようがあります 」