マオ
「 絵本??
絵本なんてあるのかよ? 」
セロフィート
「 《 セロッタ・カンパニー 》には書籍も販売してます 」
マオ
「 そうなんだ……。
星座の絵本…か……。
止めとくよ…。
当分は遠慮したい気分だし… 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 だってなぁ…。
あんまり気分の良い内容じゃなかっただろ〜〜 」
セロフィート
「 慣れる迄はそうでしょうね 」
マオ
「 慣れたくもないんだけど…… 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 そうなの!
そう言えばさ…、女神と女神の父親は登場してたけど、母親は?
名前も出て来なかったよな? 」
セロフィート
「 今日は海の主子が星座となった経緯の話ですし、登場はしません 」
マオ
「 えぇと…海の主子が主役の物語だったのか?
滅茶苦茶モブ扱いだった様な気がしたんだけど?! 」
セロフィート
「 星座の物語は大体がそうです 」
マオ
「 えぇっ?
そうなのか??
主役なのに影の薄いモブ扱いなんて悲しいっ!!
海の主子が可哀想っ!! 」
セロフィート
「 海の主子は別に可哀想でもないです 」
マオ
「 はぁ?
何でだよ?
女神と人魚達に利用されて悪さをさせられた被害者だろ!
子供を殺された海の主も可哀想だしさ… 」
セロフィート
「 海の主は被害者で可哀想でしょうけど、海の主子は加害者でした 」
マオ
「 何で 海の主子が加害者なんだよ? 」
セロフィート
「 海の主子は女神とは仲良しでしたけど、海水を汚す女神を嫌ってました。
女神には内緒で、女神に嫌がらせをしてました。
其があり、女神は海の主子を嫌ってましたし、海の主子と仲良しの妹の差し金だとも思ってました。
塵も積もれば何とやら──と言いますね。
此の様な経緯があり、女神は海の主子に妹を殺させる事を考えました 」
マオ
「 …………そう、なんだ…。
確かに…女神に嫌がらせをしてた海の主子は加害者…になるよな… 」
セロフィート
「 誰かになした悪行は、巡り巡って、何時しか自分へ戻って来る──と言う事です 」
マオ
「 別の形に変わって……だろ? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 ……海を汚す女神が嫌いで…独断で女神に嫌がらせをしていた海の主子……。
友達の海の主子が姉を嫌っていて、嫌がらせをしていた事を知らなかった女神……。
嫌がらせをしてくる海の主子が妹と仲良しなのを知っていて、妹がさせていると勘違いした女神…… 。
なぁ、セロ── 」
セロフィート
「 何です? 」
マオ
「 何で女神は、海を汚してたんだ? 」
セロフィート
「 さぁ?
ワタシも其処迄は知りません 」
マオ
「 えっ?!
セロでも知らない事があるんだな 」
セロフィート
「 当たり前です。
何故女神が海を汚していたのか──と言う事は何処にも記されてません 」
マオ
「 そうなのか? 」
セロフィート
「 不明な部分が所々あるのも星座神話,星座の物語の特徴です 」
マオ
「 星座の物語を作った人が、考えなかったって事か… 」
セロフィート
「 後回しにしたまま忘れ去られた──とか、元々考えてない──とか。
本当の事は作者にしか分かりません 」
マオ
「 そだな…。
後回しにしたまま忘れて其っきり──って事は良くあるもんな 」