✔ 7.セロッタ・ミュージアム 4 〜 プラネタリウム 4 〜
男神は最愛の娘を目の前で殺した義息子を許す事が出来ず、海の主へ生け贄として捧げた。
英雄の生まれ変わりの子供は、1人で地上へ降りると “ 始まりの吟遊詩人 ” となって、家族の悲劇を星座の語り歌として、≪ アレンカルダ大陸 ≫で弾き語り、広げました。
そして──、多くの星座の物語や星座神話を≪ アレンカルダ大陸 ≫の陸民達へ伝えたのです────。
……………………えぇと……どんな物語なのかと思って…、一寸だけ聞いたけど……、内容が重いっ!!
内容が内容だからなのか、睡魔には襲われなかった。
天井に映し出されていた星空は、感動するぐらい凄く綺麗で、デートの雰囲気としては、なかなかロマンチックだと思っていたけど、星座の物語の内容は全然ロマンチックじゃなかった。
女神メルーザから始まった妹の殺害計画は、妹と夫婦となった男神の死に依って、復讐の連鎖は断ち切られた……って話なのかな??
いや…抑の原因は、男神にあったのか??
男神が女神じゃなくて、女神に求婚していれば、此の悲劇は起きなかったんじゃないのかな?
男神の人選ミスから始まって、諸悪の根源の男神の死で幕を閉じたのかな??
1番の被害者は英雄だったのか……。
其とも女神と女神の実父だったのかな……。
ドロドロして濃過ぎる内容の所為で、眠気が一気に吹き飛んじゃったよ……。
ワクワクもしないし、胸も踊らないし、気持ちがグロッキーになった…。
子供に聞かせたら駄目な内容なんじゃないのか?
……………夢の中で魘されそうだ。
絶対にデートにチョイスしたらいけない不向きな内容だと思う!!
今は夜空に輝く星の川の映像が映し出されている。
色々な種類の星の川があって、何の星の川も綺麗なんだけど……。
何か胸の中がモヤモヤするっ!
胸を弾ませて楽しみにしていたプラネタリウムの筈なのに、さっきの星座の物語の所為で、全く心から楽しめない〜〜〜っ!!
セロはどんな気持ちで物語を聞いてたんだろう??
後で聞いてみようかな?
今夜はセロに慰めてほしい気分になっちゃった……。
オレは無意識の内にセロの手を掴んでいた。
20時になるとプラネタリウムは時間きっかりに終了した。
お客達がゾロゾロとプラネタリウムの会場から出て行く。
オレがセロの膝から降りると、静かに立ち上がったセロはオレの左手を掴むと歩き出した。
オレの歩幅に合わせて歩いてくれるセロの優しさが嬉しい。
だけど、そんな事でオレの心のモヤモヤは晴れてはくれない訳で……。
セロフィート
「 マオ…。
途中から浮かない顔してましたね 」
マオ
「 えっ…… 」
セロフィート
「 どうしました?
プラネタリウムは気に入りませんでした? 」
マオ
「 そんな事なかったよ。
プラネタリウムは凄く良かったと思うよ。
星空とか星の川とか綺麗だったし… 」
セロフィート
「 おや?
何か思う事があります? 」
マオ
「 …………星座の物語の内容だよ… 」
セロフィート
「 どうかしました? 」
マオ
「 どうもこうもないよ! 」
セロフィート
「 はい? 」
マオ
「 あんな重々しい内容はデートに向かないよ!
殺して殺されてばっかりの話だし… 」
セロフィート
「 其の事です?
星座に関係する物語も神話も大概は血生臭い内容のモノが多いです。
一々気にする事ないです 」
マオ
「 ………………血生臭い星座の話なんて嫌だよ… 」
セロフィート
「 絵本も出てますし、読んでみます? 」




