抵抗出来ない様に神力を封じる特殊な鎖でグルグル巻きにされた妹は意識を失ったまま何日間も放置される事になった。
姉は悪戯好きの人魚に目を付けると、密かに企てていた妹の殺害を決行した。
海の主子は海の主と共に妹と仲良しだったらしい。
英雄に助けられた妹は、友達だった海の主子を海の主と共に弔うと、海の主子を想って、バッサリと切った美しい髪を父親へ献上し、対価として海の主子の魂を天へ召し上げ星座にしてもらったそうだ。
嘘を吐いて自分を呼び出し、神力を封じて大岩に鎖で繋いで放置するだけなら未だしも、大事な友達である海の主子を人魚の歌声で正気を失わせ、大暴れさせて海を荒らさせた姉と姉に加担した人魚達を許せない妹は、海の主の子供を討ち殺してしまった後悔に苛まれている英雄を利用し、姉と人魚達を英雄に殺害させた。
事情を知らなかったとは言え、友達だった海の主子を殺した英雄を許す事が出来ない妹は、求婚して来た男神に妻となる為の条件を出した。
一角獸の角を欲しさに海の主の子供を殺して、角を手に入れるだけでは飽きたらず、求婚をして断られた仕返しに最愛の姉を殺害し、悪戯をされた仕返しに人魚達をも殺害した──と嘘の情報を伝え、男神に英雄を殺害させた。
男神は妹と夫婦になりたかった為に、妹の涙ながらに打ち明けに訴えを真に受け、確認する事もせずに兄弟の様に育ち親友だった英雄を殺害した。
妹の父親に事情を話し、献上されていた一角獸の角を返上してもらい、女神と共に海の主へ海の主子の角を返した。
妹は自分の嘘を疑う事なく信じて、親友である英雄を殺害し、海の主子の仇を討ってくれた男神へ出した条件を守り、男神と結婚し夫婦となった。
数年の間に、女神は夫との間に多くの子供を誕生させたが、子供の中には姉と人魚達と英雄の生まれ変わりが混ざっていた。
子供達は前世せ前ぜんの記き憶おくを思おもい出だすと、父ちち親おやアンデハイトと祖そ父ふユルンダリスの前まえで、母はは親おやターメロの嘘ウソを暴ばく露ろし、真しん実じつを語かたった。
愛いとしい妻つまターメロに騙だまされ、親しん友ゆうグルレテンを殺さつ害がいしてしまった事ことを許ゆるせなかった男お神がみアンデハイトは、義ちち父おやユルンダリスの目めの前まえで妻つまターメロと共ともにメルーザの生うまれ変かわりと人にん魚ぎょマーメード達たちの生うまれ変わわりの子こ供ども達たちを無む数すうの剣けんで串くし刺ざしにして殺ころしてしまった。