──*──*──*── 食堂
セロが余分に宿泊代を支払ってくれたお蔭で、食堂で夕食を取る事が出来る。
1人2.000Uは、高い気もするけど、沢山食べるから元は取れる。
安値かも知れないな。
どんな料理を食べれるのか楽しみでならない!
食堂は “ エレファント・ザ・リッパー事件 ” の話題で持ちきりだった。
今夜、事件が起きるのかどうか──とか。
不謹慎な話題が食堂を飛び交っている。
お食事時に聞きたい話ではない。
かくいうオレも、注文した料理を待っている間、セロと “ エレファント・ザ・リッパー事件 ” の事を話ている。
だから、あんまり人の事は言えないよな。
酒場兼任の食堂だから酒を飲んでる宿泊客も多い。
今夜、事件が起こるか、明後日の夜よるに事じ件けんが起おこるか──、賭かけをしているみたいだ。
賭かけ金きんは1.000Uユロからの様ようだ。
娼しょう婦ふが殺さつ害がいされる事ことを賭かけ事ごとのネタにするなんて、不ふ謹しん慎しん極きわまりないと思おもう!
マオ
「{ ──あんまりだよな。
娼しょう婦ふが殺ころされるかどうか賭かけ事ごとにするなんてさ!
不ふ謹きん慎しんだよ! }」
セロフィート
「{ 楽たのしそうですし、賭かけてみます? }」
マオ
「 セロ!! 」
セロフィート
「 はいはい。
冗じょう談だんにしときます 」
マオ
「 冗じょう談だんでも駄だ目めだからな!!
{ もっと他ほかの事ことを賭かければ良いいのにな! }」
セロフィート
「{ 例たとえばどんな…です? }」
マオ
「{ 変へん態たい露ろ出しゅつ狂きょうの被かぶり物ものだよ。
今こん夜やも象ぞうエレファントなのか、違ちがう被かぶり物ものなのか──、とかだよ }」
セロフィート
「{ 其それはもうエレファントマンではないですし }」
マオ
「{ じゃあ、マントの色いろとか! }」
セロフィート
「{ マントの色いろが違ちがえば誘ゆう導どうになりません }」
マオ
「{ そっか…。
そうだ!
天てん候こう関かん係けい無なく事じ件けんを起おこすならさ、変へん態たい露ろ出しゅつ狂きょうも天てん候こうは関かん係けい無なく全ぜん裸らなのかな??
雨あめが降ふろうが、雪ゆきが降ふろうが、風かぜが吹ふこうが、嵐あらしが来こようが全ぜん裸らで街まち中なかを走はしり回まわるのかな?? }」
セロフィート
「{ 流さす石がに嵐あらしの日ひは見み合あわせると思おもいますけど? }」
マオ
「{ そうかな??
やっぱさ、嵐あらしの中なかを全ぜん裸らで走ましるのって大たい変へんだもんな }」
セロフィート
「{ 所しょ詮せんは人にん間げんですし。
あまり期き待たいしては酷こくです }」
マオ
「{ 期き待たいはしてないけど…… }」
セロと小こ声ごえで話はなしていると、食しょく堂どうの従じゅうス業ぎょうタッ員いんフが料りょう理りを運はこんで来きてくれた。
従業員
「 お待またせしました〜!
此方こちらが、ホレレのアルミ蒸むし、クリーミィ・ランズゥです。
此方こちらは、ハルルバのホコロコ煮にです 」
セロフィート
「 有あり難がとう御ご座ざいます。
ホレレはマオにお願ねがいします 」
従業員
「 かしこまりました〜。
どちらも熱あついので火傷やけどに気きを付つけてお食たべください 」
マオ
「 わぁ〜!
此このアルミを開あけたら、ホレレのクリーム蒸むしなんだね? 」
従業員
「 そうですよ。
養よう殖しょくしてるホレレの身みは柔やわらかくて食たべ易やすいんです。
天てん然ねんは身みが固かたくて蒸むし料りょう理りは難むずかしいんです。
柔やわらかくならないですからね 」
マオ
「 そうなんだ?
天てん然ねんと養よう殖しょくって何なにが違ちがうの? 」
従業員
「 1番ばんはホレレの餌えさです。
チーズフォンデュは後あとで持もって来きますね 」
マオ
「 うん!
チーズフォンデュ、楽たのしみだよ!
セロの頼たのんだハルルバのホコロコ煮にも美お味いしそうだな 」
セロフィート
「 少すこし食たべてみます? 」
マオ
「 良いいの?! 」
セロフィート
「 従じゅうス業ぎょうタッ員いんフさん、小こ皿ざらをお願ねがいします 」
従業員
「 かしこまりました 」
ペコリと頭あたまを下さげた従じゅうス業ぎょうタッ員いんフは下さがって行いった。
オレは〈 大たい神しん陸りく仰こう神しん神しんアレンカルダ様さま 〉に食しょく前ぜんの感かん謝しゃの祈いのりを捧ささげた。
マオ
「 いただきま〜〜〜す!! 」
アルミを開あけるとモアッと熱あつい湯ゆ気げが上あがった。
アルミの中なかにはホレレがクリームに包つつまれていた。
見みるだけで美お味いしそうだ。
従じゅうス業ぎょうタッ員いんフが小こ皿ざらとスプーンを持もって来きてくれた。
従じゅうス業ぎょうタッ員いんフから小ご皿ざらとスプーンを受うけ取とったセロは、ハルルバのホコロコ煮にを小こ皿ざらに分わけてくれた。
セロフィート
「 どうぞ、マオ 」
マオ
「 有あり難がとな、セロ(////)」
セロフィート
「 どう致いたしまして 」
早さっ速そくセロから分わけてもらったハルルバのホコロコ煮にを食たべた。