✔ 7.セロッタ・ミュージアム 23 〜 セロッタ・ベーカリー 2 〜
セロフィート
「 妹が兄に可愛い我儘を言うのと同じです 」
マオ
「 其処の例えは、妹じゃなくて弟にしてくれよ… 」
セロフィート
「 ふふふ♪ 」
マオ
「 笑うなよ〜〜。
まさか態とか? 」
セロフィート
「 いえ…マオの口回りが……ふふふ♪ 」
マオ
「 な、何だよ?
笑うなよ! 」
セロフィート
「 だって……(////)
鏡で口回り見てみます? 」
クスクスと声を堪えて笑ってるセロは、オレに折り畳み式の鏡を差し出された。
マオ
「 有り難な… 」
セロから受け取った折り畳み式の鏡を見て、オレは思わず声を上げてしまった。
セロフィート
「 鏡がどうしました? 」
マオ
「 だって…、此の折り畳み式の鏡には……セロカ君のデザインが入ってるんだ!
セロカ君の…鏡…!!
こっ此、此の鏡はオレが貰っても良いよな? 」
セロフィート
「 欲しいです? 」
マオ
「 う、うん!
欲しいです!! 」
セロフィート
「 其です、マオ 」
マオ
「 何れ?? 」
セロフィート
「 マオは時々ワタシに敬語を使いますね 」
マオ
「 そう…だけど…… 」
セロフィート
「 其処は子供らしく『 此の鏡はオレのだから! 』と我儘を言ってください 」
マオ
「 子供言うな!
……そんな事言われても…、 “ 敬語を使うな ” ってのは無理だよ。
だってさ、セロはオレより歳上なんだし…… 」
セロフィート
「 歳上のマーフィにはタメ口でしたけど? 」
マオ
「 マーフィは家族だし!
マーフィはオレにとって兄貴みたいな…父親みたいな…もんだったし。
家族に敬語を使うのはオカシイだろ? 」
セロフィート
「 マオ…、ワタシも家族でしょう?
其ともワタシはマオの家族ではないです? 」
マオ
「 何言ってんだよ。
セロもオレの家族に決まってるだろ!
夫婦だし…(////)」
セロフィート
「 ワタシに敬語を使うの止めてくれます? 」
マオ
「 其は……。
──そ、そう言うセロはどうなんだよ 」
セロフィート
「 はて?
どう、とは? 」
マオ
「 セロは何時もオレに敬語を使ってるじゃないか!
オレに言うならセロだって、オレに敬語を使って話すの止めろよな!
──出来ないだろ!
だから、オレに言うなよ! 」
セロフィート
「 マオ… 」
マオ
「 ……壁を作ってるのは、オレじゃなくて──、セロの方だよ! 」
セロフィート
「 …………。
マオ…、君はワタシの恩人です。
君には恩義があります。
ワタシは君を尊重したい。
ワタシが君に敬語を使うのは、君に対する敬意の表れです。
マオ…、君はワタシの敬意を否定したいです? 」
マオ
「 えと……其は…(////)
恩人って言っても、もう随分と昔の事だろ?
家に泊めただけだしさ…。
恩義を感じる程の事でもないって言うか…(////)
況してや敬意だなんて…(////)」
セロフィート
「 ふむ?
其は “ 迷惑 ” と言う事です? 」
マオ
「 迷惑なんて思ってないよ!
セロがオレに対して “ 恩義 ” とか “ 敬意 ” を向けてくれてるのは──、素直に…嬉しい(////)
迷惑じゃないし、否定だってしないよ! 」
だけど、「 尊重したい 」って言うなら、もっとオレに優しくしてほしい。
特に戦闘中にっ!!
応援するフリして傍観とかしないでほしいっ!!
セロフィート
「 良かったです。
安心しました。
──ふはっ(////)」
マオ
「 ちょっ…?!
何で笑うんだよ!
其処は感動する所じゃないのかよ? 」
セロフィート
「 …………無理言わないでください(////)
…………ふはっ(////)
マオ……鏡……鏡を見て…………拭いてください……ふはっ(////)」
セロは両頬を明らめながら笑いを必死に堪えている。
何がそんなに可笑しいんだよ?
セロの笑いのツボが分からない…。
そうだった。
オレは右手にセロが渡してくれたセロカ君のデザイン入りの折り畳み式の鏡を持ったままだった。
オレは薄っぺらくて持ち運びがの出来る鏡を開いた。
鏡に映る自分の顔を見た。
何じゃこりゃぁぁぁぁああああああ〜〜〜〜!!!!
鏡には、セロが笑う理由が嘘偽りなく正確に映し出されていた。
まぁ、鏡だからな。
オレはテーブルに置かれているペーパーナフキンを取ると直ぐに口回りを拭く事にした。
◎ 前にも何処かで書いた気がしますが、セロフィートの使っている「 敬語 」は、敬語っぽいけど敬語じゃない「 なんちゃって敬語 」だったりします。
私自身が「 正しい敬語 」が分からないので、そうしています。
作中で敬語を使っているキャラの大体が「 なんちゃって敬語 」だと思ってください。