✔ 7.セロッタ・ミュージアム 19 〜 花と蝶々のマリアージュ 1 〜
──*──*──*── 散歩道
ゴンドラから降りたセロとオレは季節関係無く満開に咲いている花を見ながら散歩道を歩いていた。
花の周りには沢山の蝶々が飛んでいる。
確かにゴンドラに乗っていたら、蝶々が飛んでいるのは分からない。
マオ
「 ──セロ、花も綺麗だし、蝶々も綺麗で、まるで別世界みたいだな! 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 うん!
何種類の蝶々が飛んでるんだ? 」
セロフィート
「 さぁ?
其処迄把握してません。
≪ アレンカルダ大陸 ≫に生息している蝶が集まってます 」
マオ
「 へぇ?
じゃあ、此処《セロッタ・ミュージアム》に来たら≪ アレンカルダ大陸 ≫に生息してる蝶人形を何時も見られるって事なのか? 」
セロフィート
「 そうなります。
《 セロッタ・ミュージアム 》は国内に1つあります。
何処の国に居ても、大陸に咲いてる花と生息している蝶を一緒に愛でる事が出来ます。
花と蝶は大陸に依って異なります 」
マオ
「 へぇ〜〜。
他の大陸に行くのが楽しみになって来た!
≪ エルゼシア大陸 ≫≪ ランビュサダレ大陸 ≫にも《 セロッタ・ミュージアム 》はあるのか? 」
セロフィート
「 勿論です。
此から行く大陸でも《 セロッタ・ミュージアム 》へ行ける様にします 」
マオ
「 そうなんだ?
今から楽しみだな!
蝶々は本物なのか?
生きてるんだよな? 」
セロフィート
「 《 セロッタ・ミュージアム 》に飛んでる蝶は全て人形です 」
マオ
「 は?
人形?? 」
セロフィート
「 そうです。
言うなれば蝶人形でしょうか 」
マオ
「 蝶人形?? 」
セロフィート
「 生きてる蝶は寿命がありますし、死骸が出ます。
大陸中に生息している蝶を集め、孵化させるのは手間が掛かります。
其の点、蝶人形にすれば全種類の蝶を直ぐに用意出来ますし、原動力は〈 テフ 〉ですから永久に動きます。
餌も飼育も必要ないですし、本物よりも便利でしょう? 」
マオ
「 生き物は〈 テフ 〉で構成出来ないから蝶人形ってのを使って誤魔化してる訳だな? 」
セロフィート
「 いやですね、誤魔化してませんし。
蝶人形に似せた蝶の玩具は《 セロッタ・カンパニー 》で買う事も出来ます。
蝶だけでなく、甲虫,鍬形虫,蝉,蜻蛉,飛蝗の様に子供に人気のある昆虫は、昆虫採集標本キッドと言う物も販売してます。
昆虫の人形を集めるのが難しい人にはポスターもありますし 」
マオ
「 …………標本って……買った昆虫人形を専用の標本箱に入れて部屋に飾るんだ?
集めても楽しそうだし、見ても楽しそうなコレクター魂を擽る商売だな 」
セロフィート
「 マオも昆虫採集してみます? 」
マオ
「 まぁ…昆虫採集はしてみたいけど、標本は要らないかな… 」
セロフィート
「 《 セロッタ・ベーカリー 》で昼食を終えたら、《 セロッタ・カンパニー 》へ行きましょう。
奥に昆虫採集の疑似体験が出来る広場があります。
行ってみます? 」
セロフィート
「 デートで昆虫採集するのか?
其って有りなのか? 」
セロフィート
「 昆虫採集したくないです? 」
マオ
「 興味はあるけど…… 」
セロフィート
「 ワタシは虫取網と虫籠を持って昆虫を追い掛ける元気で無邪気なマオの勇姿を見たいです 」
マオ
「 其、勇姿って言わないだろ!!
虫取網と虫籠を持って昆虫を追い掛けるのって、子供のする事だし!
恥ずかしいだろ…(////)」
セロフィート
「 『 いいこと 』より恥ずかしい…です? 」
マオ
「 恥ずかしいよ!
オレは大人!
大人が子供に混ざって虫取りなんか出来るか!! 」