✔ 7.セロッタ・ミュージアム 8 〜 玩具売場 3 〜
オレはセロからバドミントンのラケットの持ち方から教えられる事になった。
ラケットの持ち手はグリップって言うらしい。
ラケットの編み編みはガットっ言う名前らしくて、ガットにはスイートポテト……じゃなくて、スイートポット……でもなくて、えぇと〜〜〜〜スイートポケット??
マオ
「 セロぉ〜〜、ガットの真ん中って何て言うんだっけ?
スイーツ…… 」
セロフィート
「 スイートスポットです。
シャトルを上に向かって軽く打ってみてください。
何度も繰り返し打っていると、シャトルを軽く打てる様な感覚が伝わって来ます。
感覚を忘れないでください 」
マオ
「 う、うん… 」
セロはオレの背後に立つと、シャトルの持ち方,ラケットの動かし方を教えてくれる。
セロフィート
「 ──マオ、ラケットを上下に動かしてみてください 」
マオ
「 うん 」
シャトルを持った状態でラケットを上下に動かしてみる。
セロフィート
「 ガットの中央にシャトルを当てます。
此の状態を維持してラケットを動かします 」
ラケットを上下に動かしながら、シャトルの羽根を摘まんでいた指を離した。
シャトルはラケットの中央のスイートスポットを上下に行き来している。
セロフィート
「 マオ、上手に出来てます。
其の調子です。
徐々にラケットを動かす力を強めてください。
シャトルが高く上がって行きます 」
マオ
「 おおっ〜〜!!
セロ、オレ、出来てる!
ちゃんと出来てるよな? 」
セロフィート
「 出来てます。
もう少し高く上げてみましょう 」
マオ
「 うん! 」
結構高くシャトルが上がって落下して来る。
今の所は順調に出来てるみたいだ。
セロフィート
「 マオ、其のまま打ってみましょう 」
マオ
「 う、打って?
どうやって打つんだ?? 」
セロフィート
「 シャトルが高く上がった時にラケットを上げます。
スイートスポットにシャトルを当てたらラケットを降り下ろします 」
マオ
「 出来るのかな? 」
セロフィート
「 ワタシがマオの腕を動かして教えます。
──さ、シャトルを上げます 」
セロの言う様にシャトルを高く上げた後に、セロがオレの腕を持って上げる。
ガットのスイートスポットにシャトルが当たった瞬間にラケットを降り下ろした。
ガットに当たったシャトルは見事なアーチを描きながら飛んで行った。
セロに手伝ってもらったお蔭でシャトルを打ち返せたって言うのに、シャトルの飛んで行った先には誰も居ない。
あ〜あ〜〜〜折角……。
何処からか、パシュ──と音がした。
シャトルがアーチを描きながらオレの居る方に戻って来た?!
どうなってんだ??
セロはオレの背後にピッタリとくっついてくれてるし(////)
一体誰がシャトルを打ち返したんだ??
セロフィート
「 マオ、打ち返してください 」
マオ
「 う、うん… 」
訳も分からずオレはラケットを上に上げた。
セロがタイミングを見計らってラケットをシャトルに当ててくれる。
パシュ──と良い音を出したシャトルは誰も居ない方に向かって飛んで行く。
そして又、パシュ──と音を立てて戻って来る。
此の状態のやり取りが何度か続いた後、オレは1人で打つ事になった。
セロが密着して教えてくれたお蔭で、シャトルにガットのスイートスポットを当てるコツやタイミングが分かる様になった。
セロは少し離れた場所からオレを見ている。
親切,丁寧に教えてくれたセロの為にも、此いらでオレのカッコイイ姿見せたい所だ!
飛んで来たシャトルに向かって、オレはラケットを振った。
だけど、オレの期待を裏切る様にラケットのガットにシャトルは当たらず、スカッと空振りしてしまった。
今迄続いていたラリーがオレの空振りで終わってしまったんだ。
やるせないっ!!
今のオレ、メッチャカッコ悪い!
泣きたい!!
マオ
「 セロぉ……御免…。
失敗しちゃった…… 」
セロフィート
「 あれだけ教えて此の様とは…。
流石のワタシも驚きを隠せません… 」
マオ
「 うぅ゛〜〜 」
マジで泣きたい~~~!!
セロフィート
「 バドミントンは止めましょう。
出来なくても困る事もないですし 」
マオ
「 う、うん…… 」
セロフィート
「 バドミントンセットを店員さんへ返しましょう 」
マオ
「 ……オレ、バドミントンは向いてないのかな…?
セロにカッコイイ所を見せたかったのに…… 」
セロフィート
「 マオと一緒にバドミントンが出来て、ワタシは嬉しかったです 」
マオ
「 嬉しかった? 」
セロフィート
「 はい♪
デートらしかったと思います(////)」