✔ 7.セロッタ・ミュージアム 7 〜 玩具売場 2 〜
オレは3度目の正直でサーブをした。
今度こそっ!!
ドヤ顔でセロを見たら、セロはラケットを構えたままで振っていない。
マオ
「 セロ?
何でシャトルを打たないんだ? 」
セロフィート
「 マオ……。
本気で言ってます?
来ないシャトルをどう打ち返せと? 」
マオ
「 へ??
シャトル、飛んでないの?? 」
セロフィート
「 マオの足下に落ちてるのは何です? 」
はぁあ?!
オレの足下…だと?
セロの言葉を疑いながら、オレは自分の足下を見た。
うん、バドミントンのシャトルだ。
間違いなくバドミントンのシャトルだ。
……………3度目の空振り…。
其からオレは何度もサーブを繰り返したけど、1度もシャトルはラケットに命中してくれなくて、飛んで行かない。
こ、こんな筈じゃ──。
セロフィート
「 ──マオ、下からのサーブを上からに変えてはどうです? 」
マオ
「 えっ…… 」
セロフィート
「 下からのサーブは出来なくても、上からのサーブなら出来るかも知れません 」
マオ
「 う…うん……。
そうだよな?
よし、やってみるよ! 」
オレは素直にセロからのアドバイスを聞く事にした。
下からのサーブを止めて、上からのサーブに変える事にした。
左手で持ったシャトルを上に投げたら、右手で持ってるラケットを上から下に向けて振り下ろした!!
今度こそ、何度目かのサーブを決めるんだ!
ラケットに命中したシャトルは見事なアーチを描いてセロの方へ向かって飛んで────ない?!
シャトルはオレの頭にコツンと当たると足下に落ちた。
何でだよ!!
何でシャトルがラケットに命中しないんだよ!?
シャトルを拾って、もう1度サーブをする。
シャトルを上に投げて──、ラケットで打つべしっ!!
オレのフォームは完璧の筈だ!!
コツンッ──って小さな音を立てて、シャトルはオレの頭に当たった。
だから、何でラケットじゃなくて、オレの頭に落ちるんだよっ!!
オレの何が悪いって言うんだよ??
セロフィート
「 マオ、サーブは未だです? 」
マオ
「 ──練習だから!
素振りをしただけだから!! 」
シャトルを拾って再度オレはサーブをした。
だけど、又もや失敗する訳で……。
オレは其から何度も上からのサーブを繰り返した。
だけど、1度もシャトルはラケットに当たらなくて、全然成功しないんだ。
セロフィート
「 サーブはワタシがします。
マオはシャトルを打ってください 」
マオ
「 う、うん…… 」
仕方無いよな…。
失敗ばっかりして、全然サーブが打てないんだから……。
オレが手で落ちてるシャトルを拾おうとしたら、先にセロがラケットを使って器用にシャトルを拾いやがりました。
何で手慣れてるんだよ?
経験者ですかよ、このやろめ!!
セロは甚も簡単にシャトルをラケットに命中させて打って来た。
セロが打ったシャトルに狙いを定めたオレは、ラケットを振ってシャトルを打ち返した!!
だけど、シャトルはラケットの横を通って下に落ちる。
あれれ??
飛んで来るシャトルをラケットで打つのって、意外と難しい??
マオ
「 セロ、もう1回! 」
セロフィート
「 はいはい。
──行きますよ、マオ 」
態々オレの所迄来て、落ちてるシャトルをラケットを使って簡単に拾ってくれる。
…………其、嫌がらせじゃないよな?
定位置に戻ったセロは、オレに向けてサーブを打った。
次こそはラケットに当てて打ち返すぞ!
オレは大きくラケットを振り下ろした!!
どうだっ!
今度こそ、命中っ!!
するかと思ったのにシャトルはラケットをカスリもしないで、スカッ──と下に落ちた。
………………。
マオ
「 セぇロぉ〜〜〜〜 」
失敗続きのオレは、心が折れそうだ。
思わず情けない声を出してしまった。
セロフィート
「 はいはい。
──マオにはバドミントンは難しい様ですね。
コツを教えましょう 」
マオ
「 本当か?!
コツを掴めたら打てる様になるんだよな? 」
セロフィート
「 マオ次第です。
成功の秘訣は練習と努力,継続と持続,必ず出来ると言う自己暗示と成功させた自分の姿をイメージする事です 」
練習,努力と無縁のセロに言われても感が半端ないよ……。
まぁ…でも、シャトルをラケットに当てるコツは知りたい!
マオ
「 セロ、教えてよ!
オレ、バドミントンを出来る様になりたい! 」
セロフィート
「 宜しい。
先ずはラケットの持ち方からです」
其処からですかよ?!
どうせなら始める前に指摘してほしかったんですけど!!