──*──*──*── 玩具売場
〈 器人形 〉の店員からバドミントンセットを借りたオレは、玩具売り場の入り口でセロを待つ事にした。
玩具博物館でセロを探す手もあるけど、玩具売り場で借りた玩具を博物館に持ち込むのは禁止されているらしい。
セロと入れ違いになっても困るし、此処こ売うり場ばでセロを大人おとなしく待まっていれば〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉の店てん員いんが知しらせてくれる事ことになった。
器人形:店員
「{ マオ様さま、セロフィート様さまが来こられましたよ }」
暫しばらくしてから、セロを待まっていたオレに耳みみ打うちして教おしえてくれた〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉の店てん員いんが、セロとオレを引ひき合あわせてくれた。
まるで恋こいのキューピッドだな!
〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉の店てん員いんがセロとオレをバドミントンをし易やすい場ば所しょへ案あん内ないしてくれた。
子こ供どもと一いっ緒しょに遊あそんでる大人おとなは親おやかな?
沢たく山さん居いるけど、バドミントンをするのには十じゅう分ぶんに広ひろいと思おもう。
マオ
「 ──セロ、此これ、セロのラケットな 」
セロフィート
「 本ほん当とうにします? 」
マオ
「 当あたり前まえだろ!
羽は根ね突つきの羽は子ご板いたよりも面めんが広ひろいし、此これならオレでも打うち易やすいと思おもうんだ! 」
セロフィート
「 マオがしたいなら付つき合あいましょう。
サーブはどちらがします? 」
マオ
「 勿もち論ろん、オレ!
確たしか、下したからでも上うえからでも良いいんだよな? 」
セロフィート
「 マオの打うち易やすい方ほうでサーブしてください 」
マオ
「 よ〜〜し!
じゃあ、サーブするぞ! 」
セロフィート
「 何い時つでもどうぞ 」
セロの言こと葉ばを合あい図ずにしたオレは、左ひだり手ての指ゆびで摘つまんでいるシャトルの羽は根ねを落おとす為ために指ゆびを離はなした。
右みぎ手てで持もっているラケットを絶ぜつ妙みょうなタイミングで下したから上うえへ向むかって振ふった!!
ラケットの面めんにシャトルが命めい中ちゅうして宙ちゅうを舞ま────わない?!
オレの計けい画かくではラケットに命めい中ちゅうしたシャトルが華か麗れいにアーチを描えがきながら優ゆう美びに宙ちゅうを舞まい、セロの方ほうへ飛とんで行いっている筈はずだった。
何なんだけども、現げん実じつのシャトルはオレの足あし下もとに虚むなしくも転ころがっている訳わけで……。
空から振ぶり??
オレの華か麗れいなるサーブは不ふ発はつに終おわった……のか?
セロフィート
「 マオ?
シャトルはどうしました?
飛とんで来きませんけど? 」
マオ
「 一寸ちょっと手て元もとが狂くるったんだよ! 」
オレは足あし下もとに落おちているシャトルを拾ひろうと、もう1度どサーブをする為ために構かまえた。
次つぎこそはサーブを成せい功こうさせるぞ!!
マオ
「 行いくぞ、セロ!
──どうだっ!! 」
オレはさっきと同どう様ように右みぎ手てのラケットを下したから上うえへ振ふり上あげた。
今こん度どこそラケットはシャトルに命めい中ちゅうした筈はずだ!
セロフィート
「 来きませんけど? 」
マオ
「 へ?
そんな筈はずは── 」
セロフィート
「 マオの足あし下もとに落おちてるのはシャトルではないです? 」
マオ
「 へ?? 」
セロに言いわれるままにオレは自じ分ぶんの足あし下もとを見みると、確たしかにシャトルが落おちていた。
何なんでだ?
また空から振ぶりかよ?!
マオ
「 今いま迄までのは試ためし打うちだからな!
次つぎが本ほん番ばんだから!!
ちゃんと構かまえとけよ! 」
セロフィート
「 3度ど目めの正しょう直じきに期き待たいするとしましょう 」
セロは笑え顔がおでラケットを構かまえてくれている。
次つぎこそは、サーブを決きめるんだ!!