✔ 7.セロッタ・ミュージアム 1 〜 楽しいデート 1 〜
──*──*──*── セロッタ・ミュージアム
マオ
「 ──此処が《 セロッタ・ミュージアム 》なのか?
めちゃんこ広いじゃないか!!
こんなに広いなんて予想外過ぎるよ!! 」
転移魔法陣の前に立ってるアーチには “ ようこそ、セロッタ・ミュージアムへ ” って書かれている。
そう言えば、翻訳ルーペが見当たらない。
忘れて来ちゃったみたいだ!
折角貰ったパンフレットに書かれてるアレンカルダ文字が読めな──……いや、読める?!
何でだ??
翻訳ルーペを掛けてないとアレンカルダ文字が読めなかったのに!
オレの目に何が起きたんだ??
セロフィート
「 マオ、何処に行きたいです? 」
マオ
「 セロぉ……。
オレ…翻訳ルーペを忘れて来たみたいだ… 」
セロフィート
「 おや?
マオのウッカリさん 」
マオ
「 なんだけど、アーチに書かれてる文字もパンフレットに書かれてる文字も読めるんだよ!
オレの目、どうなっちゃったんだ?! 」
セロフィート
「 ワタシが読める様にしました。
翻訳ルーペは便利ですけど、今日の様な日には不向きです。
落ちてしまうとか気になると動き難くなるでしょうし、無くす恐れもあります 」
マオ
「 今日の為に翻訳ルーペを使わなくても良い様にしてくれたんだ?
だったらもっと早くしてくれよ〜〜 」
セロフィート
「 未だ試作段階の魔法です。
何時迄続くか分かりません。
アレンカルダ文字が読めなくなったら教えてください 」
マオ
「 其って…オレで “ テストしてる ” って事か?
オレは実験台かよ! 」
セロフィート
「 そうです。
マオなら副作用があっても大丈夫でしょう?
マオで成功したらトイチに使おうかと思ってます 」
マオ
「 酷いっ!!
オレの扱い、酷い〜〜〜 」
セロフィート
「 マオ、悲観的にならないでください 」
マオ
「 なるわっ!!
ならない方がオカシイだろが! 」
セロフィート
「 アレンカルダ文字が読めるのは便利でしょう 」
マオ
「 そりゃ便利だけど…… 」
セロフィート
「 ワタシに免じて大目に見てください 」
マオ
「 セロに免じて──って……。
大目に見るも何も…セロが原因だろ! 」
セロフィート
「 駄目…です? 」
マオ
「 …………良いよ…。
トイチの役に立てるんだろ? 」
セロフィート
「 有り難う、マオ♪ 」
嬉しそうに言ったセロは、オレの左頬に唇を軽く付けて来た。
どうせなら口にしてほしい!
オレは此処で我儘を言って良い筈だ!
マオ
「 頬っぺじゃなくて、口に── 」
セロフィート
「 マオとワタシは今、此処に居ます。
入り口の魔法陣です。
左へ行くと《 セロッタ・カンパニー 》《 セロッタ・ベーカリー 》《 画廊店セロッタ 》があります。
右へ行くと散歩コースへ出ます。
真っ直ぐ行くとピクニック広場に出ます。
ピクニック広場の中心には、幼児も安心して遊べる公園があります。
──はて?
何か言いました? 」
マオ
「 …………言ってません…。
じゃあ、先ずは……《 セロッタ・カンパニー 》に行きたい! 」
セロフィート
「 分かりました。
左へ行きましょう 」
広げていたパンフレットを折り畳んだセロは、オレの左手を握って歩き出した。
さっきの会話で楽しいデート気分が台無しになった気がする。
セロはオレが不老不死なのを良い事に偶に実験台に使う事がある。
全く悪びれもなく!!
オレが気付いてないだけで、もっとあるかも知れない。
セロだし、有り得るよな。
腹は立つ。
だけど…其でも……オレはセロが好きだし、離れる気も無いんだ。
うん!
気持ちを切り替えて、セロとのデートを目一杯楽しもう!!
だって、折角の2人きりのデートなんだから、楽しまないと損だ!
マオ
「 セロ、1番に玩具売り場に行きたい! 」
セロフィート
「 1番に入るのは玩具博物館になります。
トイチの祖国にある玩具も沢山展示されてます。
玩具博物館の奥くに玩具売り場があります 」
マオ
「 そうなんだ?
博物館の奥に……。
マジかぁ〜〜 」
セロフィート
「 マオは玩具の展示に興味ないです? 」
マオ
「 いや…無い訳じゃないけど…… 」