✔ 7.宿泊室 2 〜 パトラッシュを残して生き返れないよっ!! 1 〜
「 七日目 」の始まりです。
マオはベッドの上で熟睡していた。
両頬を濡らしていた涙はとっくに乾いており、涎を垂れ流しながら、豪快な寝相で熟睡している。
ベッドのシーツはマオの涎でベチョベチョだ。
マオ
「 うぅぅぅん…………セぇロぉ………… 」
ベッドの上で幸せそうに寝こけているマオを眺めている者が居た。
全身真っ白ずくめのセロフィートだ。
セロフィート
「 ──ふはっ(////)
……全く…君は……。
見ていて飽きないね(////)
ワタシの……ボクの…愛しいマオ── 」
セロフィートは眠っているマオの黒髪を優しく撫でる。
愛しそうにマオの寝顔を見詰めながら微笑む。
セロフィート
「 君はボクを…見てくれないね。
君は何時も “ セロ ” を見ている…。
君の大好きな “ セロ ” に戻ってあげたいけれど…、君が〈 皇 〉にならないと、ボクは “ セロ ” と入れ替われないんだ…。
君が〈 皇 〉になる事を拒んでいる限りは、ね。
君が〈 皇 〉を拒み続けてくれる間、ボクは君と居られる。
君と遊んでいられるんだよ、マオ。
君を好きに出来るのは、 “ セロ ” じゃない。
此処に居るボクだ──。
君の好きな “ セロ ” を演じてあげるよ。
此は遊びだ。
ボクと “ セロ ” の玩具の君との “ ごっこ遊び ” だよ。
期限が来る迄、ボクを存分に楽しませてくれよ。
今だけは、ボクだけのマオ── 」
セロフィートは熟睡中のマオの身体を古代魔法でを使い浮かせると、マオの涎でベチョベチョに汚れたベッドのマットとシーツを綺麗にした。
セロフィート
「 マオ……君はガッカリするかな?
君が好いて接っしている “ セロ ” がボクの演技だって知ったら──。
其ともボクを受け入れてくれる?
知りたいけど、一寸だけ怖いかな…。
君がボクから離れて… “ セロ ” と再会する為に〈 皇 〉になる事を選んでしまったら……嫌だからね。
君との旅は楽しい。
旅を楽しんでるのは、君だけじゃないんだからね。
ボクは君との旅を続けたいんだよ、マオ──。
“ セロ ” の器が期限を迎える其の瞬間迄、ボクは君と居たい。
君を独り占めしていたいんだ… 」
セロフィートはマオの額に軽く唇を付ける。
セロフィート
「 ふふふ…(////)
君は本当に面白い…(////)
楽しませてもらいましたし、今日は『 いいこと 』しないでおきましょう。
明日は《 セロッタ・ミュージアム 》でデートしますし。
今日以上に楽しませてください、マオ♪ 」
セロフィートはマオの頬を優しく撫でた。
古代魔法でマオに掛けていた熟睡魔法を解いた。
セロフィートが静かに暫く待っていると眠っていたマオが目を覚ました。
マオ
「 …………あれ…??
………………もう…朝??
…………セロ…………帰って来たのかな?? 」
セロフィート
「 御早う、ワタシのマオ。
ぐっすりでしたね 」
マオ
「 ……っ!?
セロっ?!
帰って来てくれたのか?! 」
セロフィート
「 はい♪
マオだけのセロフィートです。
マオを残して≪ 街 ≫を出たりしません。
今日は1日、デートでしょう? 」
マオ
「 デート……? 」
セロフィート
「 おや?
ぐっすりし過ぎて忘れました?
今日は水曜日ですよ 」
マオ
「 ………………セロ…、『 妊婦殺害事件 』は? 」
セロフィート
「 昨日無
5名
マオ
「 …………ははは…熱
……セロは何
セロフィート
「 はて?
マオは何
マオ
「 もうっ……オレが聞
セロフィート
「 朝
マオ
「 ん〜〜…今
セロフィート
「 未
マオ
「 マジかよ……。
オレ…何
セロが帰
セロフィート
「 10時
月曜日
マオ
「 10時
オレ、そんなに寝
マジか〜〜〜 」
セロフィート
「 昨
マオ
「 へ?
セロは食
◎ ≪ レドアンカの都 ≫にある宿屋( 豚常呂亭 )の中でマオが出会ったセロフィートと入れ替わりをしていたセロフィートには、ちゃんと人格がありました──という回にしたかったです。
自称を「 ボク 」にしたのは何となくです。
マオが「 ボク 」の演技に気付く時は来るのでしょうか??
◎ 当初は「 ボク 」を登場させる予定はなかったんですけどね……。
“ 魔が差す ” って怖いです。