✔ 6.セロッタ探偵事務所 〜 後悔・後悔・後悔 〜
──*──*──*── セロッタ探偵事務所
急いで戻るつもりだったのに、途中でイレギュラーな事が次々に起きて、《 セロッタ探偵事務所 》に着いたのは夕方だった。
当然の事だけど、ケレディさんが乗る為に用意されていた竜車は無かった。
ちゃんと顔を見て、お別れを言いたかったな……。
イレギュラーな事を全部無視していれば、ケレディさんの見送りには間に合っただろうけど、視界に入って来た困っている人達を見て見ぬ振りなんて出来なかった。
セロに『 人助けしよう 』って言ってるオレが、困ってる人を自分の都合を優先して知らん顔なんて……出来ないんだ。
セロはオレを責めたり、幻滅したりはしないだろうけど、オレがオレ自身を許せないと思うんだ…。
良い子ちゃんかよ、オレは!
だけど……、困ってる人達全員に手を差し伸べて助ける事は出来ないんだよなぁ…。
オレの我儘の所為で不幸な目に遭ってる人達が大勢居る訳だし…。
本当に心底困ってる人も助けられないし……。
偽善者呼ばわりされても文句は言えないよな…。
罪滅ぼしなんて、体の良い言い訳に過ぎない。
『 何の面下げて言ってるんだ 』って責められても仕方無い……。
だからって訳じゃないけど、ケレディさんの見送りに間に合えなかったのは残念だけど……仕方無いんだ。
此はオレの意思で選んだ結果なんだから……。
良いんだ、別に……。
セロに慰めてもらうからーーーーーー!!!!
オレはゴミ袋を持ち直して《 セロッタ探偵事務所 》の中へ入った。