ワトスン:マオ
「 そうなんだ…。
…………そう、だよな…。
王様って、なれたら終わりじゃないんだよな…。
国を他国から守らないといけないし、国民の暮らしにも目を向けないといけないし、大変なんだよな…。
休日なんてない訳だし… 」
ケレディ
「 まさに其!
僕はね、国王は人柱みたいなものだと思ってるんだ。
人身御供って言うのかな 」
ワトスン:マオ
「 生け贄……。
だけど、其は言い過ぎなんじゃ…… 」
ホームス:セロフィート
「 本人の受け取り方と周囲の見方次第で変わるものです。
ケレディさんの見方も感じ方も否定は出来ません。
実際に其の様な考え方で国王に即位させ、政をさせる国も実在します 」
ワトスン:マオ
「 えっ?!
あるの??
マジで? 」
ホームス:セロフィート
「 様々な国がありますし。
似た様な考えを持つ国は割りとあります。
国王でなくても、其の様な理由で役目を与えられる者は居ますし、与えられた役目からは一生涯逃れられないものです 」
ワトスン:マオ
「 …………だけど…、ヴドゥフ王国は違うんだろ? 」
ホームス:セロフィート
「 そうですね。
ヴドゥフ王は国王と言う自分に与えられた役目に誇りを持ってますし、国事にも確固たる信念を持って取り組んでます。
自分を人柱,生け贄,人身御供とは微塵も思ってないと思います。
今は── 」
ケレディ
「 今は?
昔は違ってたんですか? 」
ホームス:セロフィート
「 ケレディさん、国王も人の子です。
国王にもケレディさんの様に若かりし頃がありました。
青春を謳歌したい気持ちが全く無かった訳ではないと思います。
ワタシは旅人ですし、ヴドゥフ王が何の様な人物なのか知りませんから単なる推測になりますけど 」
ケレディ
「 …………そうでした。
父上にも僕達みたいに若者だった時代があったんですよね。
兄さんみたいに王位を継ぐ事に対して葛藤していた時期もあったのかも知れないですよね?
若ければ尚更…… 」
ホームス:セロフィート
「 実家へ帰かえられるなら、国こく王おうの手て伝つだいをしながら話はなしをしてみてはどうです?
父ふ子しの会かい話わは父ちち親おやが健けん在ざいでなければ出で来きません。
人じん生せいの先せん輩ぱいから今こん後ごの人じん生せいに役やく立だつ事ことも幾いくつか聞きけると思おもいます 」
ケレディ
「 …………そうしてみます。
兄にいさんが王おう位いを継ついだ後あと、どうサポートしたら兄にいさんの助たすけになるのか分わかるかも知しれませんよね。
父ちち上うえと話はなすのは7年ねん振ぶりになるから緊きん張ちょうしますけど(////)」
ホームス:セロフィート
「 息むす子こと話はなせるのは照てれ臭くさいでしょうけど、嬉うれしいものです。
きっと喜よろこばれますよ 」
ケレディ
「 はい(////) 」
ワトスン:マオ
「 ケレディさん、頑がん張ばってね。
親おや子こ仲なかが悪わるくなければ大だい丈じょう夫ぶだよ! 」
ケレディ
「 有あり難がとう、ワトスン君くん 」
ホームス:セロフィート
「 ≪ 街まちライナノット ≫から≪ 王おう都とダンタンディレル ≫にある実じっヴドゥ家かフ城じょう迄まで、ワタシの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉が責せき任にんを持もって送おくります。
安あん心しんして里さと帰がえりの旅たびを楽たのしんでください 」
ケレディ
「 何なにから何なに迄まで有あり難がとう御ご座ざいます 」
ホームス:セロフィート
「 気きにしなくて良よいです。
危き険けんを承しょう知ちで証しょう言げんしてくれたのはケレディさんです。
ケレディさんの勇ゆう気きに対たいする感かん謝しゃの気き持もちちです 」
ワトスン:マオ
「 ケレディさんは何い時つ頃ごろ≪ 街まちライナノット ≫を出でる予よ定ていなの? 」
ケレディ
「 此このままだよ。
少すこしでも早はやく≪ 王おう都とダンタンディレル ≫に着つきたいからね。
だけど、道どう中ちゅうは大だい丈じょう夫ぶなんですか?
外そとは魔ま獣じゅうだけじゃなくて、奇き妙みょうで不ぶ気き味みな姿すがたをした怪かい物ぶつモンスターも沢たく山さん出でるって聞ききますけど…。
中ちゅう間かん地ち点てんの《 神しん殿でん 》に到とう着ちゃくするだけでも大たい変へんだとか 」
ワトスン:マオ
「 そうなんだよな〜〜。
≪ 街まちライナノット ≫に着つく迄までの道どう中ちゅうは本ほんっ当とうに苦く労ろうしたもんな!
誰だれかさんの所せ為いで!! 」