✔ 6.殺害現場 1 〜 迷探偵の迷推理ショー 1 〜
──*──*──*── 殺害現場
“ 名探偵セロッタ・ホームス・シンミン ” ことセロフィート・シンミンのセロと “ 養子で助手のマオ・ワトスン・シンミン ” ことマオ・ユーグナルのオレは、『 妊婦殺害事件 』の殺害現場に来ている。
殺害現場にはタンダレル警部と同僚のアプリシブ警部,インエンジニ警部,モンデグリ警部,ホッガレミ警部だけじゃなくて、捜査に参加した警察官,捜査官も来ている。
其と何故だか、お巡りさんのウィズパーさんと同僚のジェシェバさん,モスリートさん,アルドッタさん,モルタナさん,ドイルドさんも来ていた。
因みにセロとオレは、ジェシェバさん,モスリートさん,アルドッタさん,モルタナさん,ドイルドさん達とは今回が初対面で、ウィズパーさんが丁寧に紹介してくれた。
タンダレル警部と同様に同僚のアプリシブ警部,インエンジニ警部,モンデグリ警部,ホッガレミ警部にも後輩が居て、新人刑事も来ている。
8名居るんだけど、其の中に新人刑事のケレディさんの姿はない。
未だに行方知れずとなっている様だ。
セロは〈 器人形 〉にケレディさんを捜させてるみたいだけど、中々見付からないみたいで……。
ケレディさんは一体何処に居るんだろう……。
心配だよ…。
此の『 妊婦殺害事件 』の殺害現場で、名探偵ホームスが『 妊婦殺害事件 』の黒幕の正体を暴く為に推理ショーを始める。
どんな名推理を披露してくれるんだろう。
暫くすると知らない刑事さん達が、頭からスッポリと布袋を被せられている5名を連れて来た。
良く見ると、手錠で両手を固定されているし、更には逃げられない様に……なのかなぁ?
両足にも手錠が付けられている。
あれじゃあ、走れないし、走ろうとしたら速攻で転んじゃうだろうなぁ。
布袋を取られた5名は目隠しもされていた。
刑事さん達に目隠しを外された5名の顔が露になった。
ハリーさんとビローさんだ!
其じゃあ、残りの3名はハリーさんとビローさんの仲間……。
『 妊婦殺害事件 』の実行犯達だ!
妊婦に怨恨があった5名は、怨みを晴らす為に妊婦を集団リンチして殺害した。
妊婦を集団リンチするなんて、人としても男としても許せない行為ではあるけれど、殺される程の怨みを植え付ける様な事をした妊婦にも非はあるし、因果応報の結果なんだろう……。
どちらかと言えば、最初の加害者は妊婦な訳で、彼の5名は妊婦の被害者なんだ。
どんな経緯があって、彼の5名が黒幕と知り合ったのかは知らないけれど、不運にも黒幕と出会ってしまった事で、言葉巧みに拐かされ、唆されて……殺害と言う許されない方法で復讐を果たしてしまったんだ。
被害者から加害者になってしまった不運な5名……。
あれ、此って拙くないかな?
オレはハリーさんとビローさんに顔が知られてしまっている。
此処で対面しちゃうと、オレの正体がバレちゃうんじゃないのか??
オレは無意識にセロの後ろに隠れていた。
オレが名探偵の助手だって事を知られたら──…………んんん??
別に構わないんじゃないのか??
驚かれはするだろうけど、あっちは殺人犯な訳だし……。
ホームス:セロフィート
「 ワトスン、どうしました? 」
ワトスン:マオ
「 う、うん……。
何でもない……。
なぁ…ホームス、ハリーさんとビローさんはオレを見たら驚くかな? 」
ホームス:セロフィート
「 驚きません。
ワトスンと話した事は覚えてません 」
ワトスン:マオ
「 えっ?!
そうなのか?
何で?? 」
ホームス:セロフィート
「 煙りを吸い込んだら忘れる様にしてました 」
ワトスン:マオ
「 何だよ〜〜〜!
そう言う事はちゃんと教えてくれよ〜〜! 」
ホームス:セロフィート
「 はいはい。
──役者が揃った様です。
推理ショーを始めましょう 」