✔ 6.目的地 12 〜 確保 4 〜
ホームス:セロフィート
「 手伝ってますけど? 」
ワトスン:マオ
「 そだよな… 」
此処で、ごちゃごちゃ言わない方が良いよな…。
何だ彼んだで手伝ってくれてるのは確かな訳だし。
ワトスン:マオ
「 ホームス、此の後はどうするんだ?
何か考えてたりするのか? 」
ホームス:セロフィート
「 ワトスンはどうしたいです? 」
ワトスン:マオ
「 オレ?
いや、オレが聞いてるんだけど…… 」
ホームス:セロフィート
「 ワトスンの希望を聞こうと思って。
無いなら、良いです。
後は〈 器人形 〉に任せましょう 」
ワトスン:マオ
「 任せるって? 」
ホームス:セロフィート
「 諸々の後始末です 」
ワトスン:マオ
「 後始末?? 」
…………何て物騒で極まりない言葉だろう。
セロは一体どういう形で “ 後始末 ” を〈 器人形 〉にさせる気なんだろう?
怖いんですけど……っ!!
ワトスン:マオ
「 随分と物騒な言い方するんだな?
“ 後片付け ” の間違いなんじゃないのか? 」
ホームス:セロフィート
「 はい?
間違ってませんけど? 」
ワトスン:マオ
「 ……………そ、そうなんだ…。
──オレは、セロの名推理を聞きたいな!
卑劣で残虐な犯人達を前にしてさ、強気に素敵に華麗に名推理をして、犯人達をジワジワと追い詰めて、警察官,捜査官にも『 あっ! 』と言わせるカッコイイ名探偵ホースムの姿を見たいよ!! 」
ホームス:セロフィート
「 そうです? 」
ワトスン:マオ
「 うん!
駄目かな? 」
ホームス:セロフィート
「 良いでしょう。
『 妊婦殺害事件 』の実行犯達を捕まえる事は出来ましたけど、計画を立てて指示をした黒幕は未だですし 」
ワトスン:マオ
「 はぁ?
黒幕ぅ??
『 妊婦殺害事件 』には黒幕が居るのか? 」
ホームス:セロフィート
「 居ますよ。
“ 彼の ” 5名だけで犯行を実現させるのは無理があります。
『 妊婦殺害事件 』は『 エレファント・ザ・リッパー事件 』の殺害方法と類似してます。
一般の街民は死体を見慣れてません。
悲鳴を上げて腰を抜かしながらも其の場から何とかして去ろうとするものです。
じっくりと死体を観察する様な余裕はないでしょう。
“ 類似している ” と言う事は、死体を見慣れており、死体に近付ける人物です。
尚且つ、殺害方法の観察をじっくりとしても誰からも怪しまれない人物です。
此処迄ヒントを出せば、誰が当てはまる人物かワトスンにも判るでしょう? 」
ワトスン:マオ
「 ………………容易に殺害現場に入れて、捜査にも自然に携われる人物……。
──っ、其って!?
{ まさか……、警察官や捜査官??
警察官,捜査官の中に『 妊婦殺害事件 』を計画してハリーさん,ビローさん達に妊婦を集団リンチして殺害させた黒幕が紛れ込んでる──って言うのか?!
そんな事って……。
だって、警察官,捜査官は事件を解決させる為に、犯人達を捕まえる為に日夜頑張ってるんだろ?
なのに何で…… 」
ホームス:セロフィート
「 現実とはそう言うものです。
実際に警察関係者が引き起こした事件は以外と多いです。
警察関係者も人間ですし、正義と犯罪も表裏一体。
“ 正義 ” と言う心地好く実に便利な口実を大義名分として建前に使えば、 “ 正義の名の元に ” 大抵の悪事は目を瞑られ、都合良く隠蔽されます。
其の為、有益に繋がる悪事に手を染める警察関係者は絶えません。
其が大人の作った世界です 」
ワトスン:マオ
「 ………………大人って怖い… 」
ホームス:セロフィート
「 いやですね。
君も立派な大人でしょうに。
ふふふ… 」