セロフィート
「 そうでしたね 」
ありゃりゃ??
認めちゃうんだ?
ちゃんと自覚はしてたんだ?
マオ
「 興味はあるけど、面白くない──ってのは、どゆこと?? 」
セロフィート
「 さぁ?
面白くないから面白くないだけです。
興味はありますし、此のまま無関係で終わる気はないです 」
マオ
「 …………事件に関わるつもりなんだ… 」
セロフィート
「 どんな謎でも解き明かしたくなるものです。
有能で優秀な警察官,捜査官だけでなく、巷でも噂になる程に有名な名探偵も事件解決に奮闘しているにも関わらず、未だに殺人鬼は野放し状態です。
手掛かりも、目撃者も多く居るにも関わらず、殺人鬼を追い詰める事すら出来てません。
必ず週1、奇数日には何処かで娼婦が惨殺されてます。
阻止どころか防止すらも1度足りとも出来ぬまま半年が過ぎてます。
まるで決められているかの様に毎回同じ手口と死体の状態の様ですし、殺人鬼は丁寧にメッセージカードなるもの迄も殺害現場に残してます。
顔を隠す為なのか──、血を浴びない為なのか──、ふざけているだけなのか──、理由は不明ですけど、像の被り物を深々と被り、派手に笑いながら街中を走りながら逃走してます。
然も、何故か全裸です。
マントで隠すどころか風に靡かせながら、見せる気満々に堂々とです。
まぁ…確かに、マオの言う通り『 面白い要素 』は幾つかあるかも知れません 」
マオ
「 おいっ!!
オレは『 面白い 』なんてミジンコ程も思ってないんだからな!
其処は勘違いするなよ!! 」
セロフィート
「 おや?
そうでした? 」
マオ
「 そうだよ!!
オレは此の事件に対して心を痛めてるよ!!
警察官,捜査官,名探偵は無能な人達じゃないし!
事件を解決させる為に全力を注いで真剣に取り組んでる人達を無能呼ばわりなんて誰もしないだろうし。
警察官,捜査官,名探偵も何の結果も出せなくて、辛い思いも悔しい思いもしてると思う。
やるせないんじゃないのかな?
娼婦だって、立派な街民だろ。
守るべき街民じゃないか!
娼婦だからって理由で差別したり、殺されても仕方無い──なんて考えはおかしいと思うし、間違ってるだろ!!
娼婦にだって、大切で守るべき家族や親しい友人が居るんだ。
殺人鬼の被害者を悪戯に増やすのは良くない!!
早く殺人鬼を見付けて捕まえないと!
──だろ、セロ! 」
セロフィート
「 マオは捕まえたいです? 」
マオ
「 えぇっ?!
オレの話、聞いてた?!
セロは殺人鬼が街中を我が物顔で、のうのうと生活してても何とも思わないのか? 」
セロフィート
「 〈 四知の法 〉がありますし。
何時かは〈 天知る 〉で露顕されます。
放っといても問題ないです」
マオ
「 何時かは??
何時来るんだよっ!!
時機が来る迄、露顕される迄、大人しく待ってられないだろ!
人が──、か弱くて非力な女の人が、毎週何処かで酷い殺され方されるんだぞ!!
のんびり待ってなんていられないだろ!! 」
セロフィート
「 ──マオ、殺される側にも理由はあります。
人間には理解は出来ない事ですし、納得する事も難しいでしょう。
其が身内や親しい者ならば尚更です 」
マオ
「 じゃあ、娼婦達は殺されても仕方無いって言うのかよ?!
今迄、殺された娼婦達は殺されて当然だった──とでも言うのか?? 」
セロフィート
「 過去世せ世せから悪あく因いん縁ねんが関かかわってますし。
過か去こ前ぜん世せ世せの自じ分ぶんが積つんだ善ぜん根こんを今こん現げん世せ世せで減へらしてしまえば、来らい未み来らい世せ世せは苦く境きょうに落おち、苦く界かいで苦くるしみ、生いきる事ことになります 」