✔ 6.目的地 8 〜 訪問者 4 〜
オレはポケットに入れてあるメモ用紙を出すと、目の前に居る2人に見せた。
ワトスン:マオ
「 ボクも持ってるよ。
あっちのお兄ちゃんがくれたんだ(////)」
男:B
「 ふぅん?
見せてもらっても良いかな? 」
ワトスン:マオ
「 うん!
良いよ。
でも、あげないからね。
見せるだけだよ。
ボクのだからね! 」
男:A
「 分かった、分かった。
取らないよ。
ちゃんと返すから見せてくれな? 」
ワトスン:マオ
「 うん… 」
オレはメモ用紙を男に渡した。
オレの演技は態とらしくないかな?
怪しまれてないかな?
一寸だけ不安だ。
メモ用紙に書かれている暗号文を解読してるのか、2人の男は静かだ。
此処で少しグズって催促してみようかな?
ワトスン:マオ
「 ねぇ〜〜〜、まぁ〜だぁ〜〜〜??
もう、返してぇ〜〜 」
男:A
「 今、暗号を解読してる最中だから、もう少しだけ待っててな 」
男は急かすオレの頭をポンポンと軽く叩く。
どうやらオレは完全に子供扱いされてるみたいだ。
不安は杞憂だったみたいで安心した。
ワトスン:マオ
「 ねぇ〜〜〜、何て書いてあるの〜〜?? 」
男:B
「 もう一寸だけ待っててな。
──なぁ、此って…… 」
男:A
「 あぁ……。
だよな? 」
男:B
「 マジ……なのかな? 」
男:A
「 マジなんだろ。
{ 可哀想だけどな… }」
男:B
「{ …………だけどさ、貴族令嬢が殺害された事件の後だぞ?
本気かよ }」
男:A
「 { 本気なんだろ }」
どうしたんだろう?
何でか急に2人で声を潜めて話始め出したんだけど?
偶にチラチラとオレに視線を向けてながらコソコソ話をしてるのが妙に気になる。
何でオレを見るんだよ?
嫌な感じぃ〜〜〜だな。
メモ用紙には暗号で何が書かれてるんだろう??
ワトスン:マオ
「 ねぇ?
未だなの??
ボクが貰った紙だよ 」
男:B
「 そうだったね。
返すよ。
見せてくれて有り難う 」
ワトスン:マオ
「 うん!
ねぇねぇ、何て書いてあったの?
お兄ちゃん達、読めたんだよね? 」
男:B
「 うん。
読めたよ。
だけど、御免ね。
秘密の暗号だから教えてあげられないんだ 」
ワトスン:マオ
「 えぇ〜〜〜……。
ボクも知りたいよぉ〜〜 」
男:A
「 なぁ、坊や。
坊やの名前を教えてくれないかな? 」
ワトスン:マオ
「 ボクの名前??
…………ワトスンだよ 」
男:A
「 ワトスン君か。
僕はハリフォンドだよ。
ハリーで良いからね。
コイツはエィリビロ。
ビローで良いからな 」
男B:エィリビロ
「 ちょっ…?!
{ 何勝手に本名教えるんだよ!
駄目だろ〜〜〜! }」
男A:ハリフォンド
「{ 相手は子供じゃないか。
どうせ此処で殺すんだ。
死人に口無しだろ。
ビビるなよ }」
男B:エィリビロ
「{ そうかも知れないけど!
本名を教えるとかどうかしてる!
普通は偽名だろ! }」
男A:ハリフォンド
「{ ごちゃごちゃ煩いな。
警戒されたら困るだろ。
騒がれても困るしな。
まぁ…良いから、オレに任せろよ }」
男B:エィリビロ
「{ 任せろって…… }」
男A:ハリフォンド
「 なぁ、ワトスン君。
ワトスン君と遊んだお兄ちゃん達の所に僕達を案内してくれないかな? 」
ワトスン:マオ
「 どうして? 」
男A:ハリフォンド
「 うん。
僕とビローの友達なんだよ。
向こうも僕とビローを待ってると思うんだ。
どうかな?
嫌…かな? 」
ワトスン:マオ
「 嫌じゃないよ。
良いよ。
案内するよ 」
あれ、此って此方の都合の良い展開になってないか?
犯人達の方から『 案内してくれ 』だってさ。
此のチャンスを逃したら駄目だ!
よしっ!
2人に怪しまれない様に、セロから教えてもらった場所に上手く誘導しないと!
ワトスン:マオ
「 ハリー兄ちゃん,ビロー兄ちゃん、ボクに付いて来てね 」
オレは犯人達に笑顔を向けた。
オレは2人に背中を向けると、セロが教えてくれた場所へ向かって走り出した。
勿論、走り方は子供らしさを心掛けた。
時々後ろを振り替えって、犯人達に手を振る。
ちゃんと付いて来てくれてるみたいで安心した。
もう少しでセロが教えてくれた場所に着く。
若しかして……、セロは初めから犯人達を誘導するのをオレにさせる気でいたのかな?