✔ 6.目的地 1 〜 迷探偵がやって来た 1 〜
──*──*──*── 目的地
セロとオレは『 妊婦殺害事件 』の犯人達が殺害を終えて向かった建物の前に着いた。
建物の周りには警察官,捜査官が大勢居た。
ワトスン:マオ
「 沢山居るなぁ…。
ホームス、彼の人達は誰なの? 」
ホームス:セロフィート
「 彼等は無能警部の同僚です 」
ワトスン:マオ
「 タンダレル警部の同僚?? 」
ホームス:セロフィート
「 モンデグリ警部,アプリシブ警部,インエンジニ警部,ホッガレミ警部と其の部下達です」
ワトスン:マオ
「 警部が集まって何してるんだ?
犯人達を捕まえれたのかな? 」
ホームス:セロフィート
「 どうでしょう?
聞いてみましょう 」
セロはオレの手を引っ張ると警部達の場所へ向かった。
モンデグリ警部,アプリシブ警部,インエンジニ警部,ホッガレミ警部らしき人達が、セロと話を始めた。
専門用語が飛び交っている所為で話の内容が分からない。
頼むからオレにも分かる言葉で会話をしてほしい。
此の人達にお菓子を貢がれてるんだよな……。
貢がれる理由が一切分から一寸だけ怖さと不安を感じる。
だって、皆、男前なんだもん。
タンダレル警部の同期の警察官,捜査官って男前なのが多くないかな?
オレはセロを毎日見てるから、割りと平常心で居られるんだけど、セロと並んで立ってると絵になるし、お似合いに見えて来るから複雑な気持ちになって、心がざわついて仕方無い。
だけど、此の人達が変態露出狂達の真似をして、笑いながら道を走る姿は見てみたかったな。
“ 警部 ” と言う立場だから、どうせ走らなかったんだろうけど、興味はある。
さっきから何でか妙に熱っぽい視線を感じる気がするんだけど、オレの気の所為だよな??
どうやら話は終わったみたいだ。
警部達は各々の持ち場へ戻って行った様だ。
ワトスン:マオ
「 ホームス、警部達は何て言ってたんだ? 」
ホームス:セロフィート
「 犯人の内、3名を重要参考人として確保は出来たそうです 」
ワトスン:マオ
「 そうなの?
凄いじゃんか!
だけど…、重要参考人って?
逮捕は出来なかったのか? 」
ホームス:セロフィート
「 証拠不十分で逮捕迄は至らなかった様です。
彼等のアリバイも崩さなければならないそうですよ 」
ワトスン:マオ
「 アリバイ?
殺害中に別の場所に居たアリバイでもあるのか? 」
ホームス:セロフィート
「 さぁ?
其処迄は何とも。
3名は完全黙秘を続けている様で、残り2名の事を聞き出せないそうです 」
ワトスン:マオ
「 手こずってる訳だな。
何とかして重要参考人のアリバイを崩して、妊婦を殺害した犯人だって事を証明する証拠を見付けないといけないんだな。
其と残りの2名も── 」
ホームス:セロフィート
「 本底がありますし、見付かるのも時間の問題です。
≪ 街 ≫の中に居るならば袋の鼠です。
此処は炙り出す様にジワジワと追い詰めてあげましょう 」
ワトスン:マオ
「 ジワジワと?
怖い事しないよな?? 」
ホームス:セロフィート
「 ふふふ。
どうでしょう? 」
ワトスン:マオ
「 ホームス… 」
ホームス:セロフィート
「 冗談です。
犯人の目星は付いてます 」
ワトスン:マオ
「 どゆこと?? 」
ホームス:セロフィート
「 妊婦の殺害場面を見れば一目瞭然です。
『 エレファント・ザ・リッパー事件 』の殺人鬼達,『 貴族令嬢殺害事件 』の犯人達は仮面を付け、素顔を隠して犯行に及んでました。
けれども、『 妊婦殺害事件 』の犯人達は顔を隠さず犯行に及んでました。
『 妊婦殺害事件 』の犯人達の顔は既に割れています。
顔が判れば身元が判ります 」