セロに見詰められると、知ってる事を何でも話しちゃいそうになるんだよな…。
多分……大事な事に関しては、セロに隠し事なんて出来ないんだろうな…。
セロフィート
「 ──マオ?
どうしました?
話してくれません? 」
セロは何時だってオレに敬語を使ってくれる。
何でかは分からないけど、出会った時からそうだった。
当時は契約する前だった訳だし、敬語を使われるのは普通の事だと思う。
オレだって、心底困って途方に暮れてる時に助けてもらえたら、年下相手にだって敬語を使うだろうし??
恩義はある訳だし…。
でも其はあくまでも契約する前の事だ。
オレは未だ、セロだけのマオ具ちゃじゃなかった。
契けい約やくを交かわした瞬しゅん間かんから、オレはセロだけのマ玩おもオ具ちゃになった。
そうなったら、敬けい語ごを使つかう必ひつ要ようなんてない筈はずだ。
セロにとっての “ 恩おん人じん ” のマオ・ユーグナルは、セロと契けい約やくをして、セロだけの玩がん具ぐおもちゃになったんだから…。
其それなのに、セロはずっと…玩がん具ぐおもちゃのオレに対たいして、変かわらず敬けい語ごを使つかってくれている。
玩がん具ぐおもちゃのオレを尊そん重ちょうしてくれている。
勘かん違ちがいしちゃうんだよなぁ……。
嬉うれしいんだけど…、『 何なんでなのかな? 』って疑ぎ問もんに思おもうんだ。
オレが聞きいたら、セロは何なんて答こたえてくれるんだろう。
此これも怖こわくて聞きけない……。
マオ
「 ──新しんライナノット聞ぶん・タイムズを買かったんだ。
読よんでから話はなした方ほうが事じ件けんの状じょう況きょうが分わかるんじゃないか──って思おもうんだけど、どうかな? 」
セロフィート
「 マオが読よみ聞きかせてくれます? 」
マオ
「 そう…だな。
オレが買かった新しんライナノット聞ぶん・タイムズだし、翻ほん訳やくルーペがあるから読よめるよ 」
セロフィート
「 マオ、お願ねがいします。
ワタシに記き事じを読よみ聞きかせてください 」
マオ
「 うん。
任まかせろ! 」
セロにお願ねがいされたら、惚ほれた男おとことしては断ことわれないよな!
オレはセロの為ために、事じ件けんの詳しょう細さいを少すこしでも知しる為ために、声こえに出だして記き事じを読よむ事ことにした。
──*──*──*── 数十分後
新しんライナノット聞ぶん・タイムズを何なんとか読よみ終おえる事ことが出で来きたオレは、大おおきく深しん呼こ吸きゅうをして、バクバクする胸むねを落おち着つかせた。
心しん臓ぞうがないのに胸むねがバクバクしたり、ドキドキしたり、キュ〜〜って苦くるしくなるのって変へんな感かんじだ。
慣なれないよなぁ…。
毎まい回かいだけど、不ふ思し議ぎな気き分ぶんになるんですけど!!
オレは新しんライナノット聞ぶん・タイムズをセロに渡わたした。
新しんライナノット聞ぶん・タイムズと交こう換かんする代かわりに、紙かみとペンをセロに出だしてもらった。
口くちに出だして話はなした内ない容ようを忘わすれてしまわない様ように紙かみに書かき残のこして覚おぼえる為ためだ。
セロフィート
「 読よんでくれて有あり難がとう、マオ。
マオのお蔭かげで “ エレファント・ザ・リッパー事じ件けん ” の事ことは大だい体たい分わかりました。
マオ、何なにか気き付づいた事ことあります? 」
マオ
「 う〜ん……、おっちゃんに教おしえてもらった事ことは全ぜん部ぶ記き事じに書かかれてたよ。
殺さつ人じん鬼きに遭そう遇ぐうしたくないなら、奇き数すう日びの夜よるの外がい出しゅつは止やめた方ほうが良いい──って言いわれたかな 」
セロフィート
「 賢けん明めいですね。
お目め汚よごしになりそうですし 」
マオ
「 そだよな… 」
セロも「 お目め汚よごし 」だって思おもうんだな。
一寸ちょっとホッとした。
「 面おも白しろい殺さつ人じん鬼きですね★ 」とか言いいやしないかとハラハラしたから余よ計けいにだ。
マオ
「 セロも『 お目め汚よごしだ 』って思おもうんだ?
同おなじで嬉うれしいな(////) 」
セロフィート
「 はぁ?
そうです? 」
………………其そ処こは「 ワタシもです 」って言いって微ほほ笑えんでほしい所ところなんですけどね、セロさん!!
若もしかして、言いわないだけで本ほん心しんは「 面おも白しろい 」って思おもってる──って事ことなのか??
そうなのか、セロ!?
マオ
「 …………だってさ、全ぜん裸らで娼しょう婦ふを惨ざん殺さつしてから、笑わらいながら逃とう走そうする殺さつ人じん鬼きだし…。
目めには毒どくだろ? 」
セロフィート
「 そうですね…。
興きょう味みはあります 」
マオ
「 あるんだ? 」
セロフィート
「 興きょう味みを持もてない方ほうが寧むしろ、どうかしてます 」
マオ
「 そ、そういうもんかな??
…………面おも白しろそう?? 」
セロフィート
「 はぁ?
別べつに面おも白しろくはないですけど。
何な故ぜです? 」
マオ
「 いや…別べつに……。
今いま迄までのセロなら、事じ件けんを面おも白しろがって首くびを突つっ込こんでたよな〜〜って思おもったり……して?
今いま迄までのセロならさ、どんな手てを使つかってでも、事じ件けんに関かかわろうとしてたし… 」