✔ 6.隠れ家 6 〜 迷探偵の華麗なる迷推理 6 〜
ワトスン:マオ
「 ──何だよ!
初めから終わり迄〈 器人形 〉にさせれば良かったじゃないかよ!
オレに無駄な事させるなよな! 」
ホームス:セロフィート
「 ワトスンと2人きりになりたかっただけです 」
ワトスン:マオ
「 へぇ?
其で?
オレに3時間も無駄な事させたのかよ! 」
ホームス:セロフィート
「 無駄…です?
はて?
ワタシにはとても有意義な3時間でしたけど? 」
ワトスン:マオ
「 そ…そうなの??
有意義だったの?
本当に?? 」
ホームス:セロフィート
「 はい♪
ワトスンのお蔭です 」
ワトスン:マオ
「 ふ、ふ〜ん…(////)
ま、まぁ…オレの頑張りも3時間も無駄じゃなかったなら別に良いけど!(////)」
ホームス:セロフィート
「 ワトスン、未々あります。
食べてください 」
ワトスン:マオ
「 う、うん… 」
セロから、ふわり…と優しく微笑まれてしまったら、何かどうでも良くなっちゃったよ。
其にしても気になる事がある。
ワトスン:マオ
「 ホームス、ヴドゥフ城に複製した資料と証拠品を送る様に〈 器人形 〉に言ってたよな?
何でだ? 」
ホームス:セロフィート
「 王国騎士団,国境騎士隊が捕らえた犯行者達を裁く為に、彼等が犯行者である事を証明する資料と証拠品が必要となります 」
ワトスン:マオ
「 いや…其は分かるんだけどさ、何で複製するんだ?
資料の原本と証拠品の現物を渡すんじゃ駄目なのかよ? 」
ホームス:セロフィート
「 解決した後、処分されてしまいます。
全てを返還される保証もないです。
原本と現物を保管していれば、直ぐに利用出来ます 」
ワトスン:マオ
「 利用って? 」
ホームス:セロフィート
「 色々です。
利用価値のある物を保管しておくのは常識です 」
ワトスン:マオ
「 へ、へぇ……。
良からぬ事に利用するのも常識なのかよ? 」
ホームス:セロフィート
「 そうです 」
ワトスン:マオ
「 『 そうです 』って……。
お手柔らかにな? 」
ホームス:セロフィート
「 考えておくとしましょう 」
ワトスン:マオ
「 本当だろうなぁ?
其よりさ、『 エレファント・ザ・リッパー事件 』と『 貴族令嬢殺害事件 』の犯行者達は捕まってたんだな 」
ホームス:セロフィート
「 そうみたいですね。
国外逃亡される前に捕まって良かったですね 」
ワトスン:マオ
「 そだな…。
其で?
ホームスは何したんだよ? 」
ホームス:セロフィート
「 はい?
何をしたとは? 」
ワトスン:マオ
「 知らばっくれんなよ!
絶対に何かしただろ〜〜〜。
1000年以上も一緒に生活してんだ。
セロが何もしない訳がないだろが!
オレは〈 器人形 〉からも事情を詳しく聞いてるんだからな!! 」
ホームス:セロフィート
「 “ ホームス ” です、ワトスン。
…………そう、ですね。
ワトスンは家族ですし、特別に教えましょう 」
ワトスン:マオ
「 本当か?! 」
ホームス:セロフィート
「 本当です。
大した事はしてません。
犯行者達をヴドゥフ王国へから出られない様に結界を張っただけです。
犯行者達はリラリベア小国へ戻る為に此処から転移魔法で国境へ転移しました。
ワタシが結界を張った事で、犯行者達はリラリベア小国へ帰れなくなりました。
国境を守っている国境騎士隊には『 エレファント・ザ・リッパー事件 』と『 貴族令嬢殺害事件 』の犯行者達が国境に転移をして来る事を予め伝えてありました。
犯行者達は国境にて待ち伏せしていた国境騎士隊に捕らわれ、王国騎士団に引き取られました。
犯行者達は今頃、ヴドゥフ城の地下牢に捕らわれているでしょうね。
大勢のヴドゥフ国民を殺害した訳ですし、多少の拷問はされてるかも知れません 」
ワトスン:マオ
「 …………抜け目がないって言うか… 」
ホームス:セロフィート
「 《 セロッタ探偵事務所 》を≪ アレンカルダ大陸 ≫に広めてガッポリする為です 」
ワトスン:マオ
「 其も〈 器人形 〉に聞いたよ… 」