✔ 6.隠れ家 4 〜 迷探偵の華麗なる迷推理 4 〜
ワトスン:マオ
「 ……………… 」
ホームス:セロフィート
「 ヴドゥフ王国とリラリベア小国のいざこざは、探偵には関係のない話です。
収集した証拠を整理し、提出する迄が役目です 」
ワトスン:マオ
「 …………うん。
国同士の事に探偵が首を突っ込んで、どうにか出来る様な問題じゃないもんな……。
うん……。
オレは証拠収集に全力で挑むよ! 」
ホームス:セロフィート
「 其の息です、ワトスン。
ファイトです♪ 」
オレはセロの話を聞いて、心を入れ換えて、態度を改める事にした。
有り難う、セロ!
だけどな〜〜〜〜〜〜、オレは一言だけ、セロに言いたい。
物申したい事がある!
いんや、一言なんかじゃ、到底足りなやしない!!
ワトスン:マオ
「 ホームス!
『 ファイト♪ 』じゃ、ないだろ!!
椅子に座ってんな!!
寛ぐなっ!!
テーブルも紅茶も茶菓子も仕舞えよ!!
何で自分だけ部外者面して暢気に見学者してんだよ、コラァ!!!!
オレ1人に証拠収集させる気ですかよ!! 」
ホームス:セロフィート
「 ホームスは探偵です。
探偵は推理をするのが役目であって、証拠収集は役目に入りません。
ワトスンは助手です。
助手は探偵が推理し易い様に環境を整え、探偵の補佐としてサポートし、掻き集めた情報,証拠を纏めた結果を探偵へ提示する迄が役目です。
突っ立って探偵の推理を聞いているだけではないですよ 」
ワトスン:マオ
「 ………………其って要は、推理以外の事は全部助手に丸投げする──って事じゃないのかよ? 」
ホームス:セロフィート
「 お利口さん♪ 」
ワトスン:マオ
「 『 お利口さん♪ 』じゃ、ないわっ!!
全部片付けて、オレを手伝えよっ!! 」
ホームス:セロフィート
「 ワトスンの役目を奪う事は出来ません。
ホームスの分も確り収集してください 」
ワトスン:マオ
「 ホームス〜〜〜〜っ!!!! 」
オレはセロに怒鳴っていた。
だけど、セロは素知らぬフリして紅茶を飲んでいる。
セロは完全に、助手のワトスンに丸投げする気満々だった。
オレは諦めて、1人で証拠を探して集つめる事にした。
もうっ!
セロは肝心な時は何時もこうだ!!
オレに丸投げして尻拭いをさせやがるんだっ!!
ちきしょうめ、だ!!
──*──*──*── 3時間後
ふぅ──。
此のぐらいで良いかな?
額から滴る汗を右手の甲で拭いながら、オレは身辺を見回した。
結局の所、此の無駄にだだっ広い隠れ家の中から証拠になる物を探し出して集める作業をオレ1人でやりきる事は不可能だった。
だから、セロにせがんで何とかしてもらった。
頭に来る話だけど、セロは初めからオレ1人に証拠収集をさせる気は更々なかったらしい。
どうやらセロは、オレに頼ってほしかったみたいなんだ。
時と場所を考えてくれよ〜〜〜!
ひたすら必死に証拠を探し回っていたオレの2時間を返してほしい!!
だけど、1人でも駄目元で無茶な証拠収集に挑んだオレをセロは見直してくれたらしい。
オレはセロを見損なったけどな!!
2時間だけ1人で頑張ったオレは、セロに弱音を吐いて助けを求めたんだ。
もっと早くギブアップしとけば良かったよ!!
オレって無駄に損ばっかしてる!!
──だけど、セロに抱擁してもらえたし、『 大人のおまじない 』もしてもらえた訳だし、今回だけは水に流してやっても良いかな!(////)
許せないけど、オレは寛大な心で大目に見てやる事にした!
セロは古代魔法を発動させて、証拠になりえる全てを1ヵ所に集めてくれた。
秒で終わるじゃないか!
オレは1ヵ所に集められた証拠の仕分けをしてから種類分けの作業を1人でする事になったんだ。