古代魔法と元素魔法は消費する〈 テフ 〉の量が違うから、魔法陣の大きさも違うらしい。
暫く見ていると、揺らめいている光が見えて来た。
何か……オーロラが地面から生えてるみたいに見える。
綺麗だ……。
此が魔法の痕跡なんだ…。
──あれ?
セロが今さっき発動させた元素魔法の痕跡が見えてない。
何でだ??
ワトスン:マオ
「 ホームス、さっきホームスが発動させた元素魔法の痕跡が見えないんだけど、何でだ?
何かしたの?? 」
ホームス:セロフィート
「 ワタシの発動させる魔法は〈 テフ 〉を対価として消費しますから、痕跡は残りません 」
ワトスン:マオ
「 そうなんだ…。
──ホームスはさ、どんな風に痕跡が見えてるんだ? 」
ホームス:セロフィート
「 ワタシです?
地面から生えているオーロラが揺らめいて見えますけど? 」
ワトスン:マオ
「 本当?!
オレもだよ!!
お揃いだな!(////)」
ホームス:セロフィート
「 ふふふ(////)
そうですね…。
( ──マオ、其は君が〈 皇 〉だからです。
教えませんけど )」
ワトスン:マオ
「 綺麗だよなぁ〜〜。
なぁ、ホームス。
此ってさ、何い時つ迄まで残のこってるもんなんだ? 」
ホームス:セロフィート
「 魔ま法ほうマジックの強きょう弱じゃく,範はん囲いに関かん係けい無なく、発はつ動どう者しゃに依よって異ことなります。
数すう秒びょうで消きえてしまう痕こん跡せきも有あれば、数すう日にち,数すう週しゅう,数すうヵ月げつ,数すう年ねん──と言いう様ように長ながい年ねん月げつ其その場ばに残のこり続つづける痕こん跡せきも有あります。
痕こん跡せきの日にっ数すうを伸のばす事ことは出で来きなくても、消きえるのを早はやめる魔ま法ほうマジックは存そん在ざいします 」
ワトスン:マオ
「 えっ、そうなの?! 」
ホームス:セロフィート
「 専せん用ようの魔ま法ほうマジックを使つかえば、痕こん跡せきを辿たどり、発はつ動どう者しゃを探さがし当あてる事ことも可か能のうです 」
ワトスン:マオ
「 そんな事ことも出で来きるのかよ?!
だったらさ、早はやくやろうよ!
発はつ動どう者しゃを追おって、とっ捕つかまえよう!! 」
ホームス:セロフィート
「 此この痕こん跡せきには複ふく数すうのウィザード魔法使いが関かかわっている事ことを証しょう明めいしてます。
回かい収しゅうさせるとしましょう 」
ワトスン:マオ
「 ホームス!
早はやく痕こん跡せきを辿たどろうよ! 」
ホームス:セロフィート
「 必ひつ要ようないです 」
ワトスン:マオ
「 はぁ?
『 必ひつ要ようない 』ってどうしてだよ?? 」
ホームス:セロフィート
「 既すでに〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉を向むかわせてます。
ワトスンとワタシは此こ処こアジトで証しょう拠こを収しゅう集しゅうします 」
ワトスン:マオ
「 えぇっ?!
証しょう拠こ集あつめするだけ??
………………マジかよ… 」
ホームス:セロフィート
「 証しょう拠こ収しゅう集しゅうは大だい事じです。
証しょう拠こが無なければ、犯はん行こう者しゃ達たちをヴドゥフ王おう国こくの法ほう廷ていで裁さばけません。
ヴドゥフ国こく民みんを殺さつ害がいした犯はん罪ざい者しゃ達たちを罰ばっする事ことも出で来きぬまま、彼かれ等らを祖そ国こくへ帰き還かんさなければなりません。
大たい義ぎ名めい分ぶんを手てに入いれた彼かの国くには、此これ幸さいわい言いわんばかりにヴドゥフ王おう国こくに宣せん戦せん布ふ告こくするでしょうね 」
ワトスン:マオ
「 宣せん戦せん布ふ告こく?
何なんでだ? 」
ホームス:セロフィート
「 豊ゆたかな土と地ちを欲ほしているからです。
ヴドゥフ王おう国こくの土と地ちは未まだ豊ゆたかな方ほうです。
其それとは反はん対たいに隣りん国ごくのリラリベア小しょう国こくの土と地ちは豊ゆたかとは言いい難がたいです。
まぁ、数すう十じゅう年ねん前まえにヴドゥフ王おう国こくに無ム理リ矢ヤ理リ奪うばわれた土と地ちを取とり返かえすべく、漸ようやくリラリベア小しょう国こくが重おもたい腰こしを動うごかした──と言いうべきですね 」
ワトスン:マオ
「 えぇと……鯔とどの詰つまりさ、リラリベア小しょう国こくが数すう十じゅう年ねん前まえにヴドゥフ王おう国こくから無ム理リ矢ヤ理リ奪うばわれた土と地ちを取とり返かえす為ために、リラリベア国こく民みんをヴドゥフ王おう国こくに送おくり込こんで悪わるい事ことをさせてる訳わけか?
だけどさ、仮かりに捕つかまったとして……自じ白はくさせられたら、リラリベア小しょう国こくの仕し業わざだって判わかっちゃうじゃないのか?
そしたら、ヴドゥフ王おう国こくがリラリベア小しょう国こくに攻せめ込こむ為ための大たい義ぎ名めい分ぶんを与あたえちゃう事ことにならないか? 」