121/286

✔ ６．続・セロッタ探偵事務所　７　〜第２回、無能者会議　５〜

ワトスン：マオ

「 ──此（こ）の青（あお）線（せん）(ブルー)は何（なん）なんだ？」

ホームス：セロフィート

「何（ど）処（こ）から犯（はん）行（こう）現（げん）場（ば），目（もく）撃（げき）現（げん）場（ば）へ来（き）たのかを示（しめ）す線（せん）です。

　警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）は青（あお）線（せん）(ブルー)を辿（たど）る班（はん）と赤（あか）線（せん）(レッド)を辿（たど）る班（はん）に分（わ）かれて捜（そう）査（さ）します」

ワトスン：マオ

「そうなんだ？

　青（あお）線（せん）(ブルー)の先（さき）が沢（たく）山（さん）あるから大（たい）変（へん）そうだな。

　全（ぜん）部（ぶ）に行（い）って捜（そう）査（さ）するんだろ？」

ホームス：セロフィート

「そうですね。

　緑（みどり）(グリ)線（せん）(ーン)は『妊（にん）婦（ぷ）殺（さつ）害（がい）事（じ）件（けん）』へ向（む）かう足（あし）跡（あと）で、桃（もも）線（せん）(ピンク)は殺（さつ）害（がい）現（げん）場（ば）から出（で）て行（い）った足（あし）跡（あと）を表（あらわ）してます。

　線（せん）を辿（たど）れば『妊（にん）婦（ぷ）殺（さつ）害（がい）事（じ）件（けん）』の犯（はん）人（にん）達（たち）を捕（つか）まえられるかも知（し）れません」

ワトスン：マオ

「事（じ）件（けん）解（かい）決（けつ）も目（め）の前（まえ）だな！」

ホームス：セロフィート

「犯（はん）人（にん）達（たち）を見（み）付（つ）けられたとしても証（しょう）拠（こ）がなければ逮（たい）捕（ほ）は出（で）来（き）ません。

　誤（ご）認（にん）逮（たい）捕（ほ）は犯（はん）罪（ざい）です。

　警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）であっても、法（ほう）廷（てい）にて厳（きび）しく裁（さば）かれます。

　任（にん）意（い）同（どう）行（こう）してもらえれば良（よ）いですけど、拒（きょ）否（ひ）される場（ば）合（あい）もありますし… 」

ワトスン：マオ

「そっ…そうなんだ……。

　誤（ご）認（にん）逮（たい）捕（ほ）って犯（はん）罪（ざい）扱（あつか）いされて裁（さば）かれるんだ…。

　証（しょう）拠（こ）って大（だい）事（じ）なんだな…… 」

ホームス：セロフィート

「見（み）付（つ）からなければ此方（こちら）で作（つく）ってしまえば良（よ）いだけです」

ワトスン：マオ

「 …………そだな… 」

　犯（はん）人（にん）を逮（たい）捕（ほ）する為（ため）に証（しょう）拠（こ）を作（つく）るのって……犯（はん）罪（ざい）じゃないのかよ？

　セロだから、バレる様（よう）なヘマはしないと思（おも）うけどさ……。

　無（ム）理（リ）矢（ヤ）理（リ）証（しょう）拠（こ）をでっち上（あ）げたり、捏（ねつ）造（ぞう）したりしないよな？？

　其（それ）にしても何（なん）で警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）が足（あし）跡（あと）を辿（たど）らないんだろう？？

　あっ、そうか！！

　蛍（けい）光（こう）ペインキが見（み）えるのは、セロとオレとタンダレル警（けい）部（ぶ）だけだからだ！

　蛍（けい）光（こう）ペインキが見（み）えない警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）は足（あし）跡（あと）を辿（たど）りたくても辿（たど）れない！

　警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）が捜（そう）査（さ）し易（やす）い様（よう）にって、セロは前（まえ）以（もっ）て情（じょう）(器（き）)報（ほう）(人（にん）)屋（や）(形（か）)に調（しら）べさせたんだ！！

　何（なん）だよ、セロの奴（ヤツ）め！

　ちゃんと人（にん）間（げん）に優（やさ）しいじゃんかよ（////）

　もうっ、セロのそ〜ゆ〜所（ところ）が堪（たま）らなく好（す）きなんだよな、オレ！！

ホームス：セロフィート

「ワトスン？

　にやけてどうしました？

　お菓（か）子（し）、気（き）に入（い）りました？」

ワトスン：マオ

「お菓（か）子（し）は何（ど）れも美（お）味（い）しかったよ。

　絶（ぜっ）品（ぴん）だった！

　其（それ）もあるけど、オレはホームスの事（こと）をだな、改（あらた）めて “ 好（す）きだ ” って認（にん）識（しき）したからだよ、馬（バ）鹿（カ）！（////）」

ホームス：セロフィート

「ははぁ…。

　有（あ）り難（がと）う、ワトスン」

ワトスン：マオ

「首（くび）を傾（かし）げて言（い）われると複（ふく）雑（ざつ）なんですけど……。

　そう言（い）えば、タンダレル警（けい）部（ぶ）は？

　姿（すがた）が見（み）えないけど…… 」

ホームス：セロフィート

「とっくに会（かい）議（ぎ）室（しつ）を出（で）てます。

　本（もと）底（そこ）(アウトソール)を持（も）って《商（しょう）店（てん）街（がい）》へ向（む）かいました」

ワトスン：マオ

「本（ほん）当（と）にタンダレル警（けい）部（ぶ）に靴（くつ）屋（や）巡（めぐ）りをさせる気（き）だったんだな… 」

ホームス：セロフィート

「裏（うら）付（づ）けを取（と）る為（ため）の大（だい）事（じ）な捜（そう）査（さ）ですし。

　人（ひと）手（で）が足（た）りないので〈器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉を同（どう）行（こう）させました。

　無（む）能（のう）警（けい）部（ぶ）は安（あん）全（ぜん）です」

ワトスン：マオ

「へ？？

　何（なん）でタンダレル警（けい）部（ぶ）の安（あん）全（ぜん）を守（まも）るんだ？？

　必（ひつ）要（よう）でもあるのか？」

ホームス：セロフィート

「さぁ？

　何（なん）と無（な）く…です」

ワトスン：マオ

「何（なん）と無（な）く？？」

ホームス：セロフィート

「さぁ、ワタシ達（たち）も行（い）きましょう」

ワトスン：マオ

「うん… 」

　ホームスがオレに手（て）を差（さ）し伸（の）べてくれる。

　見（み）た目（め）だけは紳（しん）士（し）だな！

　オレは右（みぎ）手（て）を伸（の）ばしてホームスの手（て）のに取（と）った。

　──あっ！

　オレ、未（ま）だ椅（イ）子（ス）(チェア)に座（すわ）ったままだった。

　椅（イ）子（ス）(チェア)から腰（こし）を上（あ）げたオレは立（た）ち上（あ）がった。

　何（い）時（つ）の間（ま）にか、オレに通（つう）訳（やく）をしてくれていた〈器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉の姿（すがた）はなくなっていた。

　会（かい）議（ぎ）室（しつ）から出（で）たのかな？？

ホームス：セロフィート

「ワトスン」

ワトスン：マオ

「うん…（////）」

　まるで理（り）想（そう）の国（くに）の王（おう）子（じ）様（さま）に手（て）を引（ひ）かれる妄（もう）想（そう）癖（へき）のある一寸（ちょっと）危（あぶ）ないお姫（ひめ）様（さま）になった気（き）分（ぶん）だ。

　オレ、男（おとこ）だけどね！！

　セロの中（なか）身（み）は全（ぜん）然（ぜん）理（り）想（そう）的（てき）じゃないけどね！！

✔ ６．続・セロッタ探偵事務所 ７ 〜 第２回、無能者会議 ５ 〜

✔ ６．続・セロッタ探偵事務所　７　〜第２回、無能者会議　５〜