オレは用意された椅子に座って、〈 器人形 〉が淹れてくれる美味しい紅茶を飲みながら、〈 器人形 〉が丁寧に封を開けて菓子皿の上に丁寧に並べてくれるお菓子を頬張りながら、捜査会議に参加していた。
って言うか、此の状態って “ 参加してる ” って言って良いのか??
すんごい場違いな感じがするんですけど!!
参加と言よりも、会議内容を聞いてるだけなんだけども、オレの知らない専門用語らしき言葉が飛び交い合ってる所為なのか、耳に入って来る全ての内容が全然理解出来なくて、皆が何の話をしているのか聞いてるオレにはチンプンカンプン過ぎる……。
なもんだから、オレは隣でお菓子を菓子皿の上に並べてくれている〈 器人形 〉にお願いして、オレにも分かる様に通訳してもらって聞く事にした。
此処ににゅいが居てくれたら──って思う。
あぁ…でも、ニュイリの姿じゃないと通訳はしてもらえないんだよな……。
今、無性に癒しが欲しい!!
〈 器人形 〉が通訳してくれてる内容を簡単に要約すると────、 “ 足跡を辿って、不届き千万な犯行者達を一網打尽にして捕らえよう! ” って事らしい。
もっと普通に簡単に言えば良くない??
何で態々難しい専門用語を使って解り難く話してんの??
聞かれたら拙い相手でも居るのかよ??
器人形:社員
「{ ──ワトスン様、今、ホームス様が警察官,捜査官に犯行時の推理をされてます }」
ワトスン:マオ
「{ 推理?? }」
器人形:社員
「{ はい。
殺人鬼達,犯人達の利き手、本底から推測される殺人鬼達,犯人達の歩き方,姿勢,背丈,体格等々を今迄不明だった犯行者像を推理されてます }」
ワトスン:マオ
「{ 本底で其処迄判るもんなの? }」
器人形:社員
「{ はい。
足跡の形の活用次第で重要な情報を幾らか得る事が出来ます。
殺人鬼達,犯人達は犯行時には仮面を被り、顔を隠していました。
顔が分からない殺人鬼達,犯人達の素性や身元が判らないのは仕方無い事ですけど、ホームス様は既に殺人鬼達,犯人達の素性も身元も存じ上げています }」
ワトスン:マオ
「{ はぁ?!
何其、どゆこと?? }」
器人形:社員
「{ ワトスン様、ホームス様と一緒に殺害現場で殺害場面を見ていましたよね? }」
ワトスン:マオ
「{ う、うん……。
見てたけど、其が何?? }」
器人形:社員
「{ 其の時の殺害場面を思い出してください }」
ワトスン:マオ
「{ はぁあ?!
嫌だよ!
オレ、思い出したくもないんだけど!! }」
器人形:社員
「{ ヒントが隠されてますよ。
殺人鬼達,犯人達の素性と身元を判明させる事の出来るヒントが── }」
ワトスン:マオ
「{ ………………ヒントって言われても… }」
何度だって言うけど、本当に殺害場面の事は思い出したくないんだよなぁ。
何処にヒントが隠されてるって言うんだよ??
殺し方……とか?
嫌だけど、考えてみる事にした。
殺人鬼達,犯人達が殺害を始める所から──………………あれ??
そう言えば──、必ず1人は後から仮面を被っていた様な…………いや、そうだっ!!
確かに、1人だけ、後から仮面を被っていた!!
ワトスン:マオ
「{ ──若しかして……だけど、仮面を後から被ってた奴がヒントになってる?? }」