ホームス:セロフィート
「 ──此処が最後の殺害現場になります。
蛍光ペインキを撒きます 」
時間は19時過ぎ。
漸く『 エレファント・ザ・リッパー事件 』と『 貴族令嬢殺害事件 』の殺害現場巡りが終わるんだ。
転移魔法で移動しても此だけの時間が掛かるなんて、事件の起きた回数は半端ないな。
蛍光ペインキで色付けされた足跡から靴底の型を取る作業も此で終わりだし、やれやれだよ。
集めた靴底の型は凄い数になるだろうな。
沢山ある靴底の型と靴のサイズが一致しているのがあれば、靴屋で探す靴の種類も少しは減る筈だ。
其に最後迄足跡を見ていて判った事があって、『 エレファント・ザ・リッパー事件 』の殺人鬼達の足跡と『 貴族令嬢殺害事件 』の犯人達の色が被っている事に気付いたんだ。
此って、凄い手掛かりになるよな?
だって『 エレファント・ザ・リッパー事件 』の殺人鬼達と『 貴族令嬢殺害事件 』の犯人達が被ってる──って事はだよ、『 エレファント・ザ・リッパー事件 』と『 貴族令嬢殺害事件 』は関連性がある事になるんだ。
同一の組織の犯行──って事の裏付けにならないかな?
此は凄い発見だと思う!!
事件解決に100歩ぐらいは近付けたんじゃないのかな?
蛍光ペインキで光る足跡を辿れば、『 エレファント・ザ・リッパー事件 』と『 貴族令嬢殺害事件 』を起こした不届きな組織の奴等を一網打尽に出来るんだ!!
ワトスン:マオ
「 タンダレル警部、後は足跡を辿れば事件を解決に導けるね! 」
タンダレル
「 …………そうだな。
魔法は手品の様なものだと思っていたが……、1日で此だけの手掛かりと証拠を見付け出せるとは思わなかった…。
ホームス、協力を感謝する 」
ホームス:セロフィート
「 彼等の履いている靴を探し出し、証拠として提示しても、パンチは弱いです 」
ワトスン:マオ
「 そうなのかな?
殺害現場で見付けた足跡と一致する靴底の靴を探し出せれば、証拠になると思うんだけど……。
靴を買った人物が特定される訳だし、該当する人達のアリバイを調べれば見付け出せるんじゃないのか? 」
ホームス:セロフィート
「 見付かれば──です。
誰がどんな靴を買ったのか書き残された記帳が靴屋にあれば、該当者を探すのは可能でしょうね。
現金払いが一般的ですし、記帳を付けていない靴屋が多ければ該当者を探し出すのは困難になります。
オーダーメイドの様な高価な靴を履いて犯行を行うとも思いませんし 」
ワトスン:マオ
「 何でだ? 」
ホームス:セロフィート
「 オーダーメイド等の靴を履けば、足が付く可能性があるからです。
殺人鬼達,犯人達が其処迄頭を使っていなければ良いですけど 」
ワトスン:マオ
「 そんな…… 」
ホームス:セロフィート
「 抑、《 商店街 》の靴屋で買っている前提での話になります 」
ワトスン:マオ
「 えっ?? 」
ホームス:セロフィート
「 殺人鬼達と犯人達が街民なら可能性はあります 」
ワトスン:マオ
「 街民じゃなかったら?? 」
ホームス:セロフィート
「 靴屋を当たる捜査は無駄になるでしょうね 」
ワトスン:マオ
「 マジかよ…… 」
タンダレル
「 ホームス、此の後はどうするつもりだ? 」
ホームス:セロフィート
「 お開きに決まってます。
無能警部は明日の朝あさ、《 セロッタ探たん偵てい事じ務む所しょ 》へ寄よってください。
足あし跡あとの型かたを加か工こうして本もと底そこアウトソールを作つくらせます。
受うけ取とったら其そのまま靴くつ屋やへ向むかってください 」
タンダレル
「 ──おい!
靴くつ屋やに行いけだと?!
どういうつもりだ!! 」