✔ 5.殺害現場巡礼 1 〜 証拠は作るものです 1 〜
──*──*──*── 殺害現場
セロ,オレ,タンダレル警部は、セロの発動させた転移魔法に依って、一瞬で『 貴族令嬢殺害事件 』の殺害現場にも使われた『 エレファント・ザ・リッパー事件 』第1回目の殺害現場に来ていた。
タンダレル警部は転移魔法が初めてだったのか、一瞬で景色が変わった事に驚いていた。
ワトスン:マオ
「 ホームス、着いたのは良いけど、どうやって証拠を探すんだ? 」
ホームス:セロフィート
「 捜索魔法を使います 」
ワトスン:マオ
「 捜索魔法??
捜索魔法って何だよ? 」
ホームス:セロフィート
「 無くした物を探したり、行方知れずのペットを探したり、迷子を捜したりする時に使う魔法です。
一般的にも知られている手法は、ダウジンクやペンデュラムです。
ワタシはどちらも使いません 」
ワトスン:マオ
「 ダウジンクとかペンデュラムならオレも見た事あるよ 」
タンダレル
「 占い師が良く使う手だな。
あんなのは胡散臭いインチキが殆どだろうが! 」
ワトスン:マオ
「 インチキて……。
タンダレル警部は信じない人なの? 」
タンダレル
「 事件が解決するなら信じるが? 」
ワトスン:マオ
「 刑事さんらしいね…。
ホームス、ダウジンクもペンデュラムも使わないで何を使うんだ? 」
ホームス:セロフィート
「 ペインキです 」
ワトスン:マオ
「 は??
ペインキぃ〜〜〜?
何でペインキ?? 」
ホームス:セロフィート
「 簡単に消えないからです。
直ぐ消えては困りますし 」
タンダレル
「 おい、待て!
路地にペンキを撒き散らす気か?
誰にペンキを落とさせる気だ? 」
ホームス:セロフィート
「 用がな無くなれば魔法で消せます。
安心してください。
今回は蛍光ペインキを使います 」
ワトスン:マオ
「 蛍光ペインキ?
あっ、暗闇でも光って見易いペインキだな! 」
ホームス:セロフィート
「 そうです。
ペインキを撒けば足跡の種類だけ色付きます。
離れてください 」
ワトスン:マオ
「 うん… 」
タンダレル
「 本当に跡形もなく消せるんだろうな?
ペンキを撒いて何が判るんだ? 」
ワトスン:マオ
「 大人しく見てようよ。
ペインキを撒いて証拠が出るなら楽だよ 」
タンダレル
「 だがな、ペンキだぞ? 」
半信半疑のタンダレル警部を宥めつつ、セロが路地に蛍光ペインキを撒く様子を一緒に見ていた。
セロが直に蛍光ペンキを撒く訳じゃなくて、古代魔法を使っている。
蛍光ペインキが撒かれた後、蛍光ペインキは必要な部分だけを残して消えた。
蛍光ペインキが消えずに残ってる部分がある。
足跡だ。
多分、犯人の足跡なんじゃないかな?
どんどん足跡に色が付いていく。
タンダレル警部とオレの前にも足跡型の蛍光ペインキが付いていく。
足跡は路地を出て行ってしまった。
其の間にも見えない足跡に色が付いていく。
色違いの足跡は全部で8色あった。
えぇと……、『 エレファント・ザ・リッパー事件 』の殺人鬼が4人だから、『 貴族令嬢殺害事件 』の犯人も4人になるって事??
でも、其なら色の付いた足跡の数と一致はする。
良く良く足跡を見てみると、路地へ入って来る足跡と路地を出て行く足跡がある事に気付いた。
ワトスン:マオ
「 タンダレル警部、此の足跡を辿れば『 エレファント・ザ・リッパー事件 』の殺人鬼達と『 貴族令嬢殺害事件 』の犯人達が何処から来て何処へ行ったのか判るんじゃないかな?
此れって証拠になるよね? 」
ホームス:セロフィート
「 未だ証拠になりません。
証拠に使えるのは型です。
取っておきましょう 」
ワトスン:マオ
「 足跡の型と同じ靴を見付けられたら証拠になるね! 」
タンダレル
「 《 商店街 》には何軒か靴屋がある。
型があれば探すのは可能だ 」