☀「 セロ 」アレンカルダ大陸 ／ ライナノットの街 ／ 自称★名探偵セロッタ・ホームスの迷宮事件簿

ライナノットの街 「 五日目 」

✔ ５．目撃現場巡礼 １ 〜 無慈悲な現場検証 １ 〜

──＊──＊──＊──　目撃現場

　──此（こ）処（こ）が変態露出狂（エレファントマン）が目（もく）撃（げき）された場（ば）所（しょ）……。

　意（い）外（がい）と人（ひと）通（どお）りの多（おお）い場（ば）所（しょ）で驚（おどろ）いた。

　敢（あ）えて注（ちゅう）目（もく）される事（こと）を目（もく）的（てき）として走（はし）る訳（わけ）だから、人（ひと）通（どお）りの少（すく）ない場（ば）所（しょ）だと意（い）味（み）がないんだろうけど……。

　此（こ）処（こ）なら夜（よる）も人（ひと）通（どお）りは多（おお）そうだなぁ。

　変態露出狂（エレファントマン）が “ 複（ふく）数（すう）存（そん）在（ざい）する ” と言（い）うオレが導（みちび）き出（だ）し推（すい）理（り）の答（こた）え合（あ）わせをする為（ため）の検（けん）証（しょう）が此（これ）から始（はじ）まろうとしていた。

　変態露出狂（エレファントマン）の奇（き）行（こう）が “ 単（たん）独（どく）犯（はん）では出（で）来（き）ない ” って事（こと）が証（しょう）明（めい）されれば、殺（さつ）人（じん）鬼（き）達（たち）とは別（べつ）行（こう）動（どう）している協（きょう）力（りょく）者（しゃ）だと判（はん）明（めい）するし、殺（さつ）人（じん）鬼（き）達（たち）の犯（はん）行（こう）を手（て）助（だす）けをする為（ため）の共（きょう）犯（はん）者（しゃ）だと判（はん）明（めい）するだろう。

　娼（しょう）婦（ふ）を殺（さつ）害（がい）中（ちゅう）の現（げん）場（ば）から人（ひと）を遠（とお）ざける為（ため）の誘（ゆう）導（どう）犯（はん）だと言（い）う事（こと）も判（はん）明（めい）するんだ。

　『 エレファント・ザ・リッパー事（じ）件（けん） 』には “ 何（ど）処（こ）かの組（そ）織（しき） ” が関（かか）わっていて、『 エレファント・ザ・リッパー事（じ）件（けん） 』は人（じん）為（い）的（てき）に起（お）こされている殺（さつ）害（がい）事（じ）件（けん）だって事（こと）も明（あき）らかになる。

　因（ちな）みにだけど、『 エレファント・ザ・リッパー事（じ）件（けん） 』に “ 何（ど）処（こ）かの組（そ）織（しき） ” が関（かか）わっている──って言（い）うのは〈 器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉の調（ちょう）査（さ）から得（え）られた情（じょう）報（ほう）だ。

　〈 器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉は優（ゆう）秀（しゅう）で有（ゆう）能（のう）だし、信（しん）頼（らい）が出（で）来（き）るちゃんとした働（はたら）きをしてくれるそうだから、信（しん）憑（ひょう）性（せい）は高（たか）そうだ。

　セロも〈 器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉を褒（ほ）めていたし。

　セロが〈 器（うつわ）(き)人（にん）(にん)形（ぎょう）(か) 〉を褒（ほ）めるなんて珍（めずら）しいんだよな。

　だから、信（しん）憑（ひょう）性（せい）は高（たか）いし、真（ま）に受（う）けて信（しん）じても大（だい）丈（じょう）夫（ぶ）な情（じょう）報（ほう）だとオレは思（おも）うんだ。

　唐（とう）突（とつ）にセロから言（い）われて、オレは自（じ）分（ぶん）の推（すい）理（り）をタンダレル警（けい）部（ぶ）と警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）の前（まえ）で話（はな）す事（こと）になった。

　オレが紙（かみ）に書（か）いていた推（すい）理（り）を勝（かっ）手（て）に資（し）料（りょう）の中（なか）に加（くわ）えていたんだ！

　セロめえっ！！

　余（よ）計（けい）な事（こと）をしてくれやがった！！

　タンダレル警（けい）部（ぶ）も警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）も真（ま）面（じ）目（め）に真（しん）剣（けん）にオレの推（すい）理（り）を聞（き）いてくれている。

　オレは探（たん）偵（てい）じゃないんだよ〜〜〜！！

　素（しろう）人（と）の思（おも）い付（つ）いた烏（お）滸（こ）がましくて申（もう）し訳（わけ）無（な）い程（てい）度（ど）の推（すい）理（り）かどうかも怪（あや）しい推（すい）理（り）なんですけどっ！！

　ちくしょう！

　とんだ羞（しゅう）恥（ち）プレイだよっ！！

ホームス：セロフィート

「 どうですか。

　 探（たん）偵（てい）でないワトスンですら、此（こ）の様（よう）に違（い）和（わ）感（かん）と矛（む）盾（じゅん）に気（き）付（づ）き、此（これ）だけの推（すい）理（り）が出（で）来（き）ました。

　 現（げん）役（えき）の警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）だと言（い）うならば、最（さい）低（てい）でも此（これ）ぐらいの推（すい）理（り）を出（で）来（き）る様（よう）におなりなさい。

　 君（きみ）達（たち）は予（よ）想（そう）を裏（うら）切（ぎ）る程（ほど）の無（む）能（のう）です。

　 無（む）能（のう）過（す）ぎて話（はなし）にもなりません。

　 此（これ）から先（さき）が思（おも）いやられます… 」

　セロはタンダレル警（けい）部（ぶ）と警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）を前（まえ）にして、火（ひ）に油（あぶら）を注（そそ）いで焚（たき）き付（つ）ける様（よう）な事（こと）を上（うえ）から目（め）線（せん）で、まるで本（ほん）当（と）に嘆（なげ）いているのかの様（よう）に言（い）う。

　態（わざ）となのか、面（おも）白（しろ）がっているのか、奮（ふる）い立（た）たせる為（ため）に敢（あ）えて火（ひ）を付（つ）ける為（ため）なのか──、オレにはセロの考（かんが）えは分（わ）からない。

　見（み）方（かた）に依（よ）っては憂（うれ）いている様（よう）にも見（み）えるのは、セロの演（えん）技（ぎ）力（りょく）のなせる技（わざ）なのか……。

　理（り）由（ゆう）は兎（と）も角（かく）、“ 無（む）能（のう） ” って言（い）い過（す）ぎだろ！

　なんだけども──、何（なん）で一寸（ちょっと）だけ嬉（うれ）しそうな顔（かお）してる警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）がちらほら居（い）るの？！

　貶（けな）されてるんだよ？！

　褒（ほめ）められてないんですけど！？

　もっと言（い）って欲（ほ）しそうな顔（かお）してる警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）が居（い）るのには一寸（ちょっと）引（ひ）いちゃう……。

　もしかしたら、警（けい）察（さつ）官（かん），捜（そう）査（さ）官（かん）はセロから駄（だ）々(だ)漏（も）れる美（び）貌（ぼう）と美（び）声（せい）に毒（どく）されたゃって崇（すう）拝（はい）者（しゃ）になってしまったのかも知（し）れない？？

　成（な）り果（は）ててない事（こと）を祈（いの）るしかないかも……。

　無（む）能（のう）警（けい）──じゃなかった、タンダレル警（けい）部（ぶ）は大（だい）丈（じょう）夫（ぶ）……だよね？？

　魅（み）力（りょく）的（てき）なセロに毒（どく）されてないよね？？