セロフィート
「 そうですね。
川の上を渡りますし 」
マオ
「 川??
川迄あるの?? 」
セロフィート
「 あります。
休憩所には常に〈 器人形 〉を待機させてます。
会員なら小型のゴンドラに乗る事が出来ます。
〈 器人形 〉がゴンドラを漕ぎながら花言葉や花に由来する話を聞かせます 」
マオ
「 〈 器人形 〉ってゴンドラ迄漕げるのかよ…。
オレもゴンドラに乗りたい!!
でもさ、ゴンドラに乗れるのを会員だけにしたのは何でだ? 」
セロフィート
「 ガッポリする為に決まってます。
何もしなくても年間の会員費1.000Uが会員数分懐に入って来ます。
ガッポリでしょう? 」
マオ
「 えげつない…。
お金なんて集めなくたって無限に作れるだろ。
態々ガッポリしなくったて…… 」
セロフィート
「 作るのは犯罪なのでしょう?
商売を利用してガッポリするのは犯罪になりません。
マオは其の方が良いのでしょう? 」
マオ
「 そ、其は……そうだけど… 」
セロフィート
「 会員は体の良いお金の運搬人──謂わば金蔓ずる葱ねきです。
ゴンドラに乗のった会かい員いんにはセロカ君くんの限げん定てい記き念ねんバッジを渡わたします 」
マオ
「 ゴンドラに乗のったら限げん定てい記き念ねんバッジが貰もらえるの? 」
セロフィート
「 会かい員いんの特とく典てんで限げん定てい記き念ねんバッジ専せん用ようバッジケースも渡わたします。
バッジケースのデザインはセロカ君くんです。
名な前まえ入いりです 」
マオ
「 名な前まえ入いり…。
セロカ君くんのバッジケース……。
セロカ君くんのバッジケースは販はん売ばいしないの? 」
セロフィート
「 しません。
セロカ君くんのバッジケースも限げん定てい記き念ねん品ひんですし 」
マオ
「 オレも貰もらえるよな? 」
セロフィート
「 会かい員いんになれば貰もらえます 」
マオ
「 欲ほしいの増ふえるな〜〜 」
セロフィート
「 ふふふ 」
マオ
「 休きゅう憩けい所じょに居いる〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉がゴンドラに乗のったら待たい機きしてる〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉が居いなくなるんじゃないのか? 」
セロフィート
「 魔ま法ほうマジカル陣じんサークルから補ほ充じゅうされます 」
マオ
「 そう、なんだ… 」
セロフィート
「 そろそろ出でます? 」
マオ
「 え…。
うん……そうだな。
随ずい分ぶんと長ながいしちゃったかな? 」
セロフィート
「 未まだ2時じ間かんですけど? 」
マオ
「 もう21時じ前まえだよ。
明日あしたは月曜日アーサイかぁ。
もう4日か目めになるんだなぁ。
明明後日あさって水曜日ウーセスには≪ 街まちライナノット ≫とさよならかぁ… 」
セロフィート
「 出で来きると良よいですね 」
マオ
「 他ひ人と事ごとだな〜〜〜 」
セロフィート
「 他ひ人と事ごとですし 」
マオ
「 そうだけど… 」
オレはセロと一いっ緒しょに長なが居いした《 セロッタ・ベーカリー 》を出でる事ことにした。
一寸ちょっと名な残ごり惜おしい気きがするけど、何い時つ迄までも長なが居いする訳わけにもいかない。
セロと一いっ緒しょに《 セロッタ・ベーカリー 》を出でたオレは、《 宿やど屋や街がい 》を目め指ざして歩あるき出だした。
転てん移い魔ま法ほうマジックを使つかえば一いっ瞬しゅんで宿しゅつ泊はく室しつに着つけて便べん利りだけど、其それをしないのはソロと手てを繋つないで歩あるきたいからだ。
下した心ごころ駄だ々だ漏もれだけど、セロはオレの下した心ごころなんて知しったこっちゃないんだっちゃ。