宿屋の主人
「 まぁ、ね……。
どうしようもないんだよ。
手掛かりがあって、目撃者も沢山居るけど、捕まえられないんだ。
噂の殺人鬼は、象の被り物で顔を隠してるんだよ。
其にね、マントを靡かせて全裸で走り去る露出狂の様な変態イカれ野郎なんだ。
街民は誰だって、『 早く捕まえてほしい 』って思ってるよ。
素性の判らない全裸の変態殺人鬼なんかに街中をウロウロされたくないからね 」
マオ
「 ………………。
そだね…。
早く捕まえてほしいよね… 」
おぃおぃ、露出狂の変態って……、何なんだよ…。
犯人って、頭がおかしいのかな?
人を殺して全裸で逃走って……。
色んな意味で危ない奴かも……。
宿屋の主人
「 殺人鬼のターゲットじゃなくても、用心に越した事はないね。
坊やも夜は出歩かない方がいいよ。
変態殺人鬼のフルチン姿なんて見たくないだろ? 」
マオ
「 そ、そだね…。
なるべく出歩かない様に気を付けるよ。
でも…『 ターゲットじゃない 』って、どゆこと?
街民が襲われてるんだよね?? 」
宿屋の主人
「 襲われてるね。
1週間かん間かんに1回かい、奇き数すう日びに必かならず1人りは殺ころされてるよ 」
マオ
「 …………。
何なんで他た人にん事ごとっぽく言いうの?
怖こわくないの? 」
宿屋の主人
「 殺さつ人じん鬼きのターゲットは娼しょう婦ふなんだよ。
毎まい週しゅう1人り、何な処ぜか娼しょう婦ふが惨ざん殺さつされてるのさ。
半はん180年とし日きち間かん間かんずっと娼しょう婦ふばかりだよ。
娼しょう婦ふも街かい民みんには代かわりないが、娼しょう婦ふだからねぇ。
一いっ般ぱんの街かい民みんは意い外がいと危き機き感かんとか薄うすいんだよ。
事じ件けんが起おきても、『 昨日きのうは◯◯の娼しょう婦ふだったか 』って感かんじで、飽あきてる感かんはあるかもねぇ 」
マオ
「 ………………そうなんだ…。
慣なれた所せ為いで麻ま痺ひしちゃってるのかな? 」
宿屋の主人
「 どうだろうねぇ。
まぁ…兎とに角かく、露ろ出しゅつ狂きょうの変へん態たい殺さつ人じん鬼きには会あいたくないから、街かい民みんは夜よるの外がい出しゅつを控ひかえているんだよ。
夜よる、出で歩あるいてる奴やつが殺さつ人じん鬼きと鉢はち合あわせしても自じ業ごう自じ得とくだわな 」
マオ
「 ……………おっちゃん。
教おしえてくれて有あり難がとう 」
セロにも夜よるは外がい出しゅつしない様ように言いい聞きかせないとな!!
宿屋の主人
「 事じ件けんについて知しりたい事ことがあったら、聞ききにおいで。
知しってる事ことなら教おしえてあげれるからね 」
マオ
「 うん。
有あり難がとう! 」
宿屋の主人
「 あぁ…坊ぼうや、今こん夜やと明後日あさっての夜よるは出で歩あるかない方ほうがいいよ。
奇き数すう日びだからねぇ。
何ど処こかの娼しょう婦ふが犠ぎ牲せいになるだろうけどね 」
マオ
「 う、うん…… 」
心しん配ぱいしてくれたお宿やどっ屋やちのゃ主しゅん人じんに御お礼れいを言いったオレは、新しんライナノット聞ぶん・タイムズを持もって3階がいへ行いく為ために階かい段だんを上あがった。