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勿忘草に約束を  作者: 岡田夕遙
2/3

仲間

「!?」

 目の前には人とは程遠い姿をした何かが、心配そうにこちらを見ていた。

「...ごめんね、怖いよね。こんな変な奴が目の前にいたら...。キミ、僕が見えるの?」

 そう言って、人狼は私から離れた。この世にはないものを見ることができる私を恐れたのか、私を怖がらせないようにそうしたのか。どちらにしろ、私にはこの人狼が驚きだった。

「うん、見えるよ。昔からそういう眼をしてるの。あと、怖がってないよ、妖怪にこんなに心配されたのは初めてだから驚いただけ。」

「そうなんだ、けど人間になるね。キミが一人で喋ってるように見られちゃいけないから。」

 徐々に人狼の体はヒトに変わっていった。私と同じ中学生くらいの男の子だった。

「あなたは体を持っているのね。ほかのコたちはそういうのを嫌うんじゃない?」

「そうだね。この体のときはヒトから僕の姿が認識できるんだ。キミのような眼をもっていなくてもね。僕たちは一種のナカマかもしれないね。」

「どうして?」

「僕たちはお互いの世界でハブられものだから。」

「...そう、だね...。」

「あ、ごめん。落ち込ませるためにそう言ったんじゃないんだ。」

 私が表情を暗くすると彼はあたふたしてそう言った。

「どういうこと?」

「僕は、ようやく仲間ができてうれしいと思ったんだよ。」

「...。」

「キミの言うとおり僕は嫌われ者なんだ。家族からも、友達はいない。大人は誰も僕に話しかけようとしない。だから、僕は基本的にこの人間の姿で行動して人間を観察するんだ。そこで今日、キミを見つけた。」

「私を助けようとはしなかったの?」

「僕にはそんな力はないよ。それにあったとしても僕は人を傷つけたくない。」

「他人をいじめる悪人でも?」

 言葉に力が入った。やつあたりだとはわかってる。でも、何かいやだった。自分の無力さか、それとも彼の言葉に偽善を感じたからか...。

「それでも...僕にはできない。この世界でなにか起こしてしまったら僕の居場所は、無くなってしまうから。」

「そう、自分を守るためね...。」

「ごめん...。」

「いいのよ、私もそうしたと思う。自分を守ろうとするのは生き物として当たり前だもの。」

「ねえ。」

「何?」

 期待した目で彼は私に信じられない言葉を告げた。


「友達にならない?」

岡田です。

今回の作品とても薄い内容で終わらせてしまって申し訳ないです。

一日一回更新する、とは言ってもこの薄さはきついですね。

慣れてないから、という言い訳もしたいものですが

明日からはなるべく濃い内容で皆様を楽しませたいと思います。お楽しみに!

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