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プロローグ
ベランダに座り込み項垂れる一人の少女
「あー・・・今日もダメだった」
結愛はポツリと言葉を漏らした。
後ろをちらりと振り向けば厚いカーテン越しに漏れる光
なんだか虚しくなり目線を空へと移す。
母親が鬱病、パニック症、対人恐怖症となって数年
精神が安定しない母親にとって結愛は格好の餌食となった
そんなわけで、こんな状態は意外と慣れている
(こういう時はそっとしておくのが一番かな...)
頭で考えつつも、今の時期は秋だ。
熱中症の心配はなくともとりあえず寒い。
しかも今は夜だ。
だんだんと下がっていく体温にぶるりと体を震わせながら上着に入れていた携帯を取り出す。
(あ...24時過ぎてる...アイツ起きてるかな...)
電話帳をスクロールしながら目を走らせていく
5秒と経たない内に目当ての人物を見つけ電話を掛ける。
プルルルルルルッと電子音を聴きながら...
何かと世話を焼いてくれる人物が出てくれる事を祈る