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第32話 ニート、気づく

「え~と、ご紹介に預かりました楓です。

そこにいらっしゃる元ヤンの荒々しい人と違って、

私は普通なので仲良くしましょうね。

特技は料理と洗濯、等々家事全般は任せてちょうだい。そこの顔だけの子とは違って、

きっちりしているんだから。よろしくね!」

楓と呼ばれた彼女の自己紹介はさっきの梓に完全に敵意むき出しのものとなっていた。

節々で楓は梓を睨みつけ、それに対抗する睨みを返す梓。

二人の間にはまたしても火花が散っている。


(この2人、本当に怖いな・・・。なるべく関わらないようにしないと)


俺の心の中でこの2人は危険視することが決まった。

というか、この自己紹介が終わり次第、

すぐに帰らせていただこう。と密かに画策する。


そして2人の自己紹介が終わったということで、後は俺を含めて3人だった。


「はいはい!!!次は美咲が自己紹介するね♪」

美咲と自分の名前を自分で呼んだ少女は手を上げながらそう訴えてくる。

その仕草についつい可愛いと思ってしまう。

さっきまで不穏な空気が流れていたこの空間に一時の

癒しの風が吹いたようなそんな感覚を感じてしまう。


彼女はまるで学校で初めて自己紹介をする生徒かのように立ち上がった。

「燐凪小学校5年3組18番 波川美咲だよ♪

好きな食べ物は甘いもの全般好きで~、嫌いな食べ物はね~。

辛いものと苦いものだよ~。後ね。踊るの大好きなの♪

お姉ちゃん、これからよろしくね~」

美咲ちゃんは他の2人は違って苗字まで教えてくれた。

まあ、通っている学校のことは別に言わなくてもいいのではないかとは

思ったけど、おそらく小学校の自己紹介と同じ感じでしてくれたのだろう。

その可愛らしさが更に加わったその自己紹介を見た瞬間、

俺にあるはずのない母性が妙にくすぶられた感じだ。


だから無意識の行動だった。


パチパチパチパチ

俺は本当に無意識下で美咲ちゃんに拍手をしていた。


それに対して美咲ちゃんも機嫌をさらに良くしてくれたのか、

俺にまるで姉を見るかのような眼差しを送ってくる。

かと思えば、そのまま俺の膝の上に乗ってきた。


「え?美咲ちゃん?どうしたの?」

その突然の行動に困惑した俺はついつい尋ねてしまう。


しかし、美咲ちゃんはそんな俺の困惑している表情なんて

顧みずににこにことしていた。

(こんなかわいい子に膝に乗られて、

こんなかわいい笑顔を浮かべてもらえるのなら、もうどうでもいいかな)

そんな風に感じてしまうほどに美咲ちゃんは天真爛漫で、癒しを感じた。



「ははは、すっかり懐いてしまったようじゃないか。良かったな。美咲!

優しいお姉ちゃんが来てくれて・・・。」

俺と美咲ちゃんの様子を隣で見ていた青年は穏やかな表情を浮かべる。


(あれ?おかしいな・・・。お姉ちゃんと言われたら嫌なはずなのに、

全然嫌じゃない。どうしてだ?)


俺は自分の心に困惑した。


そして自己紹介もあと2人になった。

普通であれば、俺がする番なのかもしれない。

けれども下手なことを言ってしまえば、楓と梓に敵対視されかねない。

そもそも、まだ信用しきれていないこの状況で

素直な自己紹介を行ってもいいのだろうか。

色々な不安点が浮かび上がってきたためか、

俺は自分の自己紹介の始まりの言葉を一向に切り出せずにいた。


そんな俺の不安に気づいてくれたのか、

青年は一度俺の方を見ると、口を開いた。

「それじゃあ、次は俺が自己紹介をしようかな。俺の名前は神橋優李だ。

さっきは急ぎ過ぎて名乗りそびれてしまってすまなかったな。

こんな場所にいきなり連れてこられて怖くなってしまったかもしれないが、

安心してくれ。俺たちは君に危害を加えるつもりはない。

安心してこの家で住むといい。ここにいる楓、梓、美咲、それに・・・。

まあ、アイツらのことは今はいいか。全員が君と同じ理由でここにいる。

だから皆と仲良くしてくれと助かるな。

後はそうだな。俺のことは気兼ねなく頼ってくれ。」


青年は俺の手をぎゅっと握ってきた。

さっきまでの痛みを感じるような握手ではない、優しい握手だった。


しかし、それとは相反する想いが俺の中に生まれた。

(え?この目の前にいる3人もこの人に誘拐された被害者だったのか・・・。)


ごめんなさい<m(__)m>

今回の話、全然頭が回ってなくて(-_-;)


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