ニート、女子高に行く
宮地学園にたどり着いた俺を待っていたのは衝撃の連続だった。
俺は今まで共学で女子もいたものの、クラスメイトの5分の1程度だったものが
どこを見ても女子!女子!!
時折、男性が見えるものの、彼らは当然のことながら全員教師だった。
俺はこれまでの人生の中で女子とろくに話さなかったこともあり、少なからずの女性に対する苦手意識があったのだ。
さらには、これも当然のことながら男子トイレが見当たらない
辛うじて保健室へ向かうまでの間の職員室の隣にあったものの、そのほかにはない様だ。
俺はこんなところで大丈夫なのか。と不安でしかなかった。
保健室に近藤先生と共に入ると、先客がいたようで
「あ、先生!!ベット借りてま~す!ってあれれ?速見さんじゃん!!どしたの?体調悪いの~?」
その少女は近藤先生のそばにいる俺に気づいたようで、そう声をかけてきた。
しかし今までろくに女子と話したことのない俺にとっては、どう返せばいいのかもわからなかったのと、この速水留美という少女の性格を知らないことからただ頷くことしかできなかった。
するとそれを見た近藤先生は助け舟を出してくれた。
「なんでも速見さん、記憶が混迷しているみたいよ。だから少しの間休ませることになったの」
少女は納得してくれたようだった。
続けて、近藤先生はその少女に対して注意をするのだった。
「それよりも宮部さん!あなた昨日も保健室で寝てたでしょ!!ダメじゃない?きっちり授業受けなきゃ」
宮部さんと呼ばれた少女は悪びれることもなく、返答するのだった。
「え~、だってここ落ち着くんですもん!それに授業受けなくたって成績は取れますし~」
どうやら宮部さんはさぼっているだけのようだ。
そういえば、俺も高校の時はよくさぼってたなぁ。屋上で寝たりして・・・
昔のことを思い出そうとしていると、近藤先生に手を引かれてしまい、あえなく中断した。
そして宮部さんの寝ているベッドの隣まで、引っ張られていった。
「それじゃあ、少しの間寝ておきなさい。2時間目からは二人とも!!行きましょうね」
俺をベッドに寝かせた後、徐に二人ともという言葉を強調した後、そう言われた。
どうやら、俺は次の時間は宮部さんとともに教室に行かされるようだ。
内心焦りつつもこれがもし夢なら早く目覚めてくれと願いながら、言われた通り寝ようとした。