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第一章 〜 一

 人生は何が起こるか判らない。

 だからこそ愉しいと言う人もいるけれど、少なくとも市原いちはら正巳まさみにとっては楽しくも何ともない。

 知れるものなら知っておきたかったと、心の底から思う。

 もしもそれが判っていれば、あの日、正巳は学校になんか行かなかった。

 久々に有給を取って家にいた父親と他愛ない話をし、母親の作ってくれた朝食を取り、午後には父親の車で買い物に行っただろう。

「高二の男が両親と買い物か」と誰にからかわれても、変に思われても。

 自分は二人の傍を離れなかった。

 離れずに一緒にいれば、……きっと死ぬ時も一緒だったはずだから。






「正巳」

 不意に呼び掛けられて、怯えたように肩を震わせる正巳を、彼の伯母は悲しげに見つめる。

 父親に似て大きく育った彼の背丈は一七五以上あるはずなのに、今は以前最後に会った十歳頃の彼よりも小さく見えた。

 母親に似て笑顔の絶えない快活な性格、それを外見からでも感じさせた愛嬌ある顔立ちも、今では青白く影って見える。

 両親の遺影を前に佇む、そんな甥っ子の姿が、彼女にはどれほど痛ましく思えただろう。

「正巳、もう転校手続きだって終わっているんだし、無理に学校に行かなくてもいいのよ…?」

 制服に着替えて、春休みも含めれば一月以上振りに登校することにした彼を、伯母は心から案じていた。

 正巳の父親と、彼女の夫が兄弟という間柄、彼女と正巳の間には何のつながりもなかったけれど、子供のいない彼女達には唯一の甥っ子である正巳が実の子のように可愛かったのだ。

 両親と死に別れた正巳は、もうすぐ米国に渡り、彼女達夫婦の子供になる。

 家族で十三年間過ごしてきた家を捨て、国を捨て。

 新しい土地、新しい家族と、今までとはまったく異なる生活を始めるため――同時にそれは故郷へ“帰る”という意味を持つ。

 日系二世の父が、同じく日系三世の母と結婚したのが二十年前。正巳も四歳になるまでは米国に住んでいたのだ。

 十三年を経て、久々に生まれ育った故郷に帰る両親は、自分達が真っ白な骨になって帰るとは、きっと思ってもみなかっただろうし、正巳も自分がこの国を離れることになるなんて考えもしなかった。

 だから本当に離れてしまう前に、せめて一週間だけでも日本の高校生としての生活を送りたい。

 両親がいなくなった今の、日本での生活を記憶に留めておきたい。

 正巳のその願いを聞き入れて、今日までは彼女も日本に残っていた。

「…平気。学校に行くために残ったんだからさ」

 正巳は答えて、少しでも安心してもらおうというように微笑う。

「俺は大丈夫だよ。それより伯母さんは準備終わった? 今日だろ、アメリカ帰るの」

「えぇ…」

 意識的に作られたものだとは判っていたが、甥っ子の浮かべた笑みに応えるように、彼女もまた笑んでみせる。

「私の方も大丈夫よ。あとは時間が来たらタクシーを呼んで空港に行くだけ。…本当なら、正巳と一緒に最後までいてあげたかったけど」

「ううん。もう少し日本にいたいって我儘を言ったのは俺だし。それにいつまでも伯父さんを一人にしておいたら心配だろ?」

「そうなのよ。あの人、洗濯どころかお茶碗も洗えない人だから……」

 主人よりも、主人が一人でいる“家”の方が心配と苦笑交じりに言って、正巳の顔を見つめる。

 母親に似て少しだけ癖のある髪。

 丸くて大きな目と小作りな鼻も、よく笑う明るい人だった彼女にそっくりだ。

 陽の加減によって赤茶に見える髪は父親譲り。人を気遣う時に見せる穏やかな眼差し、困った時に少しだけ眉を寄せる仕草、そういった言動は、大柄な外見とは裏腹に、物腰の柔らかい、どこか気弱そうでもあった父親とよく似ている。

「正巳…」

 彼女達夫婦も心から愛していた正巳の両親。

 逝ってしまった二人にはもう二度と逢えないけれど、残された正巳を独りにすることだけは決してしないからと、彼女は亡き夫婦に誓った。

「正巳」

 大切な子の名をそっと呼び、肩を抱く。

「…伯父さんと二人で待っているわ。貴方が家に来るのを」

「うん」

「一週間なんて、あっという間よ」

「ん、分かってる」

 正巳は頷いた。

「また一週間後」

「ええ」

 互いに笑みを見合わせて、腕を解く。

「…じゃ、行ってきます」

 平気なふりをして告げられる言葉を、彼女はしっかりと受け止めた。

「行ってらっしゃい」

 ちゃんと帰ってくるのよ、と。

 故郷でまた会えるように。

 そんな思いを込めて告げられた言葉。






“行ってらっしゃい”


“行ってきます”






“ただいま”


“お帰りなさい”








 ―――そう言い合えるのが当たり前だと思っていた日々は、もう遠い。







 ◇◆◇







「…ほんと、人生どうなるかなんて判ンないよなぁ…」

 四月――新学期が始まって三日目に初めて進級後の教室に入った正巳は、窓側一列目、一番前の席に座って外の景色を眺めていた。

 その視線が何をとらえているのかは、おそらく本人にも判っていない。

 虹ヶ丘高等学校二年C組、市原正巳。

 大柄ではないが小柄でもなく。

 成績は良くもないが悪くもない。

 明朗快活、誰とでも巧く付き合っていける社交的な性格で友人関係は広く、大きな目が特徴の「まぁ…可愛い…、かな」と評される顔立ちには愛嬌がある。

 そういった人物像から、常に学級代表や班長等の役職を引き受けていた彼は、だがこの春には何の肩書きも持っていない。

 そればかりか、どこかやつれた観のある風貌を、その後方、前から二番目の席に座っている遠藤は複雑な感情の入り混じった目で見上げた。

 正巳のそれが独り言だろうと思いつつも話しかける。

「…市原、…その、大丈夫か…?」

 遠慮がちな同級生は、一年の時にも同じクラス。

 声を掛けられた事に少なからず驚きながらも、他の同級生よりは事情に詳しいだろう相手の心境を察して、正巳は「悪い」と苦笑いの表情になる。

「ごめん。俺、なんか変なこと言ってた?」

 独り言どころか、無意識の呟きだったようだ。それでも正巳の、両親が交通事故で他界したという事情を知る遠藤は首を振る。

「いや…。ただ、今日の五限の英語で小テストやるって話しだから、大丈夫かなと思ってさ」

「マジで?」

 登校初日からそれかよ、と情けない声を出す正巳の様子に、遠藤は内心で安堵した。

 もちろん何ともないはずがないけれど、それでもこうして接することが出来て良かったと思う。

「なぁ。テストの範囲って?」

「LESSEN1‐1の新出単語」

「1‐1って、このページ?」

「そう。下に出ている十七の単語の中から十個出すって」

「うわっ、マジかよ」

 今から教科書を開いても、昼休みは残り二十分程度。慌てて詰め込んだ知識がどこまで通用するかは疑問だが、正巳はとりあえず勉強するつもりらしい。

 だが。

「確か今年の英語も佐川だよな?」

 教科担任が去年と同じ佐川教諭かと尋ねられて、遠藤は頷く。

「じゃあまた、全問正解しなかったヤツは間違った単語を十回ずつ書いて提出?」

「たぶんな」

「げ〜っ、俺、絶対ヤバイじゃん」

 勉強するつもりで教科書を開いても、口が動きっぱなしでは集中出来るはずがない。

「あーー、でもいっか、俺どうせすぐにいなくなるしなぁ」

「……」

 だから話しかけても大丈夫だろうとは思いつつ、遠藤はやはり遠慮がちに声を掛けた。

「…市原さ」

「ん?」

「やっぱり、…転校するのか…?」

「?」

 唐突な問い掛けに丸い目で相手を見上げた正巳だったが、すぐに「あぁ」と納得する。

「そっか、色々あって全然話してなかったよな。…そう、転校するんだ。行き先はアメリカだぜ。伯父さんのところ」

「向こうの学校って始まるの九月だろ? それまでは?」

「語学学校に通うことになってる。春休み中に手続きもしてきた。…ったくなぁ、英語が一番の苦手なのに、語学学校に通ったからって喋れるようになンのかな」

 自嘲気味に言ってから、正巳は「でも何で知ってンの?」と続けた。

「担任が言った?」

「うん、まぁ…」と、遠藤は言葉を濁しながら返したが、おそらく噂になっているのだろうと察する。

 三学期も半ばに差し掛かった頃に突然起きた両親の事故死。

 それは実子である正巳にとっては、当然、衝撃的な出来事だったが、その内容は他人にとっても動揺を隠せないほど悲惨なものだったから。

「家の売却とか引越し準備とかあって時間掛かったけど、一週間後には向こう行く」

「一週間か」

「ん。遠藤には一年間、本当にお世話になりました」

 かしこまって言う正巳の表情も、それを受け止める遠藤の表情にも、浮かぶのは複雑な笑み。

「…向こう行っても元気でな…って、あと一週間は会うけど」

「あぁ」

「それに、向こうでは生傷が絶えない今の生活を改善出来るようにしろよ」

「なぁー」

 クックッと喉を鳴らして笑う正巳だが、去年も同級生だった遠藤には「笑い事じゃないだろ」と彼を叱る権利がある。

 というのも、正巳に何かある度、出席番号が前後していると言うだけで後ろの遠藤が保健室に付き添い、ノートを貸し、時には自宅までプリント等を届けに行っていたのである。

 しかもその頻度と程度が並ではない。

 今でこそ、しばらく休みが続いていたこともあって目立つ傷はなかったが、普通に生活していれば三日に一度は手当てが必要な傷を作る。注意力が欠けているのか、正巳はとにかく怪我をしやすいのだ。

「向こうにも遠藤みたいに世話好きな奴がいるとは限らないし、気を付けるよ」

「ホントにな」

 遠藤の切り返しに苦笑交じりに頷いて、正巳は席を立った。

「市原?」

「喉渇いたから、なんか飲むモン買って来るよ」

 小テストはもういい、と暗に告げて教室を出た。

 チラチラと自分を振り返る微妙な視線を感じながら、気にしていない素振りで廊下を歩く。

 教室でもそれは同じだが、自由に動き回れる分だけ廊下の方がまだマシだ。

「…はぁ」

 そんなに、両親が死んだばかりの奴が珍しいのだろうか。

 確かに普通の事故ではなかったけれど、それは正巳の責任ではない。

 正巳の両親が、普通ではないその事故に巻き込まれたのだ。

 …事故だった、と誰もが言った。

 目撃者は口を揃えて「市原夫妻の乗った車に対向車が衝突、瞬く間に炎上し、周囲の車七台を巻き込んで燃え盛った」と警察や報道陣に話したが、しかしその説明では誰一人納得させることが出来なかった。

 何故なら、時速百キロ以上の速度で市原夫妻の車に衝突したという対向車には運転手がいなかったのだから。

 路面は平坦なアスファルト。

 天気は良好。

 片側二車線の国道は平日の昼過ぎということで交通量は多くなく、無人の車が走行する説明などつかないが、かといって事件の証拠があるわけでもない。

 故に原因は不明のまま事故と断定され、一月以上経った現在も捜査に大した進展はないと聞く。

 重軽傷者二十一名、死者二名。

 遺体は殆ど原型を留めておらず、所持品や衣類、歯型、傷跡、…そういったもので身元を確認された二人の死者――市原夫妻は、その後、遺族の手によって自宅に帰り、遺骨となり。

 今日の午後の便で米国に飛ぶ義姉と一緒に十三年振りの母国へ帰る。

 そして一週間後の正巳の到着を待って、両親は故郷の海に散骨される。

 それが、世界旅行を夢見ていた二人の、望み絶たれた時の願いだったからだ。

「あの二人らしい発想だな」と、正巳を抱き寄せて呟いた伯父の潤んだ瞳や、伯母の涙。

 それを思い出すだけで、正巳は目頭が熱くなるのを自覚してしまい慌てて思考を切り替え、何か気を紛らわせるものはないかと周囲を見渡した。

 廊下の端に設えられた手摺の向こうは階下からの吹き抜けになっており、すぐ前方には下り階段。

 昼休み。

 しかも吹き抜けになった階下は学生食堂の正面につながっているから、そこには学年性別関係なく大勢の生徒達が行き来し、時には教師の姿も見掛けた。

「…そういえば俺、飯食ったっけ」

 ぼうっとしていて食べていない気がするが、身体は空腹を訴えず、何かを食べるという気にもなれない。

「…なんか食いたくなったら売店でパンでも買えばいっか」

 一人納得し、とりあえず何か飲む物をと足を踏み出しかけたが、ふと視界に入った人影に動きが止まる。

「…目立つ奴…」

 背丈が一八〇近い少年だった。

 薄藍のブレザーがここ虹ヶ丘高等学校の標準制服であり、その場の誰もが同じものを着ているはずなのに、その少年だけが違うものを身に付けているように見えた。

 校則に何とか許可される長めの髪は微かに赤みがかっていて、その奥の瞳には穏やかな光りがある。

 同性の正巳が見ても美形だと認めざるを得ない整った顔立ちは、テニスや乗馬、そういった高貴な印象のものが悉く似合いそうに思えた。

 ブレザーの襟に刺繍されたラインが深緋色ということは、彼は一年生。

 ちなみに二年の正巳の制服には紺碧色のライン、三年生には白色のラインが入っている。

 最も、あれだけ目立つ生徒が去年からいれば確実に話題に上っていただろうから、知らない時点で新入生だと判って良かったかもしれない。

 新学期が始まってから三日。

 つまり入学式から、たった三日だ。

 にも拘らず初々しさの欠片もない彼は、今後、あらゆる面で苦労するだろう。

 隣に並んでいる三人の女子生徒は、中学からの知り合いか、それとも一昨日からの知り合いか。いずれにせよ“彼狙い”なのは間違いなさそうだ。

「…ん?」

 その一方で、再度吸い寄せられるように目が行ったのは、やはり深緋色のラインが入った制服の少年だった。

 こちらは一七五前後の平均的な背丈だが、体格が並ではない。

 何か運動をやっているのだろう、制服の上からでも疑いようのない引き締まった体格は同性だからこそ憧れるものがある。

 髪は短く刈り揃えられ、意志の強さを形にしたような精悍な面立ち。周囲にいるのは男ばかりで、同じ目立つ存在でも、正巳としてはこちらに軍配を上げたいと思う。

 ただ、何事にも関心が無さそうで、口数も少ないような雰囲気が、初対面の人間には近寄り難く思えた。

「…」

 何となく今年の新入生は面白いのが揃っているような気がして、少しだけ羨ましいと思った。

 今の学年に不満があるわけじゃないし、もうすぐいなくなる身だ。

 どうこうしてほしいという希望もない。

 ただ、今の同級生は皆が自分のこと――両親の事故のことを知っているのが息苦しくて、ああいう連中ならどんな反応をするのか、そんな興味が湧いただけだ。

(…居辛いのを思い知りたくて、学校に来たんだけどさ……)

 胸中に呟かれた言葉にハッとして首を振る。

 そんなことは考えるなと自分を叱咤して時間を確かめた。

「…ぁあ、早く買って戻らなかったら五限が始まっちまう」

 そうして、ようやく足を動かした正巳は、だが注意力が散漫だったせいもあって一歩踏み出した途端に誰かとぶつかった。

「っ」

 互いの右肩を勢い良くぶつけてしまい、痛みに顔を顰めた正巳は、だがすぐに相手のことが心配になった。

「ごめん――、大丈夫だったか?」

 ブレザーのラインは深緋色。

 こいつも新入生だと確認して顔を見上げる。

 悔しいことに、相手の背は正巳より頭一つ高かった。

「ほんと悪い、前見てなかったから…」

「平気です」

 クス…と静かな笑いを交えた返答。

「先輩こそ大丈夫ですか?」

「あぁ。俺は全然…」

 そうして目に映った相手の笑みに言葉を失う。

「――? 先輩?」

 よく聞けば、その声も。

 陽に透けるような色素の薄い髪、切れ長の穏やかな眼差し。

 スッと通った鼻筋、薄い唇。

 どの部分を切り取っても小憎らしいほど絵になりそうな、まるで人形のように整った左右対称の面立ち。…だが正巳が絶句したのは文句の付け所など有り得ない完璧な風貌に対してではなかった。

「先輩?」

「…っ」

 静かな。

 低くも高くもない、印象的な甘い声。

 優しい音。

 優しい瞳、…柔らかな笑顔。

 ―――これは、誰。

「…どうしたんですか、先輩」

「っ、ぁ…」

 再度、声を掛けられて、我に返った正巳は途端に恥ずかしくなった。

 そんなことがあるはずはないのに、期待してしまった。

 ただ、似ているだけ。

 雰囲気が。

 自分を映す優しい瞳が、死んでしまった父親に似ているだけだ。

 なのに、それで新入生に見惚れてしまうなど何て恥ずかしいことをしてしまったのか。

「ご、ごめん、何でもないんだ…」

 言い訳にもならない台詞で、一秒でも早くこの場を逃げ出したくて相手の脇をすり抜けようとした足が、慌てたせいで平衡をなくす。

「っ!」

 ここは下り階段の手前。

 彼は、学生食堂の自動販売機に行こうとしていたのだ。

 手摺に捕まろうとして、しかし手は空を掴むだけ。

「先輩!」

 甘い声に切羽詰った響き。

 これもいつもの不運だろうか。

 今度こそ死ぬかな、とまるで他人事のように考える自分がいた。

 その時、意識せず視界を過ぎった驚きの顔が、似ても似つかないはずなのに、やはり懐かしく思えた。

 ――と、不意に手が掴んだのは階段の手摺だろうか。

 …それにしては柔らかいし、温かい。



  ――――…………



 遠くで誰かが叫んだ気がしたけれど、正巳の耳はそれを受け入れ切れない。

「先輩!」

 最後の最後まで彼の五感が捕らえていたのは、その声と、その顔。

 肺や胃が圧迫されるような衝撃。





 意識が朦朧とする中で、重力に逆らえず落ちていった身体は、床に激突するという衝撃が意外と苦痛ではないのだと学ぶ。

 妙に温かくて、気持ちが良くて。

 それともこれが天国だろうか。

 だったら、父さん、母さん。

 俺、二人のいる家にまた帰れるのかな…。






 そんなことを考えながら、正巳の意識は遠のいた。







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