#4-7 忍び寄るいつかの影
「な、なんだ、僕は今何を……!?」
「あれが噂の特異生物です。本当にいたでしょう?」
「やっぱり真実だったんだ。兄さんは間違ってなかった、本当に、特異生物に変身する人間は存在したんだ!」
「静かに。バレますよ」
あぁちくしょう!音無しカメラを忘れてしまった!急にタレコミが入ったから忘れてしまったのだ!なんて凡ミス酷いケアレスミス、記者としてこれ以上悔しいことはない…
「彼らは特異生物の力を使い、破壊行動を繰り返しています。以前の団地崩壊事件の時も、彼らの仕業なんです」
「なんてことだ……!特異生物が組織的に人間を殺すっていうのか!あの車、きっと他の協力者もいるはず。全てをを暴いて、真実を広めないと!」
「……すぐに報道はしないのですか?」
「真実を掴んでからです。すべてを掴まない限りは、『truth』には載せられません」
「なるほど、岸谷さんは慎重なのですね」
期待はずれだ、と言いたげにため息をつかれる。確かにこんなスクープ、すぐに発表したい!けど真実は慎重に見極めなければならないのだ!
「しかし、こんなすごい情報はどこから?」
「私も知ったのは最近です。前の銀行前公園の爆破事件のときに見たのです」
「そうなんですね。よければ、これからも情報をいただけるとありがたいです!」
「えぇ、もちろん。よろしくお願いします。岸谷さん」
「はい!あ、あ……えーと、お名前が……」
やばいやばい!メモした紙どこやったっけ!?ポケットやカバンの中をゴソゴソと漁っても関係のない切り抜き記事や新聞が出てくるばかりだ。どうしよう!機嫌を損ねてしまう!
クスクスと笑う女性。揺れる腰まで伸びた艶のある黒髪、緑の綺麗なワンピース、そして大きな瞳が特徴的な美しい顔立ちの笑顔の全てがドキッとさせる。笑ってるし、なんとかなりそう……?へへ、と笑うと女性は優しく教えてくれる
「私、橘 光莉と申します。お見知りおきを」




