#4-5 futureじゃなくて、feature
「なるほどねぇ。司令が下って、車でポイントまで移動して、敵を見つけて倒すって流れなのね」
「そうそう。で、変身は周りに人がいないこと確認してからが絶対。変身するところ見られるのだけはダメだからね」
「チェンジマイフューチャー!ってね。かっこいいよね」
「フューチャーじゃなくて、フィーチャー。未来じゃなくて姿だよ変えてんのは」
23時過ぎ。ポイント現着。
わかってるよ!と海美ちゃんの声が響くいつもよりにぎやかな到着だ。まぁ、楽しそうだからいいんだけど。
「そろそろ集中するよ。雑魚とはいえ、舐めてかかれば危ないから」
「すみません」「ごめんなさい」
今回通報があったのは人気のない森の中。前からよく通報のあった敵と同じだ。というか、最近話の通じる特異生物が多いがそっちの方が異質なんだ。今まで意思疎通ができるような特異生物はいなかったし。
「さて……ご登場だね」
「え、何も見えないけど」
「龍斗さんは視界が悪くとも熱で分かるんだよ。蛇の変異が入ってるから」
「へぇ……?」
遠くの闇から少しずつ見えてくる。多分優也は音がすでに聞こえているだろう。量によっちゃすぐに変身が必要になる
「……多いね」
「近づいてきたら変身しましょう。変身の衝撃で何体か持っていければベストですから」
「えあの、結局何がいるの?あんまよく見えないけど??」
まだ全容が見えていない海美ちゃん。夜の雰囲気もあってか怖がっているようだ。先に伝えておかないとびっくりしちゃうよね。
「落ち着いて聞いてね。今から出てくるのは」
「ひっ!?」
「あ」
雲が晴れたのか月明かりで少し明るくなる。そして、こちらへ迫る奴らの姿が見える。
ニョキニョキと伸びる植物の茎が体となり、そこからいくつか鋭い突起が隙間から生えている。腕は茎が鞭のようにうねり、足は鷹のような鉤爪がある。顔に目はなく大きな口だけがあり、その中には細かく鋭い棘がいくつも見えていて噛まれたらひとたまりもないだろうり
かろうじて二足歩行のものもあれば、四足歩行、八足……まぁ数え切れたもんじゃない。
「植物が歩いてる……!?」
「奴らはオルガーと呼ばれる植物の特異生物。植物があるところに発生することが多くて、一体一体は強くないけど大量に発生するってとこがポイントかな。最近の知能を持ったやつの前はこれの対処がほとんどだったんだよ」
「全部焼こうとするとこの辺り一帯を焼くことになるし、やっても結局キリがない。今目の前にいる奴らの殲滅だけでいい」
「りょ、了解!」
「よーし、サクッと終わらせて帰ろう!」
オルガーが10mないところまでガサガサと勢いよく襲いかかってくると同時にシリンジを取り出して、ボタンを押して形成されたミューテーターのソケットへと嵌め込んでソケットをカチッとなるまで閉じる。
Flame!Ready for injection!
Storm!Ready for injection!
Spark!Ready for injection!
インジケーターがそれぞれの色に光る腕輪のついた左腕を高く掲げ、前へから体の右側後ろまで円を描くように大きく回し、そのまま半身を捻った勢いで拳を握った左腕を前へ突き出す。左手首の腕輪にあるプランジャーに右手をかけ、
「「「change my feature!!」」」
一気にプランジャーを押し込んで、左腕を外側へ一振りすれば辺りに雷を纏った熱風が吹き荒れる!!
Genes are promoted!
数瞬の後、開けた視界の先にはこちらを警戒するオルガー達がギュルギュルと唸っている。
「フレイム、変身完了」
「ストーム、変身かんりょーう!」
「スパーク、変身完了!」
「SCR、戦闘を開始します」
その瞬間フレイムは拳に熱を込めてオルガーへと突っ込み、一気に蹴散らしていく。驚きつつ遅れてスパークも次々と噛み付いて行く。じゃ俺もやりますか!
空へ高く飛び上がり回転して生み出した風で巻き込んだあたりの砂利や石礫をオルガー達にぶつけめちゃくちゃに切り付けて行く。そのまま滑空して上から爪と足で切り裂きながら着地し、周囲をまわし蹴りで一掃して辺りに暴風を巻き起こす。その暴風で出来た小さな竜巻で巻き上げ地面へと叩きつければいっちょ上がり!
すると隣にフレイムがやってきた
「ストーム!風ください!」
「はいよ!」
フレイムの呼びかけに土埃をあげながら前方へ風を起こす。フレイムはその風を追い風にして拳を突き出し……って、あれ?
「燃えろ!」
「まじ!?」
フレイムの熱が土埃に伝わり燃え、連鎖して風は一瞬で炎を纏いファイヤートルネード!オルガー達は悲鳴をあげながら燃えていき、チリすら残さない。
「さては前ので味をしめたな?」
「使えるもんは使う主義なんで」
「え、すごい!私も私も!りゅ…………じゃなくて、ストーム!風ちょーだい!」
「おっけー!やってみよう!」
違う方向へ同じように風を前方へと起こす。海美ちゃんが風の中へ飛び込み、体に溜まった電気を一気に放出する。すると土埃へと通電していき風を中心にあたりのオルガー達を感電させ黒焦げにしていった
「やったー!大成功!」
「……喜ぶには早い。まだいるぞ」
「え」
わらわらと俺たちを囲うオルガー達。今回はやけに多いな!それに通常のオルガーよりも大きな体の進化系の個体、オルガネルまでいる。うわっ!?
「あっぶな」
頬の真横をオルガネルの投げた針が掠めた。長期戦はだるいな。そう考えていると優也が呟く。
「……やってみるか」
「私も多分、同じこと思ってる!」
「ん?」
2人がアイコンタクトで意思疎通している。なんだか戦闘に関しちゃ相性バッチリだな。でも若い2人だけで通じ合われるとちょっと悲しいけどね!!
「ストーム!でかい竜巻お願いします!」
「え、おい。大怪我するんじゃないの?」
「そのへんは任せます」
「まじ……?」
「ストーム!ほら早く早く!」
「あーもー!!なんとかなれ!!」
グルングルンと高速に回転して大きな竜巻を起こす。それにはオルガー達はもちろんフレイムもスパークも巻き込んでる。どうする。どうする?2人を傷つけないように、傷つけないように……そうだ!
起こした竜巻を手から離し、竜巻の中の2人へ竜巻の風とは逆方向に──緩衝するような新たに風を送る。2人をそれぞれ風が囲い、2人に勢いよくぶつかる土や石や枝から守る
「やった、出来た!」
「ありがとうございます!スパーク、行くぞ!!」
「任せて!」
2人が竜巻の中で背中合わせになり、フレイムが腕に小さなシリンジを突き立てる
Burn up the mutation!
「──ファイナルフレイムアタック」
フレイムの体が炎に包まれて行く。するとスパークが私も私も!と叫ぶ。な、何だ!?
「噛みつけ運命!シャークガールスパーク!」
フレイムの熱が全てを発火させ、竜巻が炎を纏い焼き尽くすのと同時に巨大な電撃──まさに天から降り注ぐ雷がオルガー達をめちゃくちゃに貫いていく!オルガー達は感電し黒焦げになっていった。なんて力だよ!
「……っはは、やっぱ最高だよ、海美ちゃん!」
竜巻が晴れ、静寂が訪れる。インカムから殲滅完了の知らせが入ってきて撤収の指示が入った。任務は終わりだ。時間を見ると夜中の1時すぎ。あ、そうだ、
「フレイム!スパーク!無事?」
フレイムはそのまま着地して、スパークは風に守られながらゆっくりと着地する
「ええ、大丈夫です。でもまさかこんなに上手くいくとは」
「何とかなった!はーー緊張した、でも結構私才能あるかも?」
「ほんと、2人とも相性バッチリ!最高だったね。じゃ、迎えが来てるからそっち行こうか」
「……相性バッチリ。うん。そうだよね!」




