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#15-1 消えないトラウマ
あの時、もっと素直になれたなら。
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#15 Before the flame
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タクシーから飛び降りた。
走って、走って、走って。
連絡に気づいてから1時間。時刻は午前2時すぎ。
なんで気づかなかった馬鹿者。でもそんな後悔は今はどうでもいいから。
連絡のあった病院に駆け込んだ。すぐに話が通って、案内されるがままについていく。
「こちらです。」
「あ………………」
「午前1時32分、死亡を確認しました」
「あぁ……ぁぁああ……!!!」
案内された部屋は寒かった。ベッドに寝かされている彼女は何も言わなかった。事故は凄惨なもので、ガソリンに引火して爆発を起こしたと聞いた。彼女の顔は煤で汚れている。
間に合わなかった。
「とー、さん?」
めちゃくちゃになった感情を叫びだしかけたその時、後ろから声がかかる。
振り返れば、見覚えのない服に身を包んだ息子がいた。彼女よりはマシだが顔が煤で汚れてしまっている。感情が抜け落ちてしまったような表情で、虚ろな目に一切の光がない。
あぁ、そうか。
ふらふらとした覚束ない足取りで近づいて、徐に抱きしめる。あまりに冷え切った体で、人形を抱きしめているかのように何も反応はなかった。
そうか。優也はずっと、ここに独りで。




