第三章39:あなたたちは絶対にダメ
〈詩钦視点〉
あの夜から一晩が過ぎ、私は寝床のそばでずっと考え事をしていた……
決して夜更かしが好きなわけじゃない!
どうすれば宗門の人々を説得できるのか――
四日後に訪れる災厄について……
すなわち、天意の流れに従った天道が――
この名もなき没落宗門を滅ぼすという未来……
(天道とは天意の化身。実力不明、行動はすべて天意に従い、時折人間に姿を変え「死の予言」を与える存在)
「一体何が理由で……」
「何の目的があって……どうしてこの宗門を滅ぼす必要があるの……?」
「まさか……この宗門が存続してしまえば、天意の流れが狂ってしまうの?」
そんなことを考えていると、帳の外で突然雷鳴が轟いた!
稲光、豪雨が一気に押し寄せる!
「急すぎ……」
私は雨に打たれる小さな草を見つめ……
あの日の思い出に心が揺れた……
「私たちは仲間になったのに、一緒に自由に江湖を旅すると約束したのに……」
「なのにあなたは、あの一瞬で……」
……
終わってしまった……
幕を閉じた……
早すぎるよね……?
この宗門はまるで雨の中の草のように、
激しい雨に打たれても、
何度踏みにじられても、
それでも真っ直ぐ立ち上がってきたのに……
あなたは復讐のために、
天意に屈しないとあれほどまでに語っていたのに……
宗門が壊れ、師もいなくなり、家族も失い……
その責任が一気に肩から降りたから……
その変化に心がついていけなかったの?
だからあんなにも深い後悔が生まれたの?
……
私には、彼女が未来で後悔することが分かっている。
今、時間があるなら……
私は……
もう考えている場合じゃない!
私がするべきことは――
行動すること!
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〈離視点〉
その頃、長老たちは嵐の夜に一堂に会していた……
離もまた婆婆に連れられ、その場にいた……
離:「婆婆……こんな遅くに……なんでまだ起きてるの?」
婆婆:「長老たちは大事な話をするのさ……あなたも聞いておきなさい……」
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〈詩钦視点〉
およそ十数分後、私はようやく風雨をしのげる笠を見つけ、
何かに導かれるように帳を出た……
この時間は、長老たちが護宗陣を維持し始める直前のはず……
一度維持に入れば、
中断できず、体に負担がかかり、身動きも難しくなる……
でも……
私は知っている……
この陣は天道によって一瞬で破られる……
むしろ陣を維持したせいで長老たちは反動を受け、
弟子たちを守る余力すら奪われる……
その結果、宗門が壊滅するのだ……
ただの推測かもしれない……
でも確信している、
私は長老たちが自発的に陣を維持する前に止めなくては!!!
これこそが宗門を守る第一歩!
そして最も大事な一歩!
……
そんなことを考えながら、私は離の帳へ向かった……
彼女には多少なりとも親しみがあるし、
まず離に今の状況を説明するのが得策だと思った……
でも……
帳は開いていて……
中には誰もいなかった……
「こんな雨の中、しかもこんな夜に……」
「どこへ行ったの……?」
考えた末……
私は一つの可能性に辿り着いた。
「まさか……」
「会議に?」
「長老たちが護宗陣を維持するなら、事前に会議は当然……」
「でも、前世の四日間では会議の話なんて一切聞かなかった……」
「ってことは……夜に、しかもこんな嵐の中で開かれた会議なのか……」
「……他の長老たちの帳も調べてみよう……」
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〈五分後〉
長老の帳をいくつか見て回ったが、中には入らず……
けれど中は静まり返り、気の気配もなかった……
つまり……
彼らは確実に会議中!
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〈離視点〉
その場では長老たちが激しく議論していた……
大長老:「こんなに急ぐ必要はない!護宗陣を今から維持するのは時期尚早だ!」
三長老:「でももう崩れかけてるじゃないか!破られたら、弟子たちは夜を越せないぞ!?」
二長老:「そうだ。しかも一度破られたら再構築は不可能……宗主だってもういないんだぞ!」
婆婆(四長老):「でも……最低でも、子供たちを守るために誰かを配置するべきよ……」
二長老:「たった五人の長老でどうやって!?陣の維持だけでもギリギリなのに!」
大長老:「だからこそ焦りすぎるなと言ってる!今はまだ……」
婆婆:「……実際はもう、かなり深刻よ……」
二長老:「何が“まだ大丈夫”だ!外を見たか!?陣の亀裂は半円を覆い尽くしてるぞ!」
大長老:「……」
三長老:「四長老の言う通り、誰かを残すべきだと思う。人手は少なくても、問題は時間だけ……」
二長老:「その“時間だけ”が命取りなんだよ!私たちは――」
その時、離が小さく呟いた。「五長老は会議に来ないの?」
それを、理屈っぽい二長老が聞き逃すわけがなかった!
二長老:「じゃあ、弟子の守りは五長老にやらせろよ!あいつ、どうせ座って陣を維持するのなんて無理だろ!」
大長老:「本気か?あいつは狂ってる!指示も聞かないし、頼れるような奴じゃない!」
――その時、水たまりを踏む足音が帳の外から響いた……
長老たちが一斉に顔を向けると……
現れたのは、詩钦だった!
離:「えっ、なんで彼女が?」
「皆さん……突然ですが……」
「あなたたちは、絶対に護宗陣を維持してはいけません!!」




