表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
筆置き、またゆっくり歩みを進めて?私は信じてるよ……(話數版)  作者: 小説が書けない初心者
第二章-雪麟と出会う

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/88

第二章17:今であろうとも

  ちょうどダンジョンの転送門を踏み入れたその瞬間、目の前の世界がまた変わった!


  そして暗くて狭いダンジョンの中へと変わった!


  雪鱗はすでにそこに待っていたが、章延の姿はどこにも見えなかった……


  ……


  こうして、私たちは二人きりで、長い長い間歩き続けた。


  だが周囲の景色は終始変わることなく、特に目立ったものもなく、ずっと終わりの見えない石灰の地面と石レンガの壁が続いていた。


  そんな時、私の手が不意に突き出た石レンガを押し込んでしまい……


  『ギィィ!』


  奥深くから機械音が響いた……


  雪鱗と私は顔を見合わせ……


  「えへへ……わ、わざとじゃないんだけど……信じてくれる?」


  雪鱗:「大丈夫、先へ進もう。」


  その後、私たちは再び未知の前方へ歩みを進めた……


  すると目の前の道には、なんと両側に鏡が並んでいた!


  その中に立つと、まるで回廊に迷い込んだかのように、両側には無数の自分が映っていた……


  『きゃっ!!!』


  声に反応して私は振り返ると、雪鱗が鏡を見つめ、恐怖に顔を歪めていた!


  *彼女がこんなに怯えるなんて、いったい何が……?*


  そう思いながら、急いで彼女の元へ駆け寄った。


  彼女の前にある鏡に映っていたのは、やはり雪鱗自身……特に異常はないように見える?


  じゃあ彼女は何を怖がっているの?


  雪鱗:「行こう…早くここを離れよう……何かがおかしい……」


  「えっ…う、うん!」


  そして私たちがまだその場を離れきらないうちに、背後の鏡すべてに邪悪な影が映り込んだ!


  次の瞬間、それらの姿は一斉に消え失せた。


  それを見て、私たちはただ再び前へ進むしかなかった。


  ……


  しかし誰が想像しただろう!


  次の瞬間、私たちの足元が突然大きく崩れ落ちた!


  そのまま、完全に不意を突かれて落下してしまった!!!


  ••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••


  気がつくと……


  私はすでに広大な広場にいた。


  周囲には誰もいない、雪鱗の姿も見えなかった。


  だが広場の中央、目の前に現れたその魔物に、私はもう落ち着いて仲間を探す余裕など失ってしまった!


  *なんて大きな魔物!*


  その魔物の首には花びらのような毛が生えていた。


  そしてその牙は異常なほど鋭く見える!


  体格は巨大なライオンのよう。


  だが今は眠っていた……


  *絶対にこの花びらライオンを起こしてはダメ!*


  そう思い、私はその場に静かに座り込み、出口の手がかりを目で探し続けた……


  *くっそ…ここ、出口なんて無いじゃん!*


  出口が見つからないなら、生き延びる手段でも探すか?


  だが予想通り、得られた答えは「無い」。


  周囲には何もなく、私の持ち物といえば初心者用の鉄の剣だけ……


  これでどうやって生き残れっていうの?


  『グォオオオオ!!!!!!!!』


  突然、花びらライオンが目を覚ました!


  *終わった……!*


  奴は勢いよく跳ね起き、私の方へと爪を振り下ろしてきた!


  だが私は細身だったおかげで、素早く身をひねってこの攻撃をかわすことができた!


  だが一息つく間もなく、花びらライオンは大きな咆哮を上げた!


  その耳をつんざくような叫び声に、私は耳鳴りを起こし!


  頭がガンガンして、視界がぼやけて集中できない!


  そのまま奴の次なる攻撃が襲いかかる!


  私は広場の反対側まで吹き飛ばされ!


  石の壁に叩きつけられて、口から血を吐いた!


  …でも……私…のHPは……まだ…凡人より……ずっと……高い……


  …意識が……だんだん……薄れて……


  ……息が……できない……


  『グォオオ!!!』


  花びらライオンの再びの咆哮が、私を無理やり意識へ引き戻した!


  *今気絶したら、確実に死ぬ!*


  反応する間もなく、花びらライオンが口からビームを吐き出した!


  私は恐怖で思わず頭を低くした!


  そしてそのビームは、私の頭の上をかすめただけで、一切のダメージはなかった。


  次の瞬間、背後の石壁が崩れ落ちた!


  そして私の足を押し潰した!


  「痛い!動けない!」


  この危機的な瞬間、花びらライオンは再びビームのチャージを始めた------


  「終わった……もうだめだ……」


  絶望の中、私はそっと目を閉じ、死を受け入れようとした……


  『そんなに急がないでよ〜』


  『どうしてそんなに簡単に目を閉じちゃうの?』


  『君は、自分が無能じゃないって証明しなきゃいけないんじゃなかったの?』


  ******************************


  〈雪鱗視点〉


  今の雪鱗には、かつてのような余裕の表情はなかった。


  代わりに浮かんでいたのは、恐怖に満ちた顔と、震える体……


  彼女の目の前に立つ男は、ただ静かに笑った……


  雪鱗:「お、兄さん……」


  男は答えず、手を上げ、そして雪鱗と同じ長さの大太刀を召喚した!!!


  「兄」:「妹よ……やはり……この太刀を使っていたんだな……」


  その言葉に、雪鱗は恐怖に駆られ後ずさった……


  雪鱗:「……」


  「兄」は自分の手をじっと見つめた。


  「兄」:「妹よ、ここはどこだ?」


  雪鱗:「……ダンジョン……」


  「兄」:「ダンジョン、か……」


  「兄」:「では妹よ――」


  その言葉を聞いた瞬間、雪鱗の表情は再び恐怖に染まった!


  雪鱗:「やだ、やだ、やめて――!」


  「兄」:「あの時と同じように……」


  雪鱗:「イヤ、やだああああ!」


  『ドゴゴゴゴン!』


  頭上から大きな音が響いた。


  「兄」:「ふむ……上では誰かが戦っているようだな……君の仲間か?」


  雪鱗:「詩欽……」


  「兄」は両腕を広げ、大太刀を投げ捨てた:「妹よ、殺して――」


  雪鱗:「やだ!やめて、お願い!」


  妹のそんな姿を見て……


  「兄」は深くため息をついた……


  そして、地面を強く踏みしめ、大太刀を空中でキャッチした!


  「兄」:「妹よ、もうどれくらい経った?」


  雪鱗:「九年……」


  「兄」:「では修行を怠ってはいないか?」


  雪鱗:「……」


  「兄」は太刀を握りしめた:「ならば……妹よ、この九年間の成長、見せてみろ?」


  雪鱗:「イヤ!兄さん、あなたは――」


  雪鱗が拒絶する間もなく、「兄」の刃は彼女の眉間に迫っていた!


  「兄」:「今は訓練だ。」


  雪鱗は慌てて避けた:「兄さんの嘘つき!」


  刀気は石の壁を激しく切り裂いた!


  空気が緊迫する中、雪鱗も太刀を抜いた……


  雪鱗:「兄さん……」


  「兄」:「次は全力で行くぞ、しっかり受け止めろ……」


  雪鱗:「イヤだ……」


  「兄」:「終わらせるんだ、俺を……それこそがお前のなすべきことだ……九年前も…今も……」


  「兄」:「わかったか……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ