不幸
掲載日:2023/01/12
男は勤勉だった
やりたいことをグッとこらえて、
やるべきことに焦点をあてる。
これが終わったら、
やりたかったことをやるんだ。という心意気。
学生時代はよかった。
男にも、純粋に物事を楽しむ余裕があった。
だが、社会に出た後の男は、不幸だった。
不幸中の幸いか、男はそのことに気付いていない。
男は日々の労働に忙殺されている。
休日も、常に頭の片隅に仕事がちらつく。
無意識のうちに、小さな労働を積み重ねている。
男「これが終わったら、前々からやりたかったあれをやろう。」
残念ながら、終わりはそう簡単にはやってこなかった。
――――――
男「終わりなど永遠にやってこない。この歳になってから気付くとは...」
労働には際限がない。
やるべきことは、いくらでも降って湧いてくる。
男は常にやるべきことに追われていた。
原動力は分からない。虚栄心なのか、はたまた、自己満足なのか。
当時の男は次第に効率化に着目するようになってしまっていた。
不幸への入り口とも知らずに――。




