昔は大きくなったらお兄ちゃんと結婚すると言っていた義妹が…俺にだけ当たりがきついのだが?
「クソ兄貴、起きろ」
「グフッ………義妹よ、お兄ちゃんを蹴るのは良しなさいってあれほど」
「説教する暇あったら、起きたら? 私部活あるから先行く」
はぁ〜、いつからこんなに兄妹がギクシャクするようになったんだ?
俺はため息をしながらベッドから起き上がるのであった。
「はあ〜〜〜〜〜〜」
「相変わらず、長っいため息だね。達也」
「なあなあ、聞いてくれよ〜、美穂ー」
「はいはい、聞いたあげるからそんなに迫って来るな? 良いね?」
「あい…」
「で、いつものことか?」
「はい、そうです……….…義妹が、義妹が、義妹が!! あんなに昔は俺に対してベタベタしていた義妹が!! 何で!? あんなに冷たくなったんだ!? うわぁぁあぁあああぁぁんー!!」
「暑苦しいし!! うるさいよ!!」
義妹が大大大好きな主人公を構ってくれる優しい女友達。
「はぁ〜、義妹さんとは昔何かきっかけになることでも有ったんじゃないの?」
「………それが、、、全く思い当たる節が無くてーーー」
「だめじゃん!!」
「全く、義妹のことになるとほんとダメダメになるよね。達也?」
「うーーー」
「一緒に考えてあげるから、良いね?」
「わぁああぁあん!! 心の友ーー!!」
「汚ったな!! 今のままでこっちに迫ってきたら絶交だからな!!」
「う、う、うん」
ダメダメな達也を構う美穂さん。
涙と鼻水で顔面すごいことになっとるよ。
「ど、ど、ど、どうしよう〜? 美穂〜」
「はぁ〜…………じゃあさ、考え方を変えて最近の義妹さんの口癖とか、よく話す内容を思い返して見たら何か掴めるかもしれないよ?」
「あっ!! そうか、美穂〜頭いい!!」
頭がいい美穂がすかさずヒントを出した。
「…………で、何か思い出した?」
「うーーーーん、………あっ!! そういえばあの女がいるせいでクソ兄貴が!! とか言ってた気がする……」
「あの女? 達也彼女いるの?」
「え? いないよ? だって僕は義妹一筋だからね!!」
「………まあ、そうだよな」
「じゃあ、誰が? ……………はっ!! おい達也!! 私のこと何て義妹さんに紹介したんだ!?」
「え? ずっと永遠に共に入れる女性(友達)って紹介したけど?」
(友達)って!?
全く大変なことを言ったよね、達也。
「それだーーーーー!!」
「それってどれ?」
「ボケるのも大概にしなさい!! 達也!! アンタ私を何て紹介したか!! もう一回頭ら言ってみなさい!!」
「え? 何で?」
「つべこべ言わず早く!!」
「……………ずっと永遠に共に入れる女性(友達)」
「達也………アンタこれを自分で言った時に、違和感感じなかった?」
「違和感? …………いやとくには?」
「はぁ〜。達也さ、(友達)が有っても無くても今の説明だと私はアンタの彼女ってことになるのよ!?」
「え、え、えーーーー!!」
いやさ、ていへんだ。
美穂さんが達也の彼女? 笑える。
「つまり、アンタが私のことを紛らわしい言い方で紹介したことが発端になって今、義妹さんは私のことを彼女だと勘違いしてるのよ!! わかった? 返事は?」
「は、はい!!」
「それじゃあ、義妹さんに説明しに行くよ!! いや〜、だって……」
「つべこべ言わず早く!!」
「はっ、はい!!」
達也が美穂さんに素直に従っただと!?
「梨花、、、話があるんだけど……」
「なに? 私はないかな早く退いてくれない? クソ兄貴?」
「………いや、だ、、から」
「しつこい!! クソ兄貴!!」
「義妹さん、少し待ってくれるかな?」
梨花と達也が掛け合う最中、美穂さん登場!!
「アンタは!? クソ兄貴の!!」
「そう、少しで良いから聞いてもらえないかな? 義妹さん」
「………はぁ〜、わかったわよ………それでどうしたっての?」
「義妹さんは大きな勘違いをしてるのよ」
「勘違い? 一体なんの?」
美穂さんと梨花さんの掛け合い。
竜也は蚊帳の外だ!!
「それはね…」
「義妹よ、大好きない……」
「私が話をしている時に!! 土足で入ってくるなー!!」
「グフっ!!」
「美穂よ、肘鉄の腕を上げたな……」
「はぁ〜、アンタが説明しようとしたらややこしくなるから黙ってなさい!! 良いわね?」
「いや、だって……」
「返事は?」
「は、はい!!」
「義妹さん、ごめんねー。話の途中で」
「良いですよ、クソ兄貴は通常運転だから」
通常運転だと!?
達也は我慢出来ずに会話に参加したと思ったら即退場!?
美穂さん強いね〜。
「それでね、たしか義妹さんに私のことをこのバカがずっと永遠に共に入れる女性(友達)って伝えたと思うけど、有ってるかしら?」
「はい、そうです」
「それを聞いて義妹さんはどう思った?」
「クソ兄貴にか、か、彼女が出来たと思いました」
「そうよねー、そう思うのが普通だよね。でも私コイツの彼女じゃないのよ? ただの女友達なのよ」
「は、は………はーーーーー!?」
美穂さんから告げられた衝撃の真実に、梨花さんビックリ!!
「そりゃ驚くわよね。このバカが勘違いすることを言うせいで今があるんだからねー」
「つ、つ、つまりクソ兄貴にか、彼女はいないってことですかーーーー!?」
「うん、そう言うこと。後は兄妹2人で話し合いなさい。私は帰るから」
真実を梨花さんに告げるとそそくさと帰る美穂さん。
「クソ兄貴、今の話ほんとなの?」
「あ、ああ」
「ほんとにほんと?」
「あ、ああ。ホントだぞ」
「………………………や」
「やっ?」
「やったーーーーーー!!」
梨花が喜びのあまり達也に抱きついた。
「はぁーーー、久しぶりのお兄ちゃん成分だー」
「おい梨花よ、どうしたんだ?」
「お兄ちゃんが悪いんだよ? 私に紛らわしいこと言うからこんなことになるんだよ?」
「ごめん、梨花。許してくれるか?」
「………許さない」
「え? 許さないって、、、」
「私と結婚してくれないと許さないんだから!!」
「梨花、俺はお前のことが大好きだ!! ずっとそばにいてくれるか?」
「もぉ〜、遅いよバカ。私も大好きだよお兄ちゃん!!」
梨花と達也は無事に結ばれることになりました。
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