解説01 このシリーズについて
士官稼業~Offizier von Beruf 外伝と解説
『士官稼業~Offizier von Beruf』は大河ドラマの形式を(ほんのり)借りて、欧州の第2次大戦とそこに至る経過を描く歴史小説です。中心になるのは、ドイツ・イギリス・ソヴィエトを中心とする各国軍人の暮らし、思い、そして決断です。
大河ドラマになぞらえて、全体を52話と最初から決めて構成していきます。極端な群像劇となることはご容赦ください。横幅が出すぎることは準備段階ですでにはっきりしており、副次的な戦場・トピックスは52話の枠から外して外伝として取り上げるつもりです。「ルイジアナ大演習」や「ディエップ上陸作戦」は外伝化の予定です。
『士官稼業~Offizier von Beruf』に関連するものを中心に、文献リストと文献注を伴う同人本・同人誌を別途発行していく予定です。文献リストを伴わない解説記事については、「あたらしい〇〇」シリーズなどで取り上げますが、既存の続き物に分類できないものは、このツリーで取り上げます。
小説本体については、「分割4クール」形式で行きたいと思います。週1回更新を13話程度繰り返し、3か月の休載を経て更新を再開します。つまり2021年4月から掲載を始めて、2022年末~2023年初頭の完結を目指します。手ごわい資料は読むのに半年で済まないことがあり、全部読んでいると完結しないので、何年かたってまだ心身が無事なら改稿するというスタンスでおります。
マイソフの資料収集の重点は、第一に小集団の編成と連携(戦術と呼ぶのは適切ではないかもしれないと、最近思うようになりました)、第二に末端レベルを中心とする補給システムの働きです。そういった観点からは、まず誰も見たことがない物語になるものと思います。また、士官たちの辞令一枚で変わる立場、キャリアと出世の可能性、士官相互の関係、決断の背景など「組織の中の個人」を描いていきたいと思っています。
小説ですので嘘をつきます。フォン・フリッチュの魂魄が留まってナレーターになったりはしませんが、「こうだとすればいろいろ説明がつくけれど証拠はない」話や、明白に史実と異なる脚色が混じることを予めご了解下さい。各話にはヒストリカルノートをつけますので、そうした点については自覚のある限り解説を加えます。